【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実

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 いよいよ、お祭り前の最後のダンスの練習が終わりました。

 ここまで息が合えば、本番一ヶ月前からのレッスンで大丈夫と太鼓判を押されましたが、レイモンドが気を抜くと足の幅が戻るといけないので、デビューが終わるまで練習は続けたいとレスリー子爵夫人に申し出てました。

 レイモンドの必死な様子に夫人は、あっけに取られてましたが、引き続きレッスンしてくれることになりました。
 練習が終わったあとの、いつも通りお茶会で休憩です。

「クライブ伯爵令嬢、デビューの時に履く靴は、いつぐらいに出来上がりますか?

 ダンスの練習の時だけでも履いて慣らしたほうがよらしいかと。ただでさえ、緊張されますから、慣らしは大切ですよ。

 シェルエント公爵令息も、御自分の屋敷ですが、ダンスが苦手なら、少し靴を馴染ませた方が宜しいです。

 では、次のレッスンは来年になりますので、それぞれの注意した所のおさらいをしておいてください。

 では、良いお年をお迎え下さい」

「レスリー子爵夫人、色々とご指導ありがとうございました。

 また、来年もよろしくお願いします。

 以前と同じチーズケーキですが、お子様が大層喜ばれたと言ってみえたので、お土産にどうぞ。

 良いお年をお迎えください」



「まあ、ありがとうございます。子供もですが、私も大好きですの。食べるのが楽しみです」

 そう言ってレスリー子爵夫人は帰って行きました。

 今回はフレディは冬休みが近いので、休日には帰って来ませんでした。
 だから、毎週のように会っていても、二人でお茶をするのは初めてです。
 もちろん、メイドは部屋の後ろに控えていますが、喋る相手がレイモンドだけです。

「レイモンド様、私こないだ、オーシャン侯爵令嬢と友達になったんですよ」


「え、どういった経緯で友達になったのですか?」

「シャーロットは、オーシャン令嬢の事ですよ。シャーロットは突発的に行動力がある素直な令嬢です」

 私はイブでの出来事を話した。

 レイモンドはなんて無礼なんだと怒っていましたが、私が楽しそうに話すので、私が怒っていないなら問題にしないと言ってました

私はイタズラ心で、レイモンドに

「私達の関係はなんていうでしょうね?ダンスのパートナーでエスコート役?フレディの先輩?」

「ディア、もう私に警戒していませんか?それなら、もう一歩踏み込んでもいいですか?」

「レイモンド様、警戒ですか?」

「はい、最初の頃、桃を食べに行った時の事を覚えてますか?あの後、スゴく私を警戒している様子だったので」

「そういえば、そうですね。あの頃は、レイモンド様がどんな方か、しらないのに、グイグイ近づいてくるので、どうしようかと思っていました。

 フレディが話しているかもしれませんが、私は恋愛結婚がしたいのです。

 だからですかね、公爵令息のあなたとでは、恋愛ができないと考えていました。
 でも、レイモンド様の行動が何となく…… 」

 ここまで言っておいて、私のことが好きですか?なんて言えないのです。 

 恋の駆け引きの言葉が全くでてきません。


「ディア、私は貴方の事がとても気になるのです。

 だから、貴方さえ良ければ、結婚を前提に私と交際してください。

 まだ、そこまでの気持ちがなくても、私の事が気になるなら、少しずつ私を知ってください。ディア、どうですか? 」

「いざ結婚といわれますと、ためらいがでます。

 でも私もレイモンド様が気になります。

 シャーロットにエスコート役を譲って欲しいと言われたときは、すっごく嫌でしたから。

 私の事も、まだ知らないですよね。お互いの事を知る時間も必要だと思うのです」

「では、私と交際をして、私の事を知ってください。

 私が先程言った結婚を前提の気持ちは変わりません。ディアの気持ちを待ちます。ディア大切にします」

「はい、レイモンド様、嬉しいです」

 私の心臓がバクバクです。なまじアイドル並みのお顔なのに、私にむかって大切にしますですって。

 クッションに顔をうずめたいです。多分私の顔は真っ赤でしょう。その後は、何を話したのか、あまり記憶に残っていません。

 レイモンドにもチーズケーキのお土産を渡して、今度会うときはお祭ですねって、手の甲にチュッとして帰って行きました。

 その後の私は、顔が赤いままなので、熱を測ったら知恵熱なのか、熱を出して寝込みました。

 お父様とお母様には、熱が下がってから、レイモンドと交際することを伝えました。

 お母様は、とても嬉しそうにしていましたが、お父様の悲しそうな、どうしようという顔には、どうしたものか考えました。

「お父様は反対ですか?」

「違うよ、ディアが幸せになるなら反対はしないよ。娘が遠くに行くような感じで淋しく感じただけだ。

 ただ、宰相閣下が親戚になるだろう、胃薬がこれからは沢山必要になるなあと考えただけだよ」

 そう話すお父様がなんだか可愛らしく感じました。

 苦手な上司が親戚になるなんて、確かに微妙な顔になりますよね。

 お母様と二人でお父様の顔見て笑いあいました。
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