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第六章 消えた焔と黙示の頁
第三十七話 アストラネットの裏側
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レティシアとユスティナ達が学園の秘密を探っている同じ時間、エリスは自分の部屋にいた。
何台もの〈ステラソナ〉を並べ、さらにもうひとつ大型本くらいの大きさにした〈ステラソナ〉と似た端末を操作している。
〈ビーちゃん改〉、ベルガ鉱洞の冒険で持っていた〈ビーちゃん〉をアストラネット仕様に改修したものだ。底に表示されるプリズムには、〈ステラソナ〉のそれよりさらに多くの情報を映していた。
『管理者モード、もう使うことになるなんてね』
エリスが〈ビーちゃん改〉を操作すると、空中にいくつものホログラムが浮かび上がる。
規則正しく配置された光の点の間を、断続的に飛び交う無数の線。少し離れて見れば、光の集まりがアストラフォラの俯瞰風景とよく似たシルエットをしているとわかるだろう。
『ごめんね、みんな。アルのために、ちょっと頭の中を覗かせてちょーだい』
エリスの目の瞳孔が、きゅっと縮まる。
〈他人の思考を読み取る魔法〉。誰にも、友人達にすらも打ち明けていない彼女の秘密だ。
スペクトルを介して、他人の思考を断片的に盗み聞く魔法。人が見せる表の顔や言葉には裏腹があることを、どうしても察することができないエリスが、必死で生み出した処世術だった。
アルヴィナ達との裏表のない交流と〈エリちゃ〉があるおかげで、もう使う必要のなかった力。それを今、彼女はアストラネットを介して街全体に張り巡らせている。
『うわぁ、覚悟はしていたけどえっぐいね!』
狙った相手を決めず、繋がった先から無作為に思考が流れ聞こえてくるのに、エリスは顔を歪めた。
〈ステラソナ〉や中継機には、通話とメッセージ以外の魔法を遮断する安全機能がついている。
そのセキュリティを〈ビーちゃん改〉だけは突破ができる。《千脚の穿者》の体内から出てきた結晶――〈穿晶核〉を搭載した特別製。中継機の最後の調整をエリス自身の手で行った本当の理由であり、彼女だけが知るアストラネットのバックドアだった。
『アルに関する思考にだけ絞り込みっ』
エリスが〈ビーちゃん改〉を操作する。無数に浮かんできたキーワードのうちから〝アルヴィナ〟という単語をみつけだした。
(あいつ、ヤバいことになってるな)
(《緋色の魔女》だって。本当に危険なの?)
(失踪したって噂だ。戦略魔法がいつ破裂するかわからないようなもんだろう?怖すぎる)
学園中の生徒や教師たちから流入する思考が、アルヴィナに関するもののみに絞られていく。その中から、エリスは手がかりを探す。
(昨晩、この街に来る途中で通りかかった廃墟で明かりが灯ってましてね……警備に報告した方がいいですかね)
(白い髪をした娘? アルヴィナちゃんは今日は来てないよ。いつもうちのパンを買ってくれるいい子だよ。それよりもあんた何もんだい?)
(監視官カイルは報告していない情報があるのではないか?)
『カイル……あの怖い人。何か知ってるかも』
中継機に記録されたカイルの情報から、彼の端末を特定する。短いノイズの後、すぐに目的のスペクトラムにたどり着いた。
(妹よ……俺は間違っているだろうか)
エリスが眉をひそめる。さらに深く探っていくと、痛ましい記憶が見えてくる。
(もし、あの時に間違った判断をしなかったら……家族を救えたかもしれない)
(アルヴィナはまだ人間の側に留まれる。《狂い火》による悲劇を、決して繰り返してはならない)
そこで、ブッ! と思考が途切れた。どうやらカイルは、〈ステラソナ〉を破壊したようだ。
『重いもの見ちゃったなあ……とはいえカイルはアルの居場所を知っていそう』
断片的なイメージをつなぎ合わせて、街外れの森の中にいると推測する。街の外はまだアストラネットの圏外だ。
エリスは一縷の望みを賭けて、アストラフォラ外周の最も高い場所に設置された中継機から、最大出力でメッセージを飛ばした。
〝だいすきだよ〟
送信完了の点灯がつく。
『繋がった! ジャスに連絡しなきゃ』
エリスが〈ステラソナ〉を通話機能に切り替えようとした時、《ビーちゃん改》に異変が起きた。緑で示すはずのネコノメ通信の状況が、赤色で点滅している。
同時に、エリスの〈思考を読み取る魔法〉とは異なる、無理矢理頭の中に何かを流し込まれたような感覚が彼女を襲った。
(腹がへった)(ひもじい)(たべたい、すべて貪りたい)(そうしないと帰れない)(はやく)(はやく)
(我を眠りから覚ませ)
『な、なにこの思考』
エリスが困惑する。人間のそれとは明らかに違う、脈絡のない、しかし有無をいわせぬ圧力。スペクトルの向こうから、巨大な存在が彼女を見つめているのを感じた。
「やめて!…頭が……」
エリスはたまらず悲鳴をあげた。アストラネットの回線を逆流して、何者かが彼女の精神に直接攻撃をしていた。強烈な精神圧迫、そして頭の中では〝細長いシルエット〟のイメージが暴れ狂っている。
蛇。唐突にエリスの心のなかに、その姿が映った。アストラフォラよりも、山よりも大きな蛇。
古く、巨大で、圧倒的に邪悪な意識。蛇の瞳がぎょろりとエリスを睨めつけた瞬間、彼女は抵抗する猶予もなく一瞬で意識が塗りつぶされた。本来なら激痛があった筈だが、とき既にその魂を失われていたことが幸いした。
スペクトルの奔流に耐えきれず、〈ビーちゃん改〉の〈穿晶核《せんしょうかく》〉が砕け散る。室内に投影されていたネコノメ通信網の可視化光は霧散し、床に置かれた〈ステラソナ〉の光だけが部屋の中を灯す。
いや、もうふたつ。エリスの双眸が緑色に光った。身体だけとなったエリスがゆっくりと立ち上がる。
「アストラネット……」
無感情で、生命を感じさせない冷たい声で、エリスがぼそりと呟く。
「すべてのネットワークを……支配下に」
彼女の手から不気味な魔法陣が浮き上がった。その瞬間、街中のネコノメ通信に異変が起きた。通信が不安定になり、雑音が混じり始める。
エリスの口元が三日月のように不気味な笑みに歪む。そのまま部屋を出て、いつものゆらゆらとした足取りで廊下を歩いていく。その様子を、誰一人として見咎める者はいない。
何台もの〈ステラソナ〉を並べ、さらにもうひとつ大型本くらいの大きさにした〈ステラソナ〉と似た端末を操作している。
〈ビーちゃん改〉、ベルガ鉱洞の冒険で持っていた〈ビーちゃん〉をアストラネット仕様に改修したものだ。底に表示されるプリズムには、〈ステラソナ〉のそれよりさらに多くの情報を映していた。
『管理者モード、もう使うことになるなんてね』
エリスが〈ビーちゃん改〉を操作すると、空中にいくつものホログラムが浮かび上がる。
規則正しく配置された光の点の間を、断続的に飛び交う無数の線。少し離れて見れば、光の集まりがアストラフォラの俯瞰風景とよく似たシルエットをしているとわかるだろう。
『ごめんね、みんな。アルのために、ちょっと頭の中を覗かせてちょーだい』
エリスの目の瞳孔が、きゅっと縮まる。
〈他人の思考を読み取る魔法〉。誰にも、友人達にすらも打ち明けていない彼女の秘密だ。
スペクトルを介して、他人の思考を断片的に盗み聞く魔法。人が見せる表の顔や言葉には裏腹があることを、どうしても察することができないエリスが、必死で生み出した処世術だった。
アルヴィナ達との裏表のない交流と〈エリちゃ〉があるおかげで、もう使う必要のなかった力。それを今、彼女はアストラネットを介して街全体に張り巡らせている。
『うわぁ、覚悟はしていたけどえっぐいね!』
狙った相手を決めず、繋がった先から無作為に思考が流れ聞こえてくるのに、エリスは顔を歪めた。
〈ステラソナ〉や中継機には、通話とメッセージ以外の魔法を遮断する安全機能がついている。
そのセキュリティを〈ビーちゃん改〉だけは突破ができる。《千脚の穿者》の体内から出てきた結晶――〈穿晶核〉を搭載した特別製。中継機の最後の調整をエリス自身の手で行った本当の理由であり、彼女だけが知るアストラネットのバックドアだった。
『アルに関する思考にだけ絞り込みっ』
エリスが〈ビーちゃん改〉を操作する。無数に浮かんできたキーワードのうちから〝アルヴィナ〟という単語をみつけだした。
(あいつ、ヤバいことになってるな)
(《緋色の魔女》だって。本当に危険なの?)
(失踪したって噂だ。戦略魔法がいつ破裂するかわからないようなもんだろう?怖すぎる)
学園中の生徒や教師たちから流入する思考が、アルヴィナに関するもののみに絞られていく。その中から、エリスは手がかりを探す。
(昨晩、この街に来る途中で通りかかった廃墟で明かりが灯ってましてね……警備に報告した方がいいですかね)
(白い髪をした娘? アルヴィナちゃんは今日は来てないよ。いつもうちのパンを買ってくれるいい子だよ。それよりもあんた何もんだい?)
(監視官カイルは報告していない情報があるのではないか?)
『カイル……あの怖い人。何か知ってるかも』
中継機に記録されたカイルの情報から、彼の端末を特定する。短いノイズの後、すぐに目的のスペクトラムにたどり着いた。
(妹よ……俺は間違っているだろうか)
エリスが眉をひそめる。さらに深く探っていくと、痛ましい記憶が見えてくる。
(もし、あの時に間違った判断をしなかったら……家族を救えたかもしれない)
(アルヴィナはまだ人間の側に留まれる。《狂い火》による悲劇を、決して繰り返してはならない)
そこで、ブッ! と思考が途切れた。どうやらカイルは、〈ステラソナ〉を破壊したようだ。
『重いもの見ちゃったなあ……とはいえカイルはアルの居場所を知っていそう』
断片的なイメージをつなぎ合わせて、街外れの森の中にいると推測する。街の外はまだアストラネットの圏外だ。
エリスは一縷の望みを賭けて、アストラフォラ外周の最も高い場所に設置された中継機から、最大出力でメッセージを飛ばした。
〝だいすきだよ〟
送信完了の点灯がつく。
『繋がった! ジャスに連絡しなきゃ』
エリスが〈ステラソナ〉を通話機能に切り替えようとした時、《ビーちゃん改》に異変が起きた。緑で示すはずのネコノメ通信の状況が、赤色で点滅している。
同時に、エリスの〈思考を読み取る魔法〉とは異なる、無理矢理頭の中に何かを流し込まれたような感覚が彼女を襲った。
(腹がへった)(ひもじい)(たべたい、すべて貪りたい)(そうしないと帰れない)(はやく)(はやく)
(我を眠りから覚ませ)
『な、なにこの思考』
エリスが困惑する。人間のそれとは明らかに違う、脈絡のない、しかし有無をいわせぬ圧力。スペクトルの向こうから、巨大な存在が彼女を見つめているのを感じた。
「やめて!…頭が……」
エリスはたまらず悲鳴をあげた。アストラネットの回線を逆流して、何者かが彼女の精神に直接攻撃をしていた。強烈な精神圧迫、そして頭の中では〝細長いシルエット〟のイメージが暴れ狂っている。
蛇。唐突にエリスの心のなかに、その姿が映った。アストラフォラよりも、山よりも大きな蛇。
古く、巨大で、圧倒的に邪悪な意識。蛇の瞳がぎょろりとエリスを睨めつけた瞬間、彼女は抵抗する猶予もなく一瞬で意識が塗りつぶされた。本来なら激痛があった筈だが、とき既にその魂を失われていたことが幸いした。
スペクトルの奔流に耐えきれず、〈ビーちゃん改〉の〈穿晶核《せんしょうかく》〉が砕け散る。室内に投影されていたネコノメ通信網の可視化光は霧散し、床に置かれた〈ステラソナ〉の光だけが部屋の中を灯す。
いや、もうふたつ。エリスの双眸が緑色に光った。身体だけとなったエリスがゆっくりと立ち上がる。
「アストラネット……」
無感情で、生命を感じさせない冷たい声で、エリスがぼそりと呟く。
「すべてのネットワークを……支配下に」
彼女の手から不気味な魔法陣が浮き上がった。その瞬間、街中のネコノメ通信に異変が起きた。通信が不安定になり、雑音が混じり始める。
エリスの口元が三日月のように不気味な笑みに歪む。そのまま部屋を出て、いつものゆらゆらとした足取りで廊下を歩いていく。その様子を、誰一人として見咎める者はいない。
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