6 / 6
終章
しおりを挟む
ぼくはオレンジ色のトラ猫になって、ケンちゃんちで暮らしている。
ケンちゃんが学校に行っている間は、やはり猫にされたケンちゃんのお兄さんと一緒にケンちゃんのベッドでひとかたまりになって寝ている。
ケンちゃんは帰宅すると、お兄さんを足で押しやりながら「ここで寝るな、バカヤロウ」と暴言をぶつけたりする。でもそれ以上のことはしない。ケンちゃんは猫が好きだから、できないのだ。
学校でいやなことがあったりすると、ぼくをぎゅっと抱きしめて泣いたりもする。
ぼくはケンちゃんのことがものすごく欲しかったけれど、ぼく自身がケンちゃんのものになるのも悪くないと思った。
そして、最近体がひどくむずむずする。
ぼくもトラ丸のように突然溶けてしまう前兆なのかもしれない。
そうなったらケンちゃんは、ぼくがトラ丸を失った時のように悲しむのだろうか。
ー完ー
ケンちゃんが学校に行っている間は、やはり猫にされたケンちゃんのお兄さんと一緒にケンちゃんのベッドでひとかたまりになって寝ている。
ケンちゃんは帰宅すると、お兄さんを足で押しやりながら「ここで寝るな、バカヤロウ」と暴言をぶつけたりする。でもそれ以上のことはしない。ケンちゃんは猫が好きだから、できないのだ。
学校でいやなことがあったりすると、ぼくをぎゅっと抱きしめて泣いたりもする。
ぼくはケンちゃんのことがものすごく欲しかったけれど、ぼく自身がケンちゃんのものになるのも悪くないと思った。
そして、最近体がひどくむずむずする。
ぼくもトラ丸のように突然溶けてしまう前兆なのかもしれない。
そうなったらケンちゃんは、ぼくがトラ丸を失った時のように悲しむのだろうか。
ー完ー
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる