秘書

むちむちボディ

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苦しい決断

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「昨日はごめん、井上くんから誘われて飲みに行ってたよ。」
「あぁ、そうなんですね。私がお断りしたので時間空いちゃったですもんね。」
「う、うん。ごめん。」
「いえ、別に問題無いですよ。」
「それで、井上とはいつからですか?」
少しの疑惑をハッキリさせるためにカマ掛けるつもりで聞いてみた。
「あ、いや…えっと…入社して少ししてから…ぐらいかな…。」
「エッ?」
思いもよらぬ言葉が返ってきて、ビックリと悲しみが同時にきた感じがした。
タイミングは完全にNGで世間で言う浮気の状態。
私はドン底に突き落とされ、自然と涙がでてきた。
「い、井上が良いんですね。」
広瀬社長は戸惑いながらもコクリと頷いた。
「分かりました。悲しいですがこれで終わりですね。」
その日はさすがに広瀬社長と一緒に仕事することが出来ず早退した。
その事を考えると自然と涙が出てきて、広瀬社長のことが好きだったんだなと実感した。
それから数日は不安定ながら仕事に行っていたが、体調がどんどん悪くなり自宅から出ることも出来なくなった。
その事を知った井口から連絡があって、様子を見に来る事になった。
「青木、大丈夫なのか?」
「あぁ、ちょっと色々あって、精神的に病んでるだけかな。」
「それはそれでヤバイやないかー。話したい事あったら聞くぞ。」
その井口の言葉に私は救われ、大声を出して泣いてしまった。
そして、井口にカミングアウトした。
広瀬社長の事も井上の事も全部洗いざらい話した。
気持ちがスッキリすると共に活力が湧いてくる気がして、
なんでこんな事で悩んでたんだろうと思うほどに。
井口は半分信じられない感じだったが、私の目を見て、
「お前、頑張ったな。もう1人じゃ無いぞ。」
しっかりとした口調で私に伝えてくれた。
本当に嬉しかったし、持つべきは親友だなと思った。
井口の助けもあって調子を崩していた体調も徐々に良くなってきて、
数日で出社できるほどになった。
悩んでいても仕方がないと開き直って仕事に出ようと思ったが、
広瀬社長と井上を見ると気分が下がる気がして乗り気にはなれなかった。
そんなある日、広瀬社長から電話がかかってきた。
「青木くん、体調はどうかな?出にくいだろうが青木くんが心配だよ。なんとか顔を見せにきてくれないかな。」
あんな出来事があった後で優しくされてもと思ったが、広瀬社長の誠実な対応に
「はい、長く休みを頂きまして申し訳ありません。明日から出社します。」
と出社することを伝えた。
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