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知識の都ジョルーク
出発、道中の戦闘
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捨神が消えて、大体1時間くらい過ぎただろうか。
俺は方位磁針が示す、南の方角へと知識の都「ジョルーク」を目指して歩き続けていた。
「まだ着かないのか……」
愚痴を垂らしながらも、
背よりも大きい草をかき分けていく。
この世界に来た時、綺麗だと思ったあの壮大な草原は、実際、近づいてみると馬鹿でかい雑草?の群生地だった。
「ここらで休憩するか。」
草を無心にかき分けていると、
開けた場所に出たので、休憩を取ることにする。
ドカッと座り、後ろの大木にもたれる。
「暇だなー。」
休憩と言っても、食料も無い今、
する事もなく、ただ時間が過ぎるのを待つだけ。
持ち物の確認でもしとこうかと
思い、ふと小さな袋に目をやる。
「今更だけど、この袋なんだろう。」
一応説明しとくと、捨神に貰った物は三つある。
ゲームでよく見るような片手長剣と、方位磁針。
そして、中身の入った小さな袋だ。
袋の中身を確認するため、俺が袋をひっくり返すと、
手のひらに小さい物体と、折りたたまれた小さな紙が遅れて落ちて来た。
メダルの方から手に取って、よく見てみると、
金の装飾が施された、一枚の小さなメダルだった。
この世界の通貨だろうか?
回答者のいないそんな疑問を置き去りにして、小さな紙へと視線を移す。
丁寧に広げてみると、だいたいB5サイズくらいだろうか。
なにやら文字が書かれている。
手紙のようだ。
「なになに......」
陽炎君へ、
冒険エンジョイしてる!?
これを書いたのは、君に伝えなければいけない事があるからだよ。
それは、この世界に「スキル」というものがあると言う事なんだ。
「スキル」を取得するには、
魔石という魔物の体内に蓄積された、マナの結晶であり、
人族以外の魔物が魔法を発動するための媒体でもあるものを他者が取り込んだ際に得られる、マナポイントにより取得出来る。
取り込み方は、とても簡単。
ゲットした魔石を手に持ち、「ゲッチューー!!」
と叫ぶだけ。
ここだけの話、スキルにはレベルがあって、スキルの効果はそのレベルに依存する。
あ、マナを取り込むことで、ステータスも勝手に上がるし、特定の行動次第でステータスが上がったり、スキルを取得することもあるから挑戦も大事だよ!
この世界では、必需品だよね!
以上。
親愛なる捨神様より
「便利な世界~。」
ふざけた文章に対し、
つい、柄にもなく、ふやけた反応を取ってしまう。
「ま、いい暇つぶしにはなったかな。
ベタは異世界の常識だし。」
そう言い、読み終わった手紙とメダルをしまおうと、袋を元に戻そうとしてまだ何か入っているのに気付く。
改めて袋の中を確認してみると、ネックレスのような、紐に通されたアクセサリーらしき物が出てきた。
ぶら下がっている、群青色をした三角錐型の欠片は淡く光を反射して鈍く輝いている。
「何だこれ?なんかの装備?」
袋の中を念入りに調べてみるが、
説明書らしき物は見つからない。
「こんな物を渡すんなら、
説明書でも付けてくれよ……
まったく。」
これもまた、冒険というものなのかな。
それからしばらく歩いているが、
今のところ、これといったトラブルもなく、順調に進めている。
というか目的地に近づけているのかさえわからないだけど。
なんか味気ない気もするが、何も無いに越した事はないだろう。
「このまま、何も起こらなければいいけどな。」
そう呟いてから、
俺はある重大な事に気付くのだが、もう遅い。
ガサッ
ヤバイ。地雷踏んだかも。
そう思ったのも束の間、
草むらの中から黒々しい何かが物凄い勢いで、俺の居る場所に向かってくる。
「くっ!
やっぱりフラグ建てちゃったか!」
必死の思いで、その何かを避けると、もらった剣を手に取り、
急いで態勢を立て直す。
くそっ!ベタが異世界の常識って言ったの何処のどいつだよ!?
ベタがここの常識なら、
フラグもその然りである。
目の前に広がるのは、黒色の何かの背中。
その何かは、突進をかわされてしまったため、
後ろの木にぶつかり、停止してしまっているらしい。
しかし、ぶつかった木自体は、
結構な大木だったのだが、恐ろしいほど無残に薙ぎ倒されている。
「........俺、終わったんじゃね?」
目測で体長3m程度。
突進して来た際、引きずってきたのだろう。
右手に握られた大剣というべき武器の後ろからは大地がえぐられ、
この化け物が通ってきた道筋が確認できる。
「フシュー!!!」
ゆっくりと振り返るその化け物の容姿はまさに「ミノタウルス」。
だが、少し違うところもある。
下半身に巨大な馬の脚がついているのだ。
「ミノタウルス」と「ケンタウロス」の特徴を合わせ持ったその怪物は、
この世の恐怖をその身体の全てを使って体現しているようだ。
「フシュー!!」
「う、うわっ!」
そいつは、再度 俺の命を断ち切ろうと、今度は右手に持つ大剣を振りかざし、こっちに向かって突進してきた。
to be continued
俺は方位磁針が示す、南の方角へと知識の都「ジョルーク」を目指して歩き続けていた。
「まだ着かないのか……」
愚痴を垂らしながらも、
背よりも大きい草をかき分けていく。
この世界に来た時、綺麗だと思ったあの壮大な草原は、実際、近づいてみると馬鹿でかい雑草?の群生地だった。
「ここらで休憩するか。」
草を無心にかき分けていると、
開けた場所に出たので、休憩を取ることにする。
ドカッと座り、後ろの大木にもたれる。
「暇だなー。」
休憩と言っても、食料も無い今、
する事もなく、ただ時間が過ぎるのを待つだけ。
持ち物の確認でもしとこうかと
思い、ふと小さな袋に目をやる。
「今更だけど、この袋なんだろう。」
一応説明しとくと、捨神に貰った物は三つある。
ゲームでよく見るような片手長剣と、方位磁針。
そして、中身の入った小さな袋だ。
袋の中身を確認するため、俺が袋をひっくり返すと、
手のひらに小さい物体と、折りたたまれた小さな紙が遅れて落ちて来た。
メダルの方から手に取って、よく見てみると、
金の装飾が施された、一枚の小さなメダルだった。
この世界の通貨だろうか?
回答者のいないそんな疑問を置き去りにして、小さな紙へと視線を移す。
丁寧に広げてみると、だいたいB5サイズくらいだろうか。
なにやら文字が書かれている。
手紙のようだ。
「なになに......」
陽炎君へ、
冒険エンジョイしてる!?
これを書いたのは、君に伝えなければいけない事があるからだよ。
それは、この世界に「スキル」というものがあると言う事なんだ。
「スキル」を取得するには、
魔石という魔物の体内に蓄積された、マナの結晶であり、
人族以外の魔物が魔法を発動するための媒体でもあるものを他者が取り込んだ際に得られる、マナポイントにより取得出来る。
取り込み方は、とても簡単。
ゲットした魔石を手に持ち、「ゲッチューー!!」
と叫ぶだけ。
ここだけの話、スキルにはレベルがあって、スキルの効果はそのレベルに依存する。
あ、マナを取り込むことで、ステータスも勝手に上がるし、特定の行動次第でステータスが上がったり、スキルを取得することもあるから挑戦も大事だよ!
この世界では、必需品だよね!
以上。
親愛なる捨神様より
「便利な世界~。」
ふざけた文章に対し、
つい、柄にもなく、ふやけた反応を取ってしまう。
「ま、いい暇つぶしにはなったかな。
ベタは異世界の常識だし。」
そう言い、読み終わった手紙とメダルをしまおうと、袋を元に戻そうとしてまだ何か入っているのに気付く。
改めて袋の中を確認してみると、ネックレスのような、紐に通されたアクセサリーらしき物が出てきた。
ぶら下がっている、群青色をした三角錐型の欠片は淡く光を反射して鈍く輝いている。
「何だこれ?なんかの装備?」
袋の中を念入りに調べてみるが、
説明書らしき物は見つからない。
「こんな物を渡すんなら、
説明書でも付けてくれよ……
まったく。」
これもまた、冒険というものなのかな。
それからしばらく歩いているが、
今のところ、これといったトラブルもなく、順調に進めている。
というか目的地に近づけているのかさえわからないだけど。
なんか味気ない気もするが、何も無いに越した事はないだろう。
「このまま、何も起こらなければいいけどな。」
そう呟いてから、
俺はある重大な事に気付くのだが、もう遅い。
ガサッ
ヤバイ。地雷踏んだかも。
そう思ったのも束の間、
草むらの中から黒々しい何かが物凄い勢いで、俺の居る場所に向かってくる。
「くっ!
やっぱりフラグ建てちゃったか!」
必死の思いで、その何かを避けると、もらった剣を手に取り、
急いで態勢を立て直す。
くそっ!ベタが異世界の常識って言ったの何処のどいつだよ!?
ベタがここの常識なら、
フラグもその然りである。
目の前に広がるのは、黒色の何かの背中。
その何かは、突進をかわされてしまったため、
後ろの木にぶつかり、停止してしまっているらしい。
しかし、ぶつかった木自体は、
結構な大木だったのだが、恐ろしいほど無残に薙ぎ倒されている。
「........俺、終わったんじゃね?」
目測で体長3m程度。
突進して来た際、引きずってきたのだろう。
右手に握られた大剣というべき武器の後ろからは大地がえぐられ、
この化け物が通ってきた道筋が確認できる。
「フシュー!!!」
ゆっくりと振り返るその化け物の容姿はまさに「ミノタウルス」。
だが、少し違うところもある。
下半身に巨大な馬の脚がついているのだ。
「ミノタウルス」と「ケンタウロス」の特徴を合わせ持ったその怪物は、
この世の恐怖をその身体の全てを使って体現しているようだ。
「フシュー!!」
「う、うわっ!」
そいつは、再度 俺の命を断ち切ろうと、今度は右手に持つ大剣を振りかざし、こっちに向かって突進してきた。
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