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入籍 Side 麻里花

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金曜日の事だ。


午後稼業から2時間過ぎた頃、大体皆さんお茶を飲んだりするのだが、一応私は自分のを入れに行く時周りに声を掛けてから入れに行く。


「今からお茶入れに行きますがどなたか欲しい方いらしたら一緒に入れてきます。」


そう声をかけると課長や部長、主任など数名が声を上げてくれたので希望を聞いてカップを預かり給湯室に向かった。
梨乃ちゃんも一緒に行くと言ってくれたので2人で分けてカップをお盆に乗せて給湯室に向かった。


あと少しで給湯室という所で給湯室から話し声が聞こえてきた。


「新入社員で配属からたった1ヶ月ちょっとで結婚ってどういう事よね!そんなんなら就職するなってのよ!この感じなら一年もしないうちに辞めるか産休でも取られたら何のための社員か分かんないわよ。」

「真面目ないい子と思いきや専務を落とすなんて美人は得よね!やってらんないわ!」


「かと言って相手が専務じゃ我々平社員じゃ何も言えないものねぇ。創業者一族なんて雲の上だもの。新人だけど私達じゃもう何も出来ないし下手に何かしたらお咎めありそうじゃない。関わりたくないわよね。」


「ま、雑用しかしないんだし適当に何かしらやらせとけばいいよ!お茶くみとコピーくらいしか仕事させなきゃ良いだけよ。何せ専務夫人なんだからさ!」


「「それもそうね!触らぬ神に祟なし!」」


アハハという笑い声と共に給湯室から3人の先輩方が出てきた。

出てきた先輩方はヤバイという顔をしたものの、直ぐに取り繕う様な笑顔を浮かべて

「あら、ごめんなさいね。でも周りから見たらこう思うもんよ!大したことも出来やしないんだから大人しく雑用だけこなしててちょうだいね。」

そう言うとさっさと部署に戻っていた先輩方。


「麻里花気にしないのよ!あの先輩方は数年勤めてる割には大した仕事をしてないようなタイプだし。僻んでるだけだからね。何か言われたりされたら私に言うのよ!」

梨乃ちゃんが少し心配そうに言うので微笑んで答える


「大丈夫だよ。先輩方が感じて言ってることは何も間違ってるわけじゃないし。新入社員が入って1年も経たないうちに結婚なんて何してんの?って感じるのもわかるし。これ位は結婚するって決めた時に言われるくらい想像してたから気にしてないよ。」

そう言うと

「でも面と向かって言うことないわよ。大人気ないわ。なにかあったら専務にも言っときなさいね!」


そう言われたので頷いておく。


まぁ、専務で次期IGARASHIcorporationのトップに立つ予定の彩人くんと結婚するのだからやっかみやら何やら言われるだろうことは予測していたので大したダメージにはなってない。


元々彩人くんといる事でたまにお姉さま方に絡まれたりはあったので免疫が出来てる。

良いのか悪いのかは別として、まぁこの位言われるだけなら大したことは無いだろう。


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