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人界編
進展
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あの決闘から丸二日、ユリアスは宿で眠っていた。ギルファムの放ったグリザレイの一撃を自らに眠る力でねじ伏せたことで終結した決闘は、ユリアスの体に大きな負担を残していた。彼に溜まった疲労は想像にし難いものがあるだろう。
目を覚ましたのは寝込んでから三日目の昼だった。ユリアスが目を覚ますと、そこは変わらぬ宿の天井だった。
「あ、やっと起きた…よかった…もう起き上がらないのかと思ったわ。」
彼が眠っていたベッドの隣の椅子に、エクセラが座っていた。彼女はユリアスが眠っていた二日間、ずっと世話をしていたのだろう。汗をかき、部屋には買ってきたのであろう食料や水などが山積している。
「ああ、力を行使しすぎたためにかなり眠っていたようだ…二日間任せっきりですまなかった。」
「いいのよ、あれだけの力を使えば、それだけ寝込んでしまうもの。それより、お腹すいてないかしら?二日間、何も食べていないでしょう?」
そう彼女が指摘した瞬間、ユリアスの腹の虫が鳴った。迷惑はかけまいと思っていたが、体は正直だ。
「ほらね。そこに食料はたくさん用意してあるから、好きに食べて。」
彼女は買ってきた食料を指差す。言葉に甘えることにしよう。ユリアスは、パンを取って食べる。久々の食事に、手が止まらなくなっている。
「ふふっ。よく食べるわね。」
その様子を、エクセラは微笑ましそうに見ていた。
久しぶりの食事を終えたユリアスは、次の目的地である夜族たちに想いを馳せていた。
夜族と人間の歴史は深く、かつては親交があり、人間が最も交流した種族だった。互いの平和を保障しあい、文化を尊重していた。
しかし、やはりあの王の即位から、この二種族の関係も狂っていった。人間たちはすぐに夜族たちを下等な種族として差別した。見せしめとして殺したり、不当に財産を奪ったりもした。現在の人間たちの領土の一部は、夜族たちから奪ったものだ。今の二種族の間には、暗い歴史が流れている。
「夜族か…人間の差別の歴史を物語る種族だな。あの種族は、今の王の即位からずっと迫害を受けてきた。」
「じゃあ、最も恨みを買っているかもしれないということかしら?」
「ああ、そうかもしれない。何せ、あの王の即位までは対等な関係を樹立していたにもかかわらず、いきなり迫害を受けたんだ、怒りや憎悪は計り知れないよ。」
人間の醜悪な差別の歴史。夜族たちの誇りや信仰を奪い、蔑んだそれらは暗く陰鬱なものだ。無垢なエクセラに聞かすにはあまりに残酷な歴史だ。
「でも、そこにも父は赴いたのね。」
「ああ、そうだね。君のお父さんがそこにいった以上、何か掴めるものがあるのかもしれない。次に目指さなくてはならないということに変わりはないよ。」
目的は変わらない。この世界の真実を知るために、エクセラの父が置いていった鍵を集める。今わかっていることは、この世界が何か別のものたちによって牛耳ららている可能性があるということ、人間がその駒にされているかもしれないということだ。確証がないにせよ、これは考慮しなくてはならない。
「出立は明日にするよ。それまで、やり残したことがあるならすませておくといい。」
ユリアスがエクセラに伝えたその時、部屋の戸が空いた。開けたのは宿主で、ユリアスの参上をギルファムが求めているとのことだ。ユリアスは驚きながらも、期待していた。きっと、協力についてだ。宿主に宿泊の代金を払って、エクセラとともに城へ向かった。
「参上、ご苦労であった。まあ座るがいい。立っているのも苦であろう。」
出会った時よりもずっと寛大に、ギルファムは二人を迎えた。昨日の決闘で、やはり彼はユリアスの覚悟を認めていたようだ。
「ここに呼んだのは、貴公らにこれを授けようと思ってな。」
そう言って彼は従者らに、用意していたものを持ってくるよう告げた。程なくして従者たちが戻ってくる。手には鎧や剣を持っており一つ一つが最高の品だとわかった。
「これを貴公らに送ろうと思ってな。これらは我ら魔族に伝わる伝説級の武器だ。いずれ貴公らの役に立つと思い、その覚悟を認め授けようと思う。」
いきなりの申し出にユリアスは戸惑った。
「滅相もございません。我ら一介の旅人にこのような品など…」
「私も、このような品は…」
二人は当然ながら遠慮した。
「そうか…だが貴公らの装備を見ていると、悪いが貧相にしか見えなくてな…貴公らの強さは十分にわかってはいるが、この先の旅路では過酷なことも待っているだろう。その手助けにと思ったのだが…最低でも、これだけはとっては貰えんか?」
そう言ってギルファムは、球体をユリアスに渡した。
「これは?」
「転移玉だ。その宝玉があれば、この領土にいつでも転移できる。貴公らが危機に遭った場合はいつでも使え。」
この王は、認めたものにはとことん尽くすようだ、とユリアスは感じた。その厚意に感謝し、転移玉は受け取ることにした。しかし、ギルファムはそれでも納得がいかないのか大量の金をユリアスたちに授けた。
当面、金銭的に困ることはなさそうだ。
「ここより西へ進め。そこが要塞の街ドルフだ。夜族と我らの領土の境に当たる。そこから夜族の土地へ進むといい。そなたらの旅路に誉があることを祈ろう。この先も気をつけるのだぞ。」
ギルファムは力強く二人を送り出した。二人はその言葉を胸に王城を後にした。
ギルファムの言う通り王城から西へ進み、魔族と夜族たちの領土の境界の街、ドルフに着いた。セルカスの街に似た要塞都市だが、夜族たちと良好な関係を結んでいるのか、それほど侵攻を気にしている様子はなく、街自体も穏やかだった。彼らはギルファムの言う要塞にいる。要塞の責任者が二人を出迎えた。
「お待ちしておりました。ギルファム王から話は聞いております。すぐに要塞の門を開けましょう。」
彼はすぐに開城の手配をすると言う。終わり次第鐘を鳴らすそうだ。それまでの間、二人はドルフの街を探索することにした。
街では魔族たちが人間と変わらず商売をしたりしている。その光景を見ると、ユリアスの中には複雑な思いが芽生えた。
変わるはずがないのだ。こうして同じように暮らしている魔族たちにも変わらない家族や恋人、友人の関係がある。多種族たちにも同じことが言える。皆、差別など受けなくても良いのに、自分たちの愚かさ、或いはこの世界を牛耳るものらにより平和と均衡が壊されたこと。その怒りと悲しみがユリアスの中には芽生える。
ふとあたりを見ると、エクセラが遠くで魔族の子供達と話したり、遊んだりしている。彼女はやはり子供の扱いが上手い。その光景にユリアスは平和の形を思い浮かべた。いつか全ての種族がこうあれるように、戦わなくてはならない。彼は決意を新たにした。
要塞の方から鐘がなる。次の旅路への福音が鳴り響く。二人は要塞へと戻り、支度を済ませた。
「次の旅も御気をつけて。」
要塞の責任者がユリアスに言った。ユリアスは頷いた。
「行こうか。」ユリアスがエクセラに言う。
「ええ。」彼女も返事をした。
この世界の真実、それを巡る新たな旅の一歩を二人は踏み出した。
目を覚ましたのは寝込んでから三日目の昼だった。ユリアスが目を覚ますと、そこは変わらぬ宿の天井だった。
「あ、やっと起きた…よかった…もう起き上がらないのかと思ったわ。」
彼が眠っていたベッドの隣の椅子に、エクセラが座っていた。彼女はユリアスが眠っていた二日間、ずっと世話をしていたのだろう。汗をかき、部屋には買ってきたのであろう食料や水などが山積している。
「ああ、力を行使しすぎたためにかなり眠っていたようだ…二日間任せっきりですまなかった。」
「いいのよ、あれだけの力を使えば、それだけ寝込んでしまうもの。それより、お腹すいてないかしら?二日間、何も食べていないでしょう?」
そう彼女が指摘した瞬間、ユリアスの腹の虫が鳴った。迷惑はかけまいと思っていたが、体は正直だ。
「ほらね。そこに食料はたくさん用意してあるから、好きに食べて。」
彼女は買ってきた食料を指差す。言葉に甘えることにしよう。ユリアスは、パンを取って食べる。久々の食事に、手が止まらなくなっている。
「ふふっ。よく食べるわね。」
その様子を、エクセラは微笑ましそうに見ていた。
久しぶりの食事を終えたユリアスは、次の目的地である夜族たちに想いを馳せていた。
夜族と人間の歴史は深く、かつては親交があり、人間が最も交流した種族だった。互いの平和を保障しあい、文化を尊重していた。
しかし、やはりあの王の即位から、この二種族の関係も狂っていった。人間たちはすぐに夜族たちを下等な種族として差別した。見せしめとして殺したり、不当に財産を奪ったりもした。現在の人間たちの領土の一部は、夜族たちから奪ったものだ。今の二種族の間には、暗い歴史が流れている。
「夜族か…人間の差別の歴史を物語る種族だな。あの種族は、今の王の即位からずっと迫害を受けてきた。」
「じゃあ、最も恨みを買っているかもしれないということかしら?」
「ああ、そうかもしれない。何せ、あの王の即位までは対等な関係を樹立していたにもかかわらず、いきなり迫害を受けたんだ、怒りや憎悪は計り知れないよ。」
人間の醜悪な差別の歴史。夜族たちの誇りや信仰を奪い、蔑んだそれらは暗く陰鬱なものだ。無垢なエクセラに聞かすにはあまりに残酷な歴史だ。
「でも、そこにも父は赴いたのね。」
「ああ、そうだね。君のお父さんがそこにいった以上、何か掴めるものがあるのかもしれない。次に目指さなくてはならないということに変わりはないよ。」
目的は変わらない。この世界の真実を知るために、エクセラの父が置いていった鍵を集める。今わかっていることは、この世界が何か別のものたちによって牛耳ららている可能性があるということ、人間がその駒にされているかもしれないということだ。確証がないにせよ、これは考慮しなくてはならない。
「出立は明日にするよ。それまで、やり残したことがあるならすませておくといい。」
ユリアスがエクセラに伝えたその時、部屋の戸が空いた。開けたのは宿主で、ユリアスの参上をギルファムが求めているとのことだ。ユリアスは驚きながらも、期待していた。きっと、協力についてだ。宿主に宿泊の代金を払って、エクセラとともに城へ向かった。
「参上、ご苦労であった。まあ座るがいい。立っているのも苦であろう。」
出会った時よりもずっと寛大に、ギルファムは二人を迎えた。昨日の決闘で、やはり彼はユリアスの覚悟を認めていたようだ。
「ここに呼んだのは、貴公らにこれを授けようと思ってな。」
そう言って彼は従者らに、用意していたものを持ってくるよう告げた。程なくして従者たちが戻ってくる。手には鎧や剣を持っており一つ一つが最高の品だとわかった。
「これを貴公らに送ろうと思ってな。これらは我ら魔族に伝わる伝説級の武器だ。いずれ貴公らの役に立つと思い、その覚悟を認め授けようと思う。」
いきなりの申し出にユリアスは戸惑った。
「滅相もございません。我ら一介の旅人にこのような品など…」
「私も、このような品は…」
二人は当然ながら遠慮した。
「そうか…だが貴公らの装備を見ていると、悪いが貧相にしか見えなくてな…貴公らの強さは十分にわかってはいるが、この先の旅路では過酷なことも待っているだろう。その手助けにと思ったのだが…最低でも、これだけはとっては貰えんか?」
そう言ってギルファムは、球体をユリアスに渡した。
「これは?」
「転移玉だ。その宝玉があれば、この領土にいつでも転移できる。貴公らが危機に遭った場合はいつでも使え。」
この王は、認めたものにはとことん尽くすようだ、とユリアスは感じた。その厚意に感謝し、転移玉は受け取ることにした。しかし、ギルファムはそれでも納得がいかないのか大量の金をユリアスたちに授けた。
当面、金銭的に困ることはなさそうだ。
「ここより西へ進め。そこが要塞の街ドルフだ。夜族と我らの領土の境に当たる。そこから夜族の土地へ進むといい。そなたらの旅路に誉があることを祈ろう。この先も気をつけるのだぞ。」
ギルファムは力強く二人を送り出した。二人はその言葉を胸に王城を後にした。
ギルファムの言う通り王城から西へ進み、魔族と夜族たちの領土の境界の街、ドルフに着いた。セルカスの街に似た要塞都市だが、夜族たちと良好な関係を結んでいるのか、それほど侵攻を気にしている様子はなく、街自体も穏やかだった。彼らはギルファムの言う要塞にいる。要塞の責任者が二人を出迎えた。
「お待ちしておりました。ギルファム王から話は聞いております。すぐに要塞の門を開けましょう。」
彼はすぐに開城の手配をすると言う。終わり次第鐘を鳴らすそうだ。それまでの間、二人はドルフの街を探索することにした。
街では魔族たちが人間と変わらず商売をしたりしている。その光景を見ると、ユリアスの中には複雑な思いが芽生えた。
変わるはずがないのだ。こうして同じように暮らしている魔族たちにも変わらない家族や恋人、友人の関係がある。多種族たちにも同じことが言える。皆、差別など受けなくても良いのに、自分たちの愚かさ、或いはこの世界を牛耳るものらにより平和と均衡が壊されたこと。その怒りと悲しみがユリアスの中には芽生える。
ふとあたりを見ると、エクセラが遠くで魔族の子供達と話したり、遊んだりしている。彼女はやはり子供の扱いが上手い。その光景にユリアスは平和の形を思い浮かべた。いつか全ての種族がこうあれるように、戦わなくてはならない。彼は決意を新たにした。
要塞の方から鐘がなる。次の旅路への福音が鳴り響く。二人は要塞へと戻り、支度を済ませた。
「次の旅も御気をつけて。」
要塞の責任者がユリアスに言った。ユリアスは頷いた。
「行こうか。」ユリアスがエクセラに言う。
「ええ。」彼女も返事をした。
この世界の真実、それを巡る新たな旅の一歩を二人は踏み出した。
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