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千客万来?
第36話 避難訓練のような襲撃イベント
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『これから第一回拠点襲撃イベントを開始するわ。
一応、ハルは家から出てこないはずだけど、うっかり観られても問題ないように、各自しっかりと自分の役割を全うするように!』
敵味方でデザインが違うが、全く同じように送受信できる通信用の式神。
イアリングのように右耳にくっつく蜘蛛から、雛菊の指示が届く。
「ここまで来ると本当に茶番劇だね。
仮にも敵とリアルタイム通信しながら、その相手を襲撃するなんて……」
苦笑しつつぼやく莧。
本当に使い魔筆頭女狐は、よく分からない。
使い魔達にくらいは、本当のことを話してほしいものだが、秘密主義なのか、はたまた、話せない事情があるのか……。
「……どうでも良いわ。
それよりも最初の仕事はそなたであろ?」
隣に立つ茨は、既に反骨心さえ消えたようで唯々諾々と従う姿勢でいる。
自分達以上に術に詳しいからか、全く逆らう気がないらしい。
「……さて、それじゃあ行くかな。
金攻真鍮林《こんこうしんちゅうりん》」
莧が拳を大地へ打ち下ろすと、そこから前方へ放射状に大地が隆起し、金属の槍が生える。
森林のように生え広がる金属槍は、木柵を巻き込んで高々と聳えるとすぐに消え去り、後に残ったのは、巨大なもぐらの通り道にでもなったような凸凹の大地。
「すごいのう……。
これほど、攻撃的に洗練された術は始めてみたわえ……」
凶悪な痕跡を見て感心したような口振りだが、声音から、呆れているようであった。
「全く、何と戦う気でいるんだろうね?
後、技名を何故叫ぶ必要があるのだろう。
……不思議だね」
茨の言葉に、放った本人である莧も呆れて肩を竦めている。
莧や茨から見ると、無駄に殺意が強すぎるのだ。
生き物を殺すのに、こんな鋭利な槍の群れは必要ない。
大岩の1つでも落とせば十分。
それが彼女らの感覚だった。
しかも、技名を叫ぶ理由が分からない。
ましてや、以前に比べて、使える術の数が減っている現状では手札を隠せないと言うことは、自分で自分の足を引っ張っている気がしている。
しかし、そんな彼女達を置き去りにして、イベントは進む。
元より、襲撃側の眷属も防衛側の妖精も雛菊により制御されているので、見た目の迫力に反して、被害は出ていないはずである。
たとえ、目の前に猪の突撃を受けて、光の粒子になる妖精が居ようとも……。
「……本当に大丈夫なのかい?
見た目には、消滅しているように見えるけど?」
「……大丈夫なようだ。
ぶつかる瞬間、半魔素状態になって回収されておる」
敵役とは言え、消滅しているように見えるのは、気分が悪いし、何より本当に大丈夫なのか不安になると呟く莧に、問題ないと返す茨。
「……本当だ。
どうやったら、こんな器用なことが出来るんだ?」
「分からん。
そもそも、魔素状態と物質状態の中間体と言うのが、妾には理解出来ん」
よく見ると、実際には衝突していないことが分かった莧が、どんな術を使っているのかと、茨に問うが茨の知識では理解不能であった。
「……本当に芸が細かいな。
どんだけ、とんでもないんだ?」
「さあのぅ。
妾としては、そんな超高度の技術を無駄使いしているなとしか言えん」
『莧、茨。
もうすぐ紅葉が着くから、うまく立ち回っていなさい。
先ほどの術クラスは、遠隔だと相殺しきれないから、術なしでやり合うように』
「……もう少し、事前の調整が必要だったんじゃないのかい?」
「本当に、雛菊はすごいのかすごくないのかよく分からんの……」
紅葉接近の連絡と共に伝えられた、攻撃霊術禁止に思わず脱力する襲撃者コンビ。
「……ぐだぐだですの。
それはともかく、莧と茨。
悪いのですけど、早々と撤退してもらいますの!」
そんな2人のもとに駆け付ける紅葉。
呆れ果てたように肩を竦めながら。
そして……。
一応、ハルは家から出てこないはずだけど、うっかり観られても問題ないように、各自しっかりと自分の役割を全うするように!』
敵味方でデザインが違うが、全く同じように送受信できる通信用の式神。
イアリングのように右耳にくっつく蜘蛛から、雛菊の指示が届く。
「ここまで来ると本当に茶番劇だね。
仮にも敵とリアルタイム通信しながら、その相手を襲撃するなんて……」
苦笑しつつぼやく莧。
本当に使い魔筆頭女狐は、よく分からない。
使い魔達にくらいは、本当のことを話してほしいものだが、秘密主義なのか、はたまた、話せない事情があるのか……。
「……どうでも良いわ。
それよりも最初の仕事はそなたであろ?」
隣に立つ茨は、既に反骨心さえ消えたようで唯々諾々と従う姿勢でいる。
自分達以上に術に詳しいからか、全く逆らう気がないらしい。
「……さて、それじゃあ行くかな。
金攻真鍮林《こんこうしんちゅうりん》」
莧が拳を大地へ打ち下ろすと、そこから前方へ放射状に大地が隆起し、金属の槍が生える。
森林のように生え広がる金属槍は、木柵を巻き込んで高々と聳えるとすぐに消え去り、後に残ったのは、巨大なもぐらの通り道にでもなったような凸凹の大地。
「すごいのう……。
これほど、攻撃的に洗練された術は始めてみたわえ……」
凶悪な痕跡を見て感心したような口振りだが、声音から、呆れているようであった。
「全く、何と戦う気でいるんだろうね?
後、技名を何故叫ぶ必要があるのだろう。
……不思議だね」
茨の言葉に、放った本人である莧も呆れて肩を竦めている。
莧や茨から見ると、無駄に殺意が強すぎるのだ。
生き物を殺すのに、こんな鋭利な槍の群れは必要ない。
大岩の1つでも落とせば十分。
それが彼女らの感覚だった。
しかも、技名を叫ぶ理由が分からない。
ましてや、以前に比べて、使える術の数が減っている現状では手札を隠せないと言うことは、自分で自分の足を引っ張っている気がしている。
しかし、そんな彼女達を置き去りにして、イベントは進む。
元より、襲撃側の眷属も防衛側の妖精も雛菊により制御されているので、見た目の迫力に反して、被害は出ていないはずである。
たとえ、目の前に猪の突撃を受けて、光の粒子になる妖精が居ようとも……。
「……本当に大丈夫なのかい?
見た目には、消滅しているように見えるけど?」
「……大丈夫なようだ。
ぶつかる瞬間、半魔素状態になって回収されておる」
敵役とは言え、消滅しているように見えるのは、気分が悪いし、何より本当に大丈夫なのか不安になると呟く莧に、問題ないと返す茨。
「……本当だ。
どうやったら、こんな器用なことが出来るんだ?」
「分からん。
そもそも、魔素状態と物質状態の中間体と言うのが、妾には理解出来ん」
よく見ると、実際には衝突していないことが分かった莧が、どんな術を使っているのかと、茨に問うが茨の知識では理解不能であった。
「……本当に芸が細かいな。
どんだけ、とんでもないんだ?」
「さあのぅ。
妾としては、そんな超高度の技術を無駄使いしているなとしか言えん」
『莧、茨。
もうすぐ紅葉が着くから、うまく立ち回っていなさい。
先ほどの術クラスは、遠隔だと相殺しきれないから、術なしでやり合うように』
「……もう少し、事前の調整が必要だったんじゃないのかい?」
「本当に、雛菊はすごいのかすごくないのかよく分からんの……」
紅葉接近の連絡と共に伝えられた、攻撃霊術禁止に思わず脱力する襲撃者コンビ。
「……ぐだぐだですの。
それはともかく、莧と茨。
悪いのですけど、早々と撤退してもらいますの!」
そんな2人のもとに駆け付ける紅葉。
呆れ果てたように肩を竦めながら。
そして……。
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