50 / 139
村造りシミュレーション
第48話 チュートリアル(モノ造り)
しおりを挟む
日に日に木柵から、石壁に変更されていく防壁。
そちらにリソースが割かれているとかで、特に町造りで出来ることがない。
そう思っていた所に、雛菊が変なことを言い出した。
「そのうち、やって来るようになるだろう行商人に備えて、特産品を用意しましょう」
と、正直いつ来るかも知れない相手に何を用意することがあるのかとも言いたいけど、冬籠りで暇なのも確かなんだよな……。
下手に拒否すると、果実回収の仕事が回ってくるし。
「回復薬は結構貯まってるよな?
後は……。
採掘場から取れる鉱石も売れるんだっけ?」
採掘場は石材を入手する場所だが、低確率で魔鉄鉱と言う鉱石も出たはず。
確か、『夢幻千年京』だと、行商人は2種類あって、都から来る人族の行商人には、鉱石も売れた。
だが、妖怪側の行商人は、鉱石は買い取ってくれなかったな。
「採掘場から出る鉱石は、魔鉄鉱だから買い取ってくれる可能性はあるわね?
けど、出来ればナイフとかに加工したいわ」
「……武器の方が高く売れるもんな」
日本と違って物騒な世界。
行商人にとって、武器や防具は消耗品なので、結構な額で売れると言う設定だった。
そうでなくても、再び襲撃を受ける可能性は十分にある。
防壁に鬼2人と結構強力な布陣だけど、武器はあった方が良い。
「だけど、加工できる者がいないのよ」
「雛菊は木工や機織りがメインだもんな……」
雛菊を仲間にして解放される生産設備は、紡績系と家具系だったはず。
そもそも、妊婦に鍛冶はさせられない。
「魔鉄鉱で、鍛冶妖精を創るのも手だけど、品質は悪いでしょうね?」
「それは……」
拠点を造り始めた最初に、準備しようとしていたヤツだが、売れるような品質にはならないだろうな……。
……マジで初期装備レベルだし。
「……と言うわけで、土地勘のある紅葉の伝で、鍛冶の出来る妖怪を連れてきてもらうわ」
「まあ紅葉には、申し訳ないけど、それしかないか……」
雪の中を仲間妖怪スカウトに出る。
かなりハードだし、HPが高いタンク型の紅葉にしか出来ないだろうとも思うが、見た目もあって罪悪感が酷い。
「……そう思うなら、しっかり労ってあげて」
雛菊も優しい言葉を言う。
言葉だけは……。
「……そんな親の仇を見るような目で言われても」
「……気にしないで。
しょうがないのよ。しょうがない……」
鋭く睨み付けられると、萎縮してしまう。
雛菊は、こっちの指摘を受け流し、視線を外してブツブツと呟くが、
「1日独占権で、手を打ったのは私だもの……」
「ちょい待ち!
いつの間にか、俺の人権が売り買いされてるみたいだけど?!」
聞き捨てならないセリフを口にする。
「そんなことしていないわよ。
正妻として、旦那に甘える権利を貸してるだけじゃない。
夫婦の共有財産よ」
「それを人権を売ったって言うんだけど?!」
酷い話だと抗議したが、旦那のモノは妻のモノだと宣言する。
身柄までとはジャイアニズムの極みだと思うのだが。
「とにかく、鍛冶についてはこんなところ!
次に必要なのは、食べ物よね?
美味しいものがあれば、何度も来たくなるでしょ?
と言うわけで、保存食を準備しましょう」
「美味しい食べ物で保存食限定……」
そりゃ、ドライフルーツとか美味しいけど、好みに影響されると思うんだよな?
なのに保存食限定って……。
「行商人は、商品を仕入れて別の場所で売るのが、生業なのよ?
長期保存は基本でしょ?
……と言うわけで、これ」
雛菊の手元が光り、現れたのは釣竿?
「魚を捕って、干物を作りましょう」
「何故に魚?
そもそも、釣りで魚を捕るのは効率が悪いんじゃないか?」
せめて漁網が欲しい。
「魚の干物は内陸では、手に入らないから確実に売れるのよ。
そして、この寒い時期に魚を入手しようと思ったら釣りしかないでしょ?
それとも素潜りでもする気?」
「……そうかもしれないけど」
確かに漁網なんて素人が使えるものではないかもしれないし、かと言って極寒の海に潜るのもどうかと思う。
……寒い時期は特に。
「妖精達と協力して、干物作りをお願いね」
「まあ、妊婦に寒さは厳禁か。
分かった。
頑張ってみる」
「ありがとう」
……しょうがない。
頑張ってみるとしようかな。
そちらにリソースが割かれているとかで、特に町造りで出来ることがない。
そう思っていた所に、雛菊が変なことを言い出した。
「そのうち、やって来るようになるだろう行商人に備えて、特産品を用意しましょう」
と、正直いつ来るかも知れない相手に何を用意することがあるのかとも言いたいけど、冬籠りで暇なのも確かなんだよな……。
下手に拒否すると、果実回収の仕事が回ってくるし。
「回復薬は結構貯まってるよな?
後は……。
採掘場から取れる鉱石も売れるんだっけ?」
採掘場は石材を入手する場所だが、低確率で魔鉄鉱と言う鉱石も出たはず。
確か、『夢幻千年京』だと、行商人は2種類あって、都から来る人族の行商人には、鉱石も売れた。
だが、妖怪側の行商人は、鉱石は買い取ってくれなかったな。
「採掘場から出る鉱石は、魔鉄鉱だから買い取ってくれる可能性はあるわね?
けど、出来ればナイフとかに加工したいわ」
「……武器の方が高く売れるもんな」
日本と違って物騒な世界。
行商人にとって、武器や防具は消耗品なので、結構な額で売れると言う設定だった。
そうでなくても、再び襲撃を受ける可能性は十分にある。
防壁に鬼2人と結構強力な布陣だけど、武器はあった方が良い。
「だけど、加工できる者がいないのよ」
「雛菊は木工や機織りがメインだもんな……」
雛菊を仲間にして解放される生産設備は、紡績系と家具系だったはず。
そもそも、妊婦に鍛冶はさせられない。
「魔鉄鉱で、鍛冶妖精を創るのも手だけど、品質は悪いでしょうね?」
「それは……」
拠点を造り始めた最初に、準備しようとしていたヤツだが、売れるような品質にはならないだろうな……。
……マジで初期装備レベルだし。
「……と言うわけで、土地勘のある紅葉の伝で、鍛冶の出来る妖怪を連れてきてもらうわ」
「まあ紅葉には、申し訳ないけど、それしかないか……」
雪の中を仲間妖怪スカウトに出る。
かなりハードだし、HPが高いタンク型の紅葉にしか出来ないだろうとも思うが、見た目もあって罪悪感が酷い。
「……そう思うなら、しっかり労ってあげて」
雛菊も優しい言葉を言う。
言葉だけは……。
「……そんな親の仇を見るような目で言われても」
「……気にしないで。
しょうがないのよ。しょうがない……」
鋭く睨み付けられると、萎縮してしまう。
雛菊は、こっちの指摘を受け流し、視線を外してブツブツと呟くが、
「1日独占権で、手を打ったのは私だもの……」
「ちょい待ち!
いつの間にか、俺の人権が売り買いされてるみたいだけど?!」
聞き捨てならないセリフを口にする。
「そんなことしていないわよ。
正妻として、旦那に甘える権利を貸してるだけじゃない。
夫婦の共有財産よ」
「それを人権を売ったって言うんだけど?!」
酷い話だと抗議したが、旦那のモノは妻のモノだと宣言する。
身柄までとはジャイアニズムの極みだと思うのだが。
「とにかく、鍛冶についてはこんなところ!
次に必要なのは、食べ物よね?
美味しいものがあれば、何度も来たくなるでしょ?
と言うわけで、保存食を準備しましょう」
「美味しい食べ物で保存食限定……」
そりゃ、ドライフルーツとか美味しいけど、好みに影響されると思うんだよな?
なのに保存食限定って……。
「行商人は、商品を仕入れて別の場所で売るのが、生業なのよ?
長期保存は基本でしょ?
……と言うわけで、これ」
雛菊の手元が光り、現れたのは釣竿?
「魚を捕って、干物を作りましょう」
「何故に魚?
そもそも、釣りで魚を捕るのは効率が悪いんじゃないか?」
せめて漁網が欲しい。
「魚の干物は内陸では、手に入らないから確実に売れるのよ。
そして、この寒い時期に魚を入手しようと思ったら釣りしかないでしょ?
それとも素潜りでもする気?」
「……そうかもしれないけど」
確かに漁網なんて素人が使えるものではないかもしれないし、かと言って極寒の海に潜るのもどうかと思う。
……寒い時期は特に。
「妖精達と協力して、干物作りをお願いね」
「まあ、妊婦に寒さは厳禁か。
分かった。
頑張ってみる」
「ありがとう」
……しょうがない。
頑張ってみるとしようかな。
0
あなたにおすすめの小説
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!!
2巻2月9日電子版解禁です!!
紙は9日に配送開始、12日発売!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる