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村造りシミュレーション
第70話 大会議
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晴彦に加え、攻略部隊メンバーが寝静まっていることを確認したので、私は、出立を前に総出での方針会議を行うことにしたの。
「……まず、朧は上手く攻略部隊メンバーと仲良くなったようね?」
「……当然よ。
やはり、敵がいると信用を買いやすくて助かるわ。
雛菊が、フォーティンと聞いて急にアドリブを入れたお陰でもあるけど……」
暗に結果オーライになったけど、急な行動をするなと怒られてしまった。
けど、
「しょうがないじゃない。
フォーティンって名称を出されて、動きがないのも不自然でしょ?」
「端末14号と言ったわけではないのだ。
気付かない振りでも大丈夫だったのだ」
「……サファイアやクォーツが、一瞬顔をしかめてた。
雛菊の行動に不信感を持っている」
「リカバリーしてくれた朧達には感謝しているわよ」
まず、上手く攻略部隊へ顔を繋いだ朧を褒めていたのだが、ダメ出しをされてしまった。
そのリカバリーしてくれた朧達。
けれど、それが良い方へ働いたのも事実。
迷宮を出る自分が悪役になっても問題はないのだし。
「そうね。
ダンジョン残留組の朧と攻略部隊の間で仲良くするのは利点が大きいわ」
もしかしたら、裏情報なんてのを溢してくれるかもしれないし……。
「さて、それぞれの方針だけど、私は地上で落ち着いたら、子供を産むわ。
しばらく、出産と育児であれこれと動けないから……」
「出産って、そんな計画的に出来るものですの?」
「まあ人間には無理。
……違うわね。
出産制御を必要とするほど、切迫していなかったんじゃないかしら?」
当然、私でもお腹の子供が未熟な状態では、出産出来ないので、必要以上に早めるのは無理。
死産になるのが落ち。
けれど、遅らせるのは全然出来る。
私達の大本が兵器として造られているが故でしょうね。
「まあ、人間は社会性の強い生き物ですものね。
母体が動けない時に他の個体が補助するなら、胎内で出産時期が前後しても対応出来るですの」
「そういうこと。
その間のハルの護衛は、紅葉にお願いするわ。
地上だから、よほど大きな危険はないと思うし、攻めより守りを得意とする紅葉なら余裕でしょ?」
育児はそれなりの期間が掛かるけど、出産は半日程度のこと。
間違っても紅葉と浮気なんてことは、ならないでしょうしね。
「莧には悪いけど、自衛隊と一緒に各地の復興をお願いするわ」
「ここでやっているように妖精や眷属を創造して、治安維持や労働力を提供するんだね?
……任せてくれ」
外に出ることになった以上、ダンジョンでやっていたことを外でやるだけの話。
労働力を回復させて、日本を早々と安定させてやる。
少なくとも、軍隊がダンジョン対応や食糧確保に駆り出されるような、弱小国家はハルが住むのに相応しくないわ。
「ここから食料を供給できると楽だけど、杉本の感じ的には難しそうね」
「誰だって食料って、生命線を握られたくはないのだ。
まして、私達は良く分からない人外なのだ」
ため息を付く私へ、当然だと返す朔。
まあ、私もこの提案に安請け合いするような連中なら、こんな付き合い方をしないわ。
次へ移りましょ。
「茨は……」
「武器の作成じゃな?
販路は?」
「ひとまず、自衛隊へ納品で良いわ。
彼らから、ダンジョン探索を望む人間の手に卸してもらう。
荒稼ぎによる起業も考えたのだけど……」
大企業の社長ともなれば、様々な勢力による守りが得られるだろうけど、
「……そうよな。
正直、杉本らから聞いた地上の状況的に、財力と安全がイコールとは思えん。
それくらいなら、自衛隊の協力者と言う立ち位置の方がよかろう」
茨が言うように、ヘイトを買えば直ぐに攻撃されそうなのよね。
それよりも自衛隊へ協力する善意の第三者でいる方が安全だと思うわ。
「妾が害意を持っていたなら、ダンジョン発生自体を雛菊達のせいだと吹聴するな」
「でしょ?
私でもそうするもの」
不自然に利益を稼げば、突飛もない噂でも乗ってくる連中は、少なからずいるもの。
そういう連中に限って自分は騙されないって、よく分からない自信に満ちているのよね……。
「それで、最終的なお兄の立ち位置はどうするですの?」
「……正直、地上に行ってからじゃないと分からないわ。
端末14号の使っているIPアドレスを利用して、情報を集めていたのだけど、時間差は結構大きな問題」
アクセスのタイミングがどうしても、ズレるから、情報の連続性が取れなくて、全体像を掴めないことも多いのよね。
気になる事件があっても、次に見た時には、半年前の話題だから、よほどの物じゃないと、探すのにも苦労する。
端末14号が、スレ版を利用していた気持ちもよく分かるわ。
「行き当たりばったりですの……」
「しょうがないじゃない。
連中がこっちの用意したレストハウスを避けて来るなんて、想定外だったのよ?
しかも、ご丁寧に目眩ましの拠点工事までしてくれて!」
本当に信じられない。
人の親切を疑うなんて、どうかしているわ。
「……普通、危険なダンジョン内にログハウス何てあったら、疑うのが正解ではないのか?」
「……ですの。
ましてや、他の階層同様に小鬼が出てきたら、敵地と思うのは当然ですの」
茨と紅葉が、こそこそと話す。
聞こえているのよ!
「不可抗力よ。
魔物ゼロの安全な洞窟じゃ、あっという間に攻略されるじゃないの!
小鬼の振りした妖精を介して、監視も出来るだろうし……」
「で、小鬼の曖昧な情報を、元に枕を高くしていて、寝首を掛れたのだ?」
今度は朔が皮肉る。
本当に、どいつもこいつも文句ばっかり一人前なんだから!
「ふん!
天才には、凡愚の行動が予測できないだけよ!
私がミスったわけじゃないわ!」
そう。
攻略部隊の連中に、妙な動きがあったら、それを利用してやるくらいの気概があれば、こんな事態にはならなかったんだから!
「こやつ、あれだけ色々と策略立てといて、敗北宣言しておるぞ?」
「……多分、今回の失敗は、凡人の間抜けな行動は賢い自分には理解できないせいだ、とでも言いたいんじゃないかな?」
「間抜けは雛菊ですの……。
世の中の大半は、雛菊の言う凡人ばかりですの。
つまり、雛菊は自分の計略は高確率で失敗すると、宣言しているに等しいですの……」
茨、莧に続いて紅葉と6階層組が連続で攻撃してくる。
紅葉に言われるのだけは許せない!
「大体、紅葉があんなタイミングで、拠点外に出ているのがいけなかったのよ!」
「最初のデートを邪魔したのはお前ですの!」
ウグゥ!
それを言われると、話題を変えて、
「私の妖精を排除なんかして!」
「それも最初のデートの時に、雛菊が邪魔したせいですの!」
……そうだったわ。
他の原因は?
「……はっきり言って、自業自得なのだ。
殆ど、自分で自分の作戦を台無しにしているのだ……」
私が必死に自分以外の原因を考えている所に、ため息と共に呟く朔。
批難する価値もないと言わんばかりの態度に、心が折れた。
「どうせ、私は最強で天才だから、凡人の愚行で破綻するのよ……」
「こいつ、いじけているのにこの発想か……」
「都市破壊兵器なので、最強は不思議でないですの。
けど、これだけ頻繁に失敗しているのに、未だに自分を天才と思う思考は理解できないですの」
机に突っ伏してる私に、更に追い討ちを掛けてくる鬼畜ども。
「もう良いもん!
話し合いはおしまい!
私はハルの隣に戻るの!」
もう嫌だ、さっさとハルの匂いを嗅いで落ち着こう。
そう思って、地下会議室を後にするのだった。
「……まず、朧は上手く攻略部隊メンバーと仲良くなったようね?」
「……当然よ。
やはり、敵がいると信用を買いやすくて助かるわ。
雛菊が、フォーティンと聞いて急にアドリブを入れたお陰でもあるけど……」
暗に結果オーライになったけど、急な行動をするなと怒られてしまった。
けど、
「しょうがないじゃない。
フォーティンって名称を出されて、動きがないのも不自然でしょ?」
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「……サファイアやクォーツが、一瞬顔をしかめてた。
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そのリカバリーしてくれた朧達。
けれど、それが良い方へ働いたのも事実。
迷宮を出る自分が悪役になっても問題はないのだし。
「そうね。
ダンジョン残留組の朧と攻略部隊の間で仲良くするのは利点が大きいわ」
もしかしたら、裏情報なんてのを溢してくれるかもしれないし……。
「さて、それぞれの方針だけど、私は地上で落ち着いたら、子供を産むわ。
しばらく、出産と育児であれこれと動けないから……」
「出産って、そんな計画的に出来るものですの?」
「まあ人間には無理。
……違うわね。
出産制御を必要とするほど、切迫していなかったんじゃないかしら?」
当然、私でもお腹の子供が未熟な状態では、出産出来ないので、必要以上に早めるのは無理。
死産になるのが落ち。
けれど、遅らせるのは全然出来る。
私達の大本が兵器として造られているが故でしょうね。
「まあ、人間は社会性の強い生き物ですものね。
母体が動けない時に他の個体が補助するなら、胎内で出産時期が前後しても対応出来るですの」
「そういうこと。
その間のハルの護衛は、紅葉にお願いするわ。
地上だから、よほど大きな危険はないと思うし、攻めより守りを得意とする紅葉なら余裕でしょ?」
育児はそれなりの期間が掛かるけど、出産は半日程度のこと。
間違っても紅葉と浮気なんてことは、ならないでしょうしね。
「莧には悪いけど、自衛隊と一緒に各地の復興をお願いするわ」
「ここでやっているように妖精や眷属を創造して、治安維持や労働力を提供するんだね?
……任せてくれ」
外に出ることになった以上、ダンジョンでやっていたことを外でやるだけの話。
労働力を回復させて、日本を早々と安定させてやる。
少なくとも、軍隊がダンジョン対応や食糧確保に駆り出されるような、弱小国家はハルが住むのに相応しくないわ。
「ここから食料を供給できると楽だけど、杉本の感じ的には難しそうね」
「誰だって食料って、生命線を握られたくはないのだ。
まして、私達は良く分からない人外なのだ」
ため息を付く私へ、当然だと返す朔。
まあ、私もこの提案に安請け合いするような連中なら、こんな付き合い方をしないわ。
次へ移りましょ。
「茨は……」
「武器の作成じゃな?
販路は?」
「ひとまず、自衛隊へ納品で良いわ。
彼らから、ダンジョン探索を望む人間の手に卸してもらう。
荒稼ぎによる起業も考えたのだけど……」
大企業の社長ともなれば、様々な勢力による守りが得られるだろうけど、
「……そうよな。
正直、杉本らから聞いた地上の状況的に、財力と安全がイコールとは思えん。
それくらいなら、自衛隊の協力者と言う立ち位置の方がよかろう」
茨が言うように、ヘイトを買えば直ぐに攻撃されそうなのよね。
それよりも自衛隊へ協力する善意の第三者でいる方が安全だと思うわ。
「妾が害意を持っていたなら、ダンジョン発生自体を雛菊達のせいだと吹聴するな」
「でしょ?
私でもそうするもの」
不自然に利益を稼げば、突飛もない噂でも乗ってくる連中は、少なからずいるもの。
そういう連中に限って自分は騙されないって、よく分からない自信に満ちているのよね……。
「それで、最終的なお兄の立ち位置はどうするですの?」
「……正直、地上に行ってからじゃないと分からないわ。
端末14号の使っているIPアドレスを利用して、情報を集めていたのだけど、時間差は結構大きな問題」
アクセスのタイミングがどうしても、ズレるから、情報の連続性が取れなくて、全体像を掴めないことも多いのよね。
気になる事件があっても、次に見た時には、半年前の話題だから、よほどの物じゃないと、探すのにも苦労する。
端末14号が、スレ版を利用していた気持ちもよく分かるわ。
「行き当たりばったりですの……」
「しょうがないじゃない。
連中がこっちの用意したレストハウスを避けて来るなんて、想定外だったのよ?
しかも、ご丁寧に目眩ましの拠点工事までしてくれて!」
本当に信じられない。
人の親切を疑うなんて、どうかしているわ。
「……普通、危険なダンジョン内にログハウス何てあったら、疑うのが正解ではないのか?」
「……ですの。
ましてや、他の階層同様に小鬼が出てきたら、敵地と思うのは当然ですの」
茨と紅葉が、こそこそと話す。
聞こえているのよ!
「不可抗力よ。
魔物ゼロの安全な洞窟じゃ、あっという間に攻略されるじゃないの!
小鬼の振りした妖精を介して、監視も出来るだろうし……」
「で、小鬼の曖昧な情報を、元に枕を高くしていて、寝首を掛れたのだ?」
今度は朔が皮肉る。
本当に、どいつもこいつも文句ばっかり一人前なんだから!
「ふん!
天才には、凡愚の行動が予測できないだけよ!
私がミスったわけじゃないわ!」
そう。
攻略部隊の連中に、妙な動きがあったら、それを利用してやるくらいの気概があれば、こんな事態にはならなかったんだから!
「こやつ、あれだけ色々と策略立てといて、敗北宣言しておるぞ?」
「……多分、今回の失敗は、凡人の間抜けな行動は賢い自分には理解できないせいだ、とでも言いたいんじゃないかな?」
「間抜けは雛菊ですの……。
世の中の大半は、雛菊の言う凡人ばかりですの。
つまり、雛菊は自分の計略は高確率で失敗すると、宣言しているに等しいですの……」
茨、莧に続いて紅葉と6階層組が連続で攻撃してくる。
紅葉に言われるのだけは許せない!
「大体、紅葉があんなタイミングで、拠点外に出ているのがいけなかったのよ!」
「最初のデートを邪魔したのはお前ですの!」
ウグゥ!
それを言われると、話題を変えて、
「私の妖精を排除なんかして!」
「それも最初のデートの時に、雛菊が邪魔したせいですの!」
……そうだったわ。
他の原因は?
「……はっきり言って、自業自得なのだ。
殆ど、自分で自分の作戦を台無しにしているのだ……」
私が必死に自分以外の原因を考えている所に、ため息と共に呟く朔。
批難する価値もないと言わんばかりの態度に、心が折れた。
「どうせ、私は最強で天才だから、凡人の愚行で破綻するのよ……」
「こいつ、いじけているのにこの発想か……」
「都市破壊兵器なので、最強は不思議でないですの。
けど、これだけ頻繁に失敗しているのに、未だに自分を天才と思う思考は理解できないですの」
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