廻って異世界

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地上での生活

第93話 食料調達

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 食べ物を調達すると言うミコト達と共に、晴彦組から離れた夕蔓眞緒は、定食屋が多い界隈へ移動。
 ……することもなく、何故か路地裏で2人の女性に両サイドを固められていた。

「さて、夕蔓眞緒。
 お話をしましょうか?」
「……この状況でですか?」

 目の前に立つのは、腕を組んで楽しそうに笑うミコトと居心地の悪そうなシャイ子。

「大丈夫よ。
 暴力に訴えるのは最終手段だから」
「それって、最終的には暴力を振るってでも言うことを利かせるって脅しですよね?」

 怯える内心を隠して、毅然と向き合う眞緒。
 しかし、

「そんなことしないわよ?
 ただ、グランが晴彦達から恨まれるだけ。
 ……しょうがないわよね?
 空から呪術をガンガン振るわれたら、私達では勝てないもの」
「?」

 奇妙な返答を返すミコト。
 何故、この場にいないグランとやらが、晴彦達から恨まれると言うのか?

「分からないかな?
 お前を潰して山に捨てるのよ?
 そんでグランに拐われたと、晴彦に伝えるだけの話よ。
 これくらい、察っせないとすぐ死ぬわよ?」
「……」

 何気ない顔で、お前を殺すと言うミコト。
 その自然な雰囲気が、更に眞緒の恐怖を煽る。

「言っとくけど、苦しめないように簡単に殺すとかないから。
 グラン達に、拷問されても晴彦達の情報を話さなかったみたいにするからね?」
「姐さん、さすがにそれは……」

 ミコトの言葉に顔を歪めるシャイ子。
 両脇を固める少女達も嫌そうだが……。

「お馬鹿。
 この娘が健気な死に方をした方が、晴彦の受けるショックが増えるのに、手心加えるわけないじゃない」

 わずかにもミコトの心を動かすことはない。
 もっとも、

「安心なさい。
 言ったでしょ?
 最後の手段だって」

 等と言う辺り、積極的に殺す気はなさそうであった。

「お前は殺すよりも、協力させた方が効率的だって考えてるのよ?
 勿体ないことはしないわ」
「……」
「……この子達、大江百鬼はね?
 大昔に都を追い出されて、私に助けを求めた者達の子孫なの。
 あの頃はまだ呪力を操れる人間も多かった時代でね?
 私の所に来たのは、呪力がなくて追い出された連中」

 青い顔で震える眞緒へ滔々と話を続けるミコト。
 その優しい目がより恐怖を煽る。

「山奥でひっそり暮らしてたからね?
 外の血もあまり混ざる機会がなかった。
 そんな子達の子孫だから、今の大江百鬼には男が全然いないのよ。
 私にとっては、子供のような大江百鬼の子達。
 このままじゃ、血が絶えちゃう。
 そんな時に能義の男の子が来たんだもの。
 しかも、タマちゃんはいない。
 これは天の配剤だと思ったわ」

 優しかった視線は、ニタリと闇深い笑顔に変わる。

「能義の血筋、しかも晴彦は飛び抜けて呪力と親和性が良い。
 最初は拐おうと思ったけどね?
 あのふざけた武器。
 あんなもの振り回されたらどうにもならないわ。
 だから、古文書の解説の振りして、洗脳とかも仕掛けたけど、やっぱり効かない。
 だから決めたの。
 大江山まで拐えないなら、こっちで済ませちゃおうって……」
「……何をですか?」

 一応の確認をする眞緒。
 答えが分かりきっていたが、

「うぶな乙女の真似はいらないわよ?
 お前も同類でしょ?
 いえ、うちの子達よりも酷い状況よね?
 晴彦には遠く及ばないけど、お前も呪力の保持容量が大きい方だし……。
 結構発散に苦労してるでしょ?」

 ミコトの指摘で顔を赤くする眞緒。
 年頃の女性には、恥ずかしい質問だった。
 だから、

「……シャインさん、良いんですか?
 あなた達は始めてあった、よく知らない男と関係を持つように、強要されているんですよ?!」

 シャイ子へ呼び掛ける。
 つい最近までは普通の女性だったのだから、反意を促せると思って、

「良いよ?
 御前はさ、私らからすると、本当に母親みたいな人なんだよ。
 そんな人が強引にあの人に抱かれろと言うってことは、それしか手がない証拠だろ?
 それくらいは信頼してるんだ……」

 平気な顔を装おうが、手が震えているシャイ子。
 先程までの姐さんから、御前へ呼び名を変えている。
 真剣にそう思っている。
 そこにあったのは……。
 歪だが、子を思う親と、親を思う子の愛情に等しい感情だった。

「さて、夕蔓眞緒?
 私達に協力しなさいな?
 そうすれば、お前もおこぼれを得られる。
 悪い話じゃないでしょ?
 お前ほど呪力のある相手だと、洗脳や肉体改造は無理だけど、排卵を促すくらいは出来る。
 ……責任、取らせたくないかな?」

 鬼と言うよりも悪魔の誘惑のような言葉に、

「……しょうがないわよね。
 私だって死にたくないわけだし……」

 嫌そうな表情を作って、答える。
 もっとも、その目は期待と欲望に溢れているのだが……。
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