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地上での生活
第102話 京都出立
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伊勢へ移動を決めた翌々日。
ホテル前に用意された2台のミニバンへ分乗して、伊勢へ向かう。
ダンジョンのある大津を避けるため、南下して京滋バイバスを使い、草津近辺から亀山へ抜け、伊勢へ向かうルートとのこと。
時間的には、4~5時間程度だろうとのことだが、昨日はホテルに丸1日缶詰めで、その後だけに気が萎えているのも正直な話。
「気が萎えているのは、俺だけじゃないけど……」
「……根本的に、塩が足りてないんじゃないかしら?
外出組と待機組で、明らかに調子が違うもの……」
俺の隣で、ぐったりとしているミコトが答える。
待機組だった俺と眞緒、ミコトに対して他の6人は結構元気な様子。
……確かにあり得そう。
先ほど、ホテル前で別れたマルスさんも元気だったし……。
「ミコトさんの言う通りかも。
私、異様に塩辛いものが食べたいわ……」
ミコトと反対隣の眞緒。
魔素量が多いため、ホテル待機していた3人は、移動についても1か所に纏められているのだ。
「煎餅なら大量にあるから、足元の袋から出して良いわよ?」
眞緒の言葉を拾ったアー子さんが、前から声を掛けてくれる。
亀山辺りまで、こちらの車の運転手を担当してくれる予定。
「ありがとうございます。
アースさん」
「気にしないで。
ジュースとかもあるけど、ほどほどにね?
降車禁止なんでしょ?」
礼を言って、ビニール袋を確認し始める眞緒へ、忠告とも取れる確認を入れてくるアー子さん。
「……そうよ。
どうしても山間を通過する関係上、呪力の高い者は、問題になり易いからね。
安全が確保できる辺りまで、途中のサービスエリアとかでも、降車は厳禁。
簡易の隠蔽を施してある車内待機よ。
……そのための用意もあるけど、出来れば使用を避けたいわ」
「……ああ」
「……そうね」
真剣な表情で話すミコトに、重く頷く俺と眞緒。
3人の視線の先は、携帯用の簡易トイレと年配向けオムツ。
揺れる車内で4時間以上。
……最後には、頼らざるを得ない可能性があるが、ギリギリまで使用は控えたい。
「……大変ですね。
ただ、脱水症状や粗相には気を付けて?
安く買い叩いてきたとはいえ、良いお値段の車だったんですから……」
「……大丈夫よ。
私達は、車に乗る前に睡眠薬を飲んできたの。
もうしばらくすれば、寝てしまうはず。
寝てしまえば、代謝も落ちて恥辱にまみれることもないわ」
いまいち、緊張感がないアー子さんに対して、真剣そのもので答えるミコト。
良い大人が、他人の目の前でトイレを使用するのは、精神的に堪えるのでしょうがない。
「……ああ。
ところで、そろそろ飲んで30分くらいな気がするんだけど、効果はまだ出ないのか?」
ミコトに訊ねる。
確か、効果が出始めるのが服用後30分くらいからだから、ホテル内で服用とトイレを済ませてきたのだが?
「……多分、緊張しているせいね?
少しでもリラックスしましょう……」
「無理言わないでくださいよ……」
固い笑顔を浮かべるミコトへ、無理言うなと返す眞緒。
俺も激しく同意である。
人間はリラックスしろと言われると、かえって緊張してしまう生き物なんだよ!
「少し食べて飲んですれば、眠くなるわよ……」
「……それよりもそういう術を掛けてもらった方が、確実だと思うんだけど?」
自力でどうにかしろと言う無責任な鬼姫に、文句を言ったが、
「無理。
その手の術は不得意だし、そもそも晴彦や眞緒ほど呪力が強いと効果が期待できないもの。
逆に晴彦が、私や眞緒に掛けてくれた方が効果は確実なくらいじゃないかしら?」
「出来ないな。
どういう風にやれば良いか分からない……」
逆に、俺が2人に掛けろと無茶振りされた。
そんな術は分からないのに……。
「今から教えてあげましょうか?」
「……まさかと思うけど、俺を犠牲にして生き残ろうとしてる?」
この状況で術を習った場合、練習相手は眞緒とミコトしかいない。
必然的に俺が残る結果になるだろう?
「……さあ、始めましょうか?」
「やらないよ!
スマホでローテンポの歌でも聞いているから!」
少し間があったことから、ミコトの思惑を理解した俺はイヤホンを耳に付け、眠くなる歌で検索する。
そして、まだ何か言いたそうなミコトを無視して、目を瞑るのだった。
ホテル前に用意された2台のミニバンへ分乗して、伊勢へ向かう。
ダンジョンのある大津を避けるため、南下して京滋バイバスを使い、草津近辺から亀山へ抜け、伊勢へ向かうルートとのこと。
時間的には、4~5時間程度だろうとのことだが、昨日はホテルに丸1日缶詰めで、その後だけに気が萎えているのも正直な話。
「気が萎えているのは、俺だけじゃないけど……」
「……根本的に、塩が足りてないんじゃないかしら?
外出組と待機組で、明らかに調子が違うもの……」
俺の隣で、ぐったりとしているミコトが答える。
待機組だった俺と眞緒、ミコトに対して他の6人は結構元気な様子。
……確かにあり得そう。
先ほど、ホテル前で別れたマルスさんも元気だったし……。
「ミコトさんの言う通りかも。
私、異様に塩辛いものが食べたいわ……」
ミコトと反対隣の眞緒。
魔素量が多いため、ホテル待機していた3人は、移動についても1か所に纏められているのだ。
「煎餅なら大量にあるから、足元の袋から出して良いわよ?」
眞緒の言葉を拾ったアー子さんが、前から声を掛けてくれる。
亀山辺りまで、こちらの車の運転手を担当してくれる予定。
「ありがとうございます。
アースさん」
「気にしないで。
ジュースとかもあるけど、ほどほどにね?
降車禁止なんでしょ?」
礼を言って、ビニール袋を確認し始める眞緒へ、忠告とも取れる確認を入れてくるアー子さん。
「……そうよ。
どうしても山間を通過する関係上、呪力の高い者は、問題になり易いからね。
安全が確保できる辺りまで、途中のサービスエリアとかでも、降車は厳禁。
簡易の隠蔽を施してある車内待機よ。
……そのための用意もあるけど、出来れば使用を避けたいわ」
「……ああ」
「……そうね」
真剣な表情で話すミコトに、重く頷く俺と眞緒。
3人の視線の先は、携帯用の簡易トイレと年配向けオムツ。
揺れる車内で4時間以上。
……最後には、頼らざるを得ない可能性があるが、ギリギリまで使用は控えたい。
「……大変ですね。
ただ、脱水症状や粗相には気を付けて?
安く買い叩いてきたとはいえ、良いお値段の車だったんですから……」
「……大丈夫よ。
私達は、車に乗る前に睡眠薬を飲んできたの。
もうしばらくすれば、寝てしまうはず。
寝てしまえば、代謝も落ちて恥辱にまみれることもないわ」
いまいち、緊張感がないアー子さんに対して、真剣そのもので答えるミコト。
良い大人が、他人の目の前でトイレを使用するのは、精神的に堪えるのでしょうがない。
「……ああ。
ところで、そろそろ飲んで30分くらいな気がするんだけど、効果はまだ出ないのか?」
ミコトに訊ねる。
確か、効果が出始めるのが服用後30分くらいからだから、ホテル内で服用とトイレを済ませてきたのだが?
「……多分、緊張しているせいね?
少しでもリラックスしましょう……」
「無理言わないでくださいよ……」
固い笑顔を浮かべるミコトへ、無理言うなと返す眞緒。
俺も激しく同意である。
人間はリラックスしろと言われると、かえって緊張してしまう生き物なんだよ!
「少し食べて飲んですれば、眠くなるわよ……」
「……それよりもそういう術を掛けてもらった方が、確実だと思うんだけど?」
自力でどうにかしろと言う無責任な鬼姫に、文句を言ったが、
「無理。
その手の術は不得意だし、そもそも晴彦や眞緒ほど呪力が強いと効果が期待できないもの。
逆に晴彦が、私や眞緒に掛けてくれた方が効果は確実なくらいじゃないかしら?」
「出来ないな。
どういう風にやれば良いか分からない……」
逆に、俺が2人に掛けろと無茶振りされた。
そんな術は分からないのに……。
「今から教えてあげましょうか?」
「……まさかと思うけど、俺を犠牲にして生き残ろうとしてる?」
この状況で術を習った場合、練習相手は眞緒とミコトしかいない。
必然的に俺が残る結果になるだろう?
「……さあ、始めましょうか?」
「やらないよ!
スマホでローテンポの歌でも聞いているから!」
少し間があったことから、ミコトの思惑を理解した俺はイヤホンを耳に付け、眠くなる歌で検索する。
そして、まだ何か言いたそうなミコトを無視して、目を瞑るのだった。
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