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地上での生活
第103話 鬼と狐の密談
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日本政府が用意したホテル。
小さな子狐を抱く雛菊を前にして、呆れた表情の朔。
「その子がお兄ちゃんと雛菊の子供なのだ?」
「ええ。
可愛いでしょ?」
モコモコとした銀色の毛並みは、確かに可愛らしいが、ホテルの1室でそんな堂々として良いのだろうか?
何よりも、
「まさか、子供自慢で私を呼んだ訳じゃないのだ?」
「もちろん、違うわよ。
結から木の実は預かってきたでしょ?
それをハルに届けてほしいの」
「これなのだ?」
雛菊の言葉を聞いて、朔が取り出したのはゴルフボールくらいの球体。
「それね。
上手く出来上がっているわ」
「これは何なのだ?」
雛菊の確認から目的のものに間違いなさそうではあるが、木の実と言うより金属の玉に見える。
「結の受信機。
本拠地の結とその受信機で、相互通信出来るようになるの。
それを介すれば第6層と同じ感覚で、拠点作りが出来るわ。
……まあ、その受信機では現状維持は出来ても拠点の拡張は出来ないから、細かい設定をしてあげる必要があるのだけどね」
「なるほどなのだ。
お兄ちゃんに第6層に拠点作りをさせていたのは、このためだったのだ?」
雛菊は、膨大な情報処理能力がある結に、わざわざ指示を出させて街作りをさせていた。
使用できる魔素量を制限して……。
「まさか、こんなに早く本番迎えるとは思っていなかったけどね……」
ぼやく雛菊の気持ちも分かる。
少なくとも第6層で、向こうの時間で1年くらいは生活する予定だった。
それが幾つものトラブルの結果、3ヶ月程度で中断することになった。
「しょうがないのだ。
それで住む予定の住人は、大江山の鬼達だけなのだ?」
「今のところはね。
将来的には、他の住人も増えていくでしょうけど、変な人間は入れたくないから後々の話よ」
居住者の選定基準も考えない、とぼやく雛菊。
そこまで大きなコミュニティーを造る予定ではないので、変な人間を入れれば直ぐに崩壊しかねない。
とは言え、それは朔に関係ない話なので、
「そうなると、家数件と各種設備で十分なのだ?」
第2拠点の規模や設備の話を進める。
雛菊も、蒸し返す気はなく、
「……そうね。
第6層本拠地を一回り小さくした感じを想定してほしいわ。
本宅が基本的な生活圏で、周囲の家は各自のプライベートエリアみたいな構想よ」
バンガローと管理棟のあるキャンプ場のようなイメージを連想する朔。
「小さい集落なら、炊事や洗濯をまとめてやった方が効率的なのだ。
けど、それなら旅館のような建物を1つ設置で十分なのだと思うけど?」
「住人が増える度に拠点を増築する気?
独立した家を用意した方が良いでしょ?」
場合によっては、大人数の移住者を受け入れる可能性もあるのだ。
複数戸の家を用意し、常に数件の空き家を確保しておいた方が効率的だろう。
「それもそうなのだ。
他に必要な施設は?」
「基本的に本拠地と同じね。
温泉、果樹園、畑……。
水田も欲しいわね。
さすがに地上で、年中野菜や果物が実る状況は、不自然だから多角化しないと……」
……不自然だから。
つまり、年中野菜や果物が実るようにすることも不可能じゃないと言うことなのだ、と認識する朔。
だが、
「それなら家畜も導入するのだ?」
「それも後々で良いわ。
しばらくは狩猟で肉を確保しましょ」
深く突っ込むと怖そうなので、他の話題として、畜産はどうするのかと訊ねたが、しばらく狩りで対応するとのことだった。
「了解なのだ。
後は……」
「ハルに名前を催促しておいて。
私の用事はそれくらい」
何かあるかと訊ねると、名前を催促するように伝えられ、苦笑する朔。
街作りと言う大事よりも、晴彦から名前をもらうことの方が関心が高い辺り、雛菊らしいと苦笑するしかない朔であった。
小さな子狐を抱く雛菊を前にして、呆れた表情の朔。
「その子がお兄ちゃんと雛菊の子供なのだ?」
「ええ。
可愛いでしょ?」
モコモコとした銀色の毛並みは、確かに可愛らしいが、ホテルの1室でそんな堂々として良いのだろうか?
何よりも、
「まさか、子供自慢で私を呼んだ訳じゃないのだ?」
「もちろん、違うわよ。
結から木の実は預かってきたでしょ?
それをハルに届けてほしいの」
「これなのだ?」
雛菊の言葉を聞いて、朔が取り出したのはゴルフボールくらいの球体。
「それね。
上手く出来上がっているわ」
「これは何なのだ?」
雛菊の確認から目的のものに間違いなさそうではあるが、木の実と言うより金属の玉に見える。
「結の受信機。
本拠地の結とその受信機で、相互通信出来るようになるの。
それを介すれば第6層と同じ感覚で、拠点作りが出来るわ。
……まあ、その受信機では現状維持は出来ても拠点の拡張は出来ないから、細かい設定をしてあげる必要があるのだけどね」
「なるほどなのだ。
お兄ちゃんに第6層に拠点作りをさせていたのは、このためだったのだ?」
雛菊は、膨大な情報処理能力がある結に、わざわざ指示を出させて街作りをさせていた。
使用できる魔素量を制限して……。
「まさか、こんなに早く本番迎えるとは思っていなかったけどね……」
ぼやく雛菊の気持ちも分かる。
少なくとも第6層で、向こうの時間で1年くらいは生活する予定だった。
それが幾つものトラブルの結果、3ヶ月程度で中断することになった。
「しょうがないのだ。
それで住む予定の住人は、大江山の鬼達だけなのだ?」
「今のところはね。
将来的には、他の住人も増えていくでしょうけど、変な人間は入れたくないから後々の話よ」
居住者の選定基準も考えない、とぼやく雛菊。
そこまで大きなコミュニティーを造る予定ではないので、変な人間を入れれば直ぐに崩壊しかねない。
とは言え、それは朔に関係ない話なので、
「そうなると、家数件と各種設備で十分なのだ?」
第2拠点の規模や設備の話を進める。
雛菊も、蒸し返す気はなく、
「……そうね。
第6層本拠地を一回り小さくした感じを想定してほしいわ。
本宅が基本的な生活圏で、周囲の家は各自のプライベートエリアみたいな構想よ」
バンガローと管理棟のあるキャンプ場のようなイメージを連想する朔。
「小さい集落なら、炊事や洗濯をまとめてやった方が効率的なのだ。
けど、それなら旅館のような建物を1つ設置で十分なのだと思うけど?」
「住人が増える度に拠点を増築する気?
独立した家を用意した方が良いでしょ?」
場合によっては、大人数の移住者を受け入れる可能性もあるのだ。
複数戸の家を用意し、常に数件の空き家を確保しておいた方が効率的だろう。
「それもそうなのだ。
他に必要な施設は?」
「基本的に本拠地と同じね。
温泉、果樹園、畑……。
水田も欲しいわね。
さすがに地上で、年中野菜や果物が実る状況は、不自然だから多角化しないと……」
……不自然だから。
つまり、年中野菜や果物が実るようにすることも不可能じゃないと言うことなのだ、と認識する朔。
だが、
「それなら家畜も導入するのだ?」
「それも後々で良いわ。
しばらくは狩猟で肉を確保しましょ」
深く突っ込むと怖そうなので、他の話題として、畜産はどうするのかと訊ねたが、しばらく狩りで対応するとのことだった。
「了解なのだ。
後は……」
「ハルに名前を催促しておいて。
私の用事はそれくらい」
何かあるかと訊ねると、名前を催促するように伝えられ、苦笑する朔。
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