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特別編3
第5話『お嫁さんと友達とドーナッツと』
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「とてもいい下着を買えました!」
女性向けの下着売り場を出たとき、優奈は満面の笑顔でそう言った。購入した下着が入っている白い手提げをチラチラと見ている。可愛いな。
「選んだ身として、そう言ってくれて嬉しいよ」
「これまでに優奈の下着を買うのに付き合ったことが何度もあったけど、買った後にこんなに嬉しそうにしているのは初めてよ」
「そうなのか」
「和真君に初めて選んでもらいましたからね」
優奈はニコニコ顔でそう言った。こんなに嬉しそうにしてもらえると、一緒に下着を買いに来て良かったなって思える。
――ぐううっ。
うん? 誰かのお腹が鳴ったな。ちなみに、鳴ったのは俺のお腹ではない。近くに優奈と井上さんがいるから、鳴ったのは2人のうちのどちらかだろう。あと、お腹の鳴る音が聞こえたら、俺もお腹が空いてきた。
「お腹空いたなぁと思ったら鳴っちゃったわ」
井上さんは微笑みながらそう言い、右手でお腹をさすった。
「今は4時半近くですもんね。今日は体育の授業がありましたし、私もちょっとお腹が空いています」
「俺もお腹空いたな」
「2人も? じゃあ、これから何か食べに行く?」
「いいですね」
「賛成だ」
「決定ね。放課後だと、カクイのフードコートやマスタードーナッツで甘いものを食べることが多いけど……どうする?」
井上さんは俺達に向かってそう問いかけてくる。
「そうですね……和真君は何か希望はあります?」
「学校の後だし、甘いものを食べたい気分だな。ちなみに、マスタードーナッツは、俺のバイトの割引制度で代金が15%オフにできるよ」
「そんな制度があるのね」
「これまでに何度か、和真君と一緒にマスタードーナッツに行ったことがありますが、お安くしてもらいましたね」
「そうだったの。安くなるのは魅力的ね。今の話を聞いたらマスドに行きたくなったわ」
井上さんの目が輝いている。たくさん行っているのもあってか、15%オフになるのが本当に魅力的なんだな。
「マスタードーナッツいいですね! 和真君はどうですか?」
「俺もかまわないぞ」
「じゃあ、マスドに行きましょう!」
俺達はマスタードーナッツに向けて出発する。
高野カクイを出ると……外は依然として蒸し暑い。ただ、優奈と井上さんはそれでもご機嫌な様子で。これからマスタードーナッツに行くからかな。あと、優奈は俺に選んでもらった下着を買えたのもありそう。2人とも可愛いな。特に優奈は。
数分ほどして、目的地であり俺のバイト先でもあるマスタードーナッツ高野駅北口店に到着した。
お店に入ると、ドーナッツやパイの甘い匂いが香ってくる。2年以上バイトしているのもあって、この匂いを感じると落ち着く。
今日もお店はなかなか繁盛している。カウンターの前には数人ほどのお客さんが並んでいるし、カウンター席やテーブル席の方を見ると、結構な数が埋まっている。平日の夕方なのもあって、俺達のような学生が多い。ここでバイトする店員なのもあって、お客さんがたくさんいることは喜ばしい。
4人用のテーブル席が空いているかどうかを見ると……2つ空いているな。そのことに、客として安心する。
俺達はカウンター前の列に並ぶ。
何だか、2人と一緒にお客としてお店にいると結構新鮮で、不思議な感覚になるな。
「そういえば、マスドは優奈とは1年の頃からたくさん行っているけど、長瀬君とは一度も行ったことがないわね」
「そうだな。初めてだから新鮮な気分だ。ただ、1年の頃から店員としてたくさん接客しているから、何だか不思議な感じもする」
「私も」
「あと、優奈ともまだ数えるほどしか行ったことがないから、それにも新鮮さや不思議な感覚がある」
「私もです」
「そっか」
優奈と井上さんも同じ気持ちや感覚になっていると分かって嬉しい気持ちになる。2人には2年以上の間でたくさん接客してきたからな。
数分ほどして、俺達の順番になった。
俺はオールドファッションとアイスコーヒー、優奈はココナッツチョコドーナッツとアイスティー、井上さんはオールドチョコファッションともちもちドーナッツとアイスレモンティーを注文。お腹が鳴っただけあってか、井上さんはドーナッツを2つ注文したか。
俺がここの従業員であり、優奈と井上さんと一緒に来たことを伝える。接客してくれている男性従業員はもちろん俺を知っているので、割引を快諾。俺だけでなく、一緒に来た優奈と井上さんの会計も15%オフになった。そのことに井上さんは、
「すごーい! 長瀬君割引半端ない」
感動していた。可愛いな。たくさん来てくれているから、15%オフが半端ないと思えるのかも。
そういえば、優奈と初めて店内で食べに来たとき、
『私の会計も割引していただけるなんて嬉しいです! 有り難いですね』
と嬉しそうにしていたっけ。俺と一緒に来店すれば、同伴者も割引されるのはとても有り難い制度だなと思う。
店員さんから注文したものを受け取った俺達は、空いている4人用のテーブル席へ向かった。俺と優奈が隣同士に座り、井上さんは優奈の正面の席に座った。
優奈と井上さんは自分が購入したドーナッツとドリンクをスマホで撮影する。2人の真似をして、俺もオールドファッションとアイスコーヒーの写真を撮った。
「じゃあ、食べるか」
「そうですね! いただきます!」
「オールドチョコからいただきまーす」
「オールドファッションいただきます」
俺はオールドファッションを一口食べる。
サクッとした食感とともに、オールドファッションの優しい甘さと香ばしさが口の中にいっぱい広がって。とても美味しい。
オールドファッションは大好きで小さい頃から食べているし、まかないでもよく食べる、だけど、今食べているものが一番美味しいかも。そう思えるのは、すぐ近くで優奈と井上さんが美味しそうにドーナッツを食べているからかもしれない。
「う~ん! ココナッツチョコ美味しいです!」
「オールドチョコも美味しいわ」
「オールドファッションも美味しいよ。あと、ここでバイトしているから、2人が美味しいって言ってくれると凄く嬉しいよ」
「ふふっ、そうですか」
「お客さんとして来ているのにそういうことを言えるのは、さすがは2年以上バイトしているだけのことはあるわね」
「そうですね」
「あと、長瀬君は友達だし、これまでたくさん接客してもらったから、こうしてお客としてお店で一緒にドーナッツを食べられて嬉しいわ」
「私も同じ気持ちです」
「2人がそう言ってくれて嬉しいよ」
とても温かい気持ちになるよ。自然と頬が緩んでいくのが分かる。
優奈はココナッツチョコドーナッツをもう一口、井上さんはもちもちドーナッツを一口食べる。すると、優奈と井上さんは満面の笑顔で、
「本当に美味しいです!」
「ココナッツチョコいいわよね。もちもちドーナッツも美味しいわ」
「もちもちドーナッツもいいですよね」
と言葉を交わして。
今のような光景は高1の頃からバイト中にカウンターで何度も見てきた。いいなって思って癒やされることもあって。ただ、2人と一緒にお客さんとして来店して、こんなに近くから見るのは初めてで。近くにいるし、一緒にドーナッツやドリンクを楽しんでいるのもあり、これまで以上に2人に癒やされて。嬉しい気持ちにもなって。オールドファッションをもう一口食べると、さっきよりも味わい深く感じられた。
その後もドーナッツやドリンクをいただきながら、今日の学校のことや3人とも観たアニメのことなどで談笑した。また、その中で、
「あの、和真君、萌音ちゃん。ドーナッツを一口交換しますか?」
「ああ、いいぞ」
「私もいいわよ」
優奈の提案で、3人でドーナッツを一口交換して。
井上さんのドーナッツは2種類あるけど、俺には「長瀬君割引で15%オフになったから」、優奈には「試着室でGカップの生おっぱいを堪能させてもらったから」という理由で2種類とも一口くれた。また、俺には優奈という妻がいるので、俺と井上さんの間では手でちぎって口の付けていない部分を交換した。
2人が購入したドーナッツもとても美味しい。
優奈も井上さんもずっと楽しそうで。これからも、マスタードーナッツの店内で2人が楽しそうにしている光景を見ていけたらと思う。
この3人で初めて来たマスタードーナッツでの時間はとても楽しいものになった。
女性向けの下着売り場を出たとき、優奈は満面の笑顔でそう言った。購入した下着が入っている白い手提げをチラチラと見ている。可愛いな。
「選んだ身として、そう言ってくれて嬉しいよ」
「これまでに優奈の下着を買うのに付き合ったことが何度もあったけど、買った後にこんなに嬉しそうにしているのは初めてよ」
「そうなのか」
「和真君に初めて選んでもらいましたからね」
優奈はニコニコ顔でそう言った。こんなに嬉しそうにしてもらえると、一緒に下着を買いに来て良かったなって思える。
――ぐううっ。
うん? 誰かのお腹が鳴ったな。ちなみに、鳴ったのは俺のお腹ではない。近くに優奈と井上さんがいるから、鳴ったのは2人のうちのどちらかだろう。あと、お腹の鳴る音が聞こえたら、俺もお腹が空いてきた。
「お腹空いたなぁと思ったら鳴っちゃったわ」
井上さんは微笑みながらそう言い、右手でお腹をさすった。
「今は4時半近くですもんね。今日は体育の授業がありましたし、私もちょっとお腹が空いています」
「俺もお腹空いたな」
「2人も? じゃあ、これから何か食べに行く?」
「いいですね」
「賛成だ」
「決定ね。放課後だと、カクイのフードコートやマスタードーナッツで甘いものを食べることが多いけど……どうする?」
井上さんは俺達に向かってそう問いかけてくる。
「そうですね……和真君は何か希望はあります?」
「学校の後だし、甘いものを食べたい気分だな。ちなみに、マスタードーナッツは、俺のバイトの割引制度で代金が15%オフにできるよ」
「そんな制度があるのね」
「これまでに何度か、和真君と一緒にマスタードーナッツに行ったことがありますが、お安くしてもらいましたね」
「そうだったの。安くなるのは魅力的ね。今の話を聞いたらマスドに行きたくなったわ」
井上さんの目が輝いている。たくさん行っているのもあってか、15%オフになるのが本当に魅力的なんだな。
「マスタードーナッツいいですね! 和真君はどうですか?」
「俺もかまわないぞ」
「じゃあ、マスドに行きましょう!」
俺達はマスタードーナッツに向けて出発する。
高野カクイを出ると……外は依然として蒸し暑い。ただ、優奈と井上さんはそれでもご機嫌な様子で。これからマスタードーナッツに行くからかな。あと、優奈は俺に選んでもらった下着を買えたのもありそう。2人とも可愛いな。特に優奈は。
数分ほどして、目的地であり俺のバイト先でもあるマスタードーナッツ高野駅北口店に到着した。
お店に入ると、ドーナッツやパイの甘い匂いが香ってくる。2年以上バイトしているのもあって、この匂いを感じると落ち着く。
今日もお店はなかなか繁盛している。カウンターの前には数人ほどのお客さんが並んでいるし、カウンター席やテーブル席の方を見ると、結構な数が埋まっている。平日の夕方なのもあって、俺達のような学生が多い。ここでバイトする店員なのもあって、お客さんがたくさんいることは喜ばしい。
4人用のテーブル席が空いているかどうかを見ると……2つ空いているな。そのことに、客として安心する。
俺達はカウンター前の列に並ぶ。
何だか、2人と一緒にお客としてお店にいると結構新鮮で、不思議な感覚になるな。
「そういえば、マスドは優奈とは1年の頃からたくさん行っているけど、長瀬君とは一度も行ったことがないわね」
「そうだな。初めてだから新鮮な気分だ。ただ、1年の頃から店員としてたくさん接客しているから、何だか不思議な感じもする」
「私も」
「あと、優奈ともまだ数えるほどしか行ったことがないから、それにも新鮮さや不思議な感覚がある」
「私もです」
「そっか」
優奈と井上さんも同じ気持ちや感覚になっていると分かって嬉しい気持ちになる。2人には2年以上の間でたくさん接客してきたからな。
数分ほどして、俺達の順番になった。
俺はオールドファッションとアイスコーヒー、優奈はココナッツチョコドーナッツとアイスティー、井上さんはオールドチョコファッションともちもちドーナッツとアイスレモンティーを注文。お腹が鳴っただけあってか、井上さんはドーナッツを2つ注文したか。
俺がここの従業員であり、優奈と井上さんと一緒に来たことを伝える。接客してくれている男性従業員はもちろん俺を知っているので、割引を快諾。俺だけでなく、一緒に来た優奈と井上さんの会計も15%オフになった。そのことに井上さんは、
「すごーい! 長瀬君割引半端ない」
感動していた。可愛いな。たくさん来てくれているから、15%オフが半端ないと思えるのかも。
そういえば、優奈と初めて店内で食べに来たとき、
『私の会計も割引していただけるなんて嬉しいです! 有り難いですね』
と嬉しそうにしていたっけ。俺と一緒に来店すれば、同伴者も割引されるのはとても有り難い制度だなと思う。
店員さんから注文したものを受け取った俺達は、空いている4人用のテーブル席へ向かった。俺と優奈が隣同士に座り、井上さんは優奈の正面の席に座った。
優奈と井上さんは自分が購入したドーナッツとドリンクをスマホで撮影する。2人の真似をして、俺もオールドファッションとアイスコーヒーの写真を撮った。
「じゃあ、食べるか」
「そうですね! いただきます!」
「オールドチョコからいただきまーす」
「オールドファッションいただきます」
俺はオールドファッションを一口食べる。
サクッとした食感とともに、オールドファッションの優しい甘さと香ばしさが口の中にいっぱい広がって。とても美味しい。
オールドファッションは大好きで小さい頃から食べているし、まかないでもよく食べる、だけど、今食べているものが一番美味しいかも。そう思えるのは、すぐ近くで優奈と井上さんが美味しそうにドーナッツを食べているからかもしれない。
「う~ん! ココナッツチョコ美味しいです!」
「オールドチョコも美味しいわ」
「オールドファッションも美味しいよ。あと、ここでバイトしているから、2人が美味しいって言ってくれると凄く嬉しいよ」
「ふふっ、そうですか」
「お客さんとして来ているのにそういうことを言えるのは、さすがは2年以上バイトしているだけのことはあるわね」
「そうですね」
「あと、長瀬君は友達だし、これまでたくさん接客してもらったから、こうしてお客としてお店で一緒にドーナッツを食べられて嬉しいわ」
「私も同じ気持ちです」
「2人がそう言ってくれて嬉しいよ」
とても温かい気持ちになるよ。自然と頬が緩んでいくのが分かる。
優奈はココナッツチョコドーナッツをもう一口、井上さんはもちもちドーナッツを一口食べる。すると、優奈と井上さんは満面の笑顔で、
「本当に美味しいです!」
「ココナッツチョコいいわよね。もちもちドーナッツも美味しいわ」
「もちもちドーナッツもいいですよね」
と言葉を交わして。
今のような光景は高1の頃からバイト中にカウンターで何度も見てきた。いいなって思って癒やされることもあって。ただ、2人と一緒にお客さんとして来店して、こんなに近くから見るのは初めてで。近くにいるし、一緒にドーナッツやドリンクを楽しんでいるのもあり、これまで以上に2人に癒やされて。嬉しい気持ちにもなって。オールドファッションをもう一口食べると、さっきよりも味わい深く感じられた。
その後もドーナッツやドリンクをいただきながら、今日の学校のことや3人とも観たアニメのことなどで談笑した。また、その中で、
「あの、和真君、萌音ちゃん。ドーナッツを一口交換しますか?」
「ああ、いいぞ」
「私もいいわよ」
優奈の提案で、3人でドーナッツを一口交換して。
井上さんのドーナッツは2種類あるけど、俺には「長瀬君割引で15%オフになったから」、優奈には「試着室でGカップの生おっぱいを堪能させてもらったから」という理由で2種類とも一口くれた。また、俺には優奈という妻がいるので、俺と井上さんの間では手でちぎって口の付けていない部分を交換した。
2人が購入したドーナッツもとても美味しい。
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