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特別編3
第14話『ゆったりと流れて』
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サマーベッドでゆっくりと休憩した後は、空になった紙コップをゴミ箱に捨てて、小銭入れを更衣室のロッカーに戻した。
「ゆっくり休憩したので、疲れが取れました」
「俺もだ。プールやウォータースライダーでまた遊んでいこう!」
「そうですね!」
屋内プールに戻った瞬間、俺と優奈はそんな言葉を交わした。
サマーベッドでくつろぐのは気持ち良かったし、自販機で買った飲み物も美味しかったし、何よりも優奈と話すのが楽しかった。だから、水をかけ合ったり、ウォータースライダーを4回滑ったりしたことの疲れも取れた。これなら、優奈と一緒にプールやウォータースライダーでたっぷりと遊べるだろう。
「優奈はどこか行きたいプールはある? それとも、ウォータースライダーを滑りたい?」
「そうですね……流れるプールに入りたいです。流れている水に入るのは気持ちいいですし、スイムブルーのメインプールの一つですから」
「流れるプールか。いいな! スイムブルーに来ると、必ずといっていいほどに入るよ」
「私もです。遊具のレンタルコーナーで浮き輪を借りて、浮き輪を体に通して掴まったり、浮き輪の上に乗ったりして流れに身を任せて」
「俺もそれやるよ。気持ちいいよな」
「ですねっ」
優奈は弾んだ声でそう言う。浮き輪を使って流れるプールに入るのが好きなのかもしれない。
「じゃあ、レンタルコーナーで浮き輪を借りて、流れるプールへ行くか」
「そうですね」
俺達は屋内プール内にある遊具のレンタルコーナーへ向かう。
スイムブルー八神では浮き輪やビーチボールなどプールで遊ぶための遊具を無料でレンタルすることができる。スイムブルーの利用料金はそれなりの値段だけど、遊具を無料で借りられるのはいいなって思う。これも、スイムブルーが人気な理由の一つなのだろう。
遊具のレンタルコーナーで、無事に大人用の浮き輪を2つ借りることができた。
俺達は流れるプールに行く。
流れるプールは結構立派だ。レジャープールと同じくらいにメインのプールなので、たくさんの人が流れるプールに入っており、流れ続けている水を楽しんでいるように見える。
「じゃあ、入ろうか」
「そうですね。私は浮き輪の上に乗りましょうかね」
「そうか。俺は……浮き輪に掴まろうかな。乗るのも好きだけど、掴まる方が個人的には好きでさ」
「そうなんですね」
「ああ。……水の流れがあるから、俺が浮き輪を押さえておこうか? そうした方が優奈も浮き輪に座りやすそうな気がするから」
「そうですね。では、お願いします」
「ああ」
その後、人があまり来ないタイミングを見計らって、浮き輪を流れるプールの水の上に乗せる。水の流れは穏やかなので、難なくその場で留めることができる。
「優奈、どうぞ」
「ありがとうございます。失礼します」
優奈は浮き輪の上に乗り、穴が空いている部分に腰を下ろし、両腕と両脚を浮き輪に乗せて体を支える。有栖川家のお嬢様なのもあり、こういう優雅な姿勢がよく似合うなぁ。あと、いつも以上に両腕と両脚がスラッとしていて白くて綺麗な印象を抱かせる。
「座れました。手を離して大丈夫ですよ」
「分かった。離すよ」
俺は優奈が座っている浮き輪をそっと離す。すると、浮き輪に乗る優奈は水の流れに乗って動き始める。
俺は浮き輪を体に通して、流れるプールの中に入る。優奈の方に体を向け、両腕で浮き輪に掴まり、体を浮かせる。体に受ける水の流れが気持ちいい。
優奈と目が合うと、優奈はこちらに笑顔で手を振ってくれる。その姿がとても可愛くて、美しくて。キュンとなる。プールに入っているけど、体の奥が熱くなったのが分かった。
優奈と少し距離があるので、軽くバタ足をするとすぐに優奈の近くまで追いつくことができた。
「追いつけた。……流れる水が気持ちいいなぁ」
「気持ちいいですね。私も腰やお尻から感じます。ウォータースライダーで勢い良く滑って速さを感じるのも気持ちいいですけど、こうしてゆったりとした流れを感じるのも気持ちいいですね」
「そうだな。あと、ウォータースライダーを4回滑ったのもあって、流れるプールの水の流れが結構ゆっくりに感じるよ。のんびりとした時間を過ごしている気がする」
「そうですねぇ」
優奈は柔らかい笑顔でそう言った。
さっきも思ったけど、浮き輪に座っている優奈はとても綺麗で、可愛くて。今は落ち着いた様子なのもあって、大人っぽさも感じられて。見惚れる。
「どうしたんですか? 私のことをじっと見て」
「……浮き輪に座っている優奈が大人っぽくて素敵だから、自然と見つめてた。浮き輪に乗せている腕や脚が本当に綺麗だし。いいなぁって思うよ」
「ありがとうございます。そう言ってもらえて凄く嬉しいです」
えへへっ、と優奈は声に出して笑う。優奈の笑顔が嬉しそうなものに変わり、頬を中心にほんのりと赤みを帯びる。その姿もまた可愛らしい。
「顔がちょっと熱くなってきましたね。和真君、顔に水をかけてくれませんか?」
「ああ、分かった。それっ」
俺は右手で優奈の顔にめがけて水をかける。その水は優奈の赤みを帯びた顔にクリーンヒットする。
「あぁ、冷たくて気持ちがいいです」
「良かった」
「では……お返しですっ」
それっ、と優奈は左手でプールの水をかき上げて、俺の顔に水をかけてくる。その水は俺の顔に見事に当たった。
「おっ、冷たっ」
「冷たいですよねっ」
俺の顔に水を当てられたからか、優奈は楽しそうで。優奈の茶目っ気な行動にキュンとさせられる。
「これまでも、流れるプールに入ると、こうして水をかけ合うことがあったな」
「私もありました。陽葵や萌音ちゃん、千尋ちゃん達と。今みたいに浮き輪に座った状態で」
「そっか。俺も浮き輪に座って水をかけ合ったことがあったな。特に真央姉さんとは。水を勢い良くかけられて、それに驚いて浮き輪から落ちたこともあったっけ」
「ふふっ、そんなことがあったんですね。今の話を聞いたら、陽葵が私に水をかけるのに集中したせいでバランスを崩して、プールに落ちたことを思い出しました」
「そうか」
水をかける立場なのに浮き輪から落ちてしまうところが、元気な陽葵ちゃんらしいなって思う。
浮き輪から落ちるといえば……俺が座っている浮き輪に真央姉さんが思いっきり掴まってきて、そのことにバランスを崩して浮き輪から落ちたこともあったな。
「……俺、流れるプールでは姉さん由来で何度か浮き輪から落ちてるな」
「そうでしたか」
「水が冷たくて気持ちいいから、それもいい思い出だよ。ただ、流れるプールでは今みたいに水の流れに乗ってゆっくりするのが一番好きだな」
「私も流れるプールではゆっくりするのが一番好きですね」
「そうか。優奈も同じで嬉しいな。じゃあ、このまま一緒に流れていようか」
「そうですねっ。……手を繋ぎますか? そうした方がより一緒に流れている感じがしますし」
「おっ、いいな。繋ぐか」
「はいっ」
優奈はニッコリと笑って俺に左手を差し出してくる。その姿は絵になるほどに可愛くて。そう思いながら俺も左手を伸ばして、優奈の手を掴んだ。
優奈と手を繋いでも、変わらず俺の体は前に進んでいる。
「……優奈の言う通り、手を繋ぐと一緒に流れている感じがしていいな」
「そうですね」
「俺と手を繋いで乗りにくかったりしていないか?」
「大丈夫ですよ。和真君は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
「良かったです。では、しばらくはこのまま流れていましょうか」
「そうだな」
それからしばらくの間、俺と優奈は手を繋いだ状態で流れるプールでの時間を過ごした。水のゆったりとした流れも気持ちいいし、優奈と話すのは楽しいし。やっぱり、流れるプールはこうしてゆったりするのが一番好きだなぁと思った。
「ゆっくり休憩したので、疲れが取れました」
「俺もだ。プールやウォータースライダーでまた遊んでいこう!」
「そうですね!」
屋内プールに戻った瞬間、俺と優奈はそんな言葉を交わした。
サマーベッドでくつろぐのは気持ち良かったし、自販機で買った飲み物も美味しかったし、何よりも優奈と話すのが楽しかった。だから、水をかけ合ったり、ウォータースライダーを4回滑ったりしたことの疲れも取れた。これなら、優奈と一緒にプールやウォータースライダーでたっぷりと遊べるだろう。
「優奈はどこか行きたいプールはある? それとも、ウォータースライダーを滑りたい?」
「そうですね……流れるプールに入りたいです。流れている水に入るのは気持ちいいですし、スイムブルーのメインプールの一つですから」
「流れるプールか。いいな! スイムブルーに来ると、必ずといっていいほどに入るよ」
「私もです。遊具のレンタルコーナーで浮き輪を借りて、浮き輪を体に通して掴まったり、浮き輪の上に乗ったりして流れに身を任せて」
「俺もそれやるよ。気持ちいいよな」
「ですねっ」
優奈は弾んだ声でそう言う。浮き輪を使って流れるプールに入るのが好きなのかもしれない。
「じゃあ、レンタルコーナーで浮き輪を借りて、流れるプールへ行くか」
「そうですね」
俺達は屋内プール内にある遊具のレンタルコーナーへ向かう。
スイムブルー八神では浮き輪やビーチボールなどプールで遊ぶための遊具を無料でレンタルすることができる。スイムブルーの利用料金はそれなりの値段だけど、遊具を無料で借りられるのはいいなって思う。これも、スイムブルーが人気な理由の一つなのだろう。
遊具のレンタルコーナーで、無事に大人用の浮き輪を2つ借りることができた。
俺達は流れるプールに行く。
流れるプールは結構立派だ。レジャープールと同じくらいにメインのプールなので、たくさんの人が流れるプールに入っており、流れ続けている水を楽しんでいるように見える。
「じゃあ、入ろうか」
「そうですね。私は浮き輪の上に乗りましょうかね」
「そうか。俺は……浮き輪に掴まろうかな。乗るのも好きだけど、掴まる方が個人的には好きでさ」
「そうなんですね」
「ああ。……水の流れがあるから、俺が浮き輪を押さえておこうか? そうした方が優奈も浮き輪に座りやすそうな気がするから」
「そうですね。では、お願いします」
「ああ」
その後、人があまり来ないタイミングを見計らって、浮き輪を流れるプールの水の上に乗せる。水の流れは穏やかなので、難なくその場で留めることができる。
「優奈、どうぞ」
「ありがとうございます。失礼します」
優奈は浮き輪の上に乗り、穴が空いている部分に腰を下ろし、両腕と両脚を浮き輪に乗せて体を支える。有栖川家のお嬢様なのもあり、こういう優雅な姿勢がよく似合うなぁ。あと、いつも以上に両腕と両脚がスラッとしていて白くて綺麗な印象を抱かせる。
「座れました。手を離して大丈夫ですよ」
「分かった。離すよ」
俺は優奈が座っている浮き輪をそっと離す。すると、浮き輪に乗る優奈は水の流れに乗って動き始める。
俺は浮き輪を体に通して、流れるプールの中に入る。優奈の方に体を向け、両腕で浮き輪に掴まり、体を浮かせる。体に受ける水の流れが気持ちいい。
優奈と目が合うと、優奈はこちらに笑顔で手を振ってくれる。その姿がとても可愛くて、美しくて。キュンとなる。プールに入っているけど、体の奥が熱くなったのが分かった。
優奈と少し距離があるので、軽くバタ足をするとすぐに優奈の近くまで追いつくことができた。
「追いつけた。……流れる水が気持ちいいなぁ」
「気持ちいいですね。私も腰やお尻から感じます。ウォータースライダーで勢い良く滑って速さを感じるのも気持ちいいですけど、こうしてゆったりとした流れを感じるのも気持ちいいですね」
「そうだな。あと、ウォータースライダーを4回滑ったのもあって、流れるプールの水の流れが結構ゆっくりに感じるよ。のんびりとした時間を過ごしている気がする」
「そうですねぇ」
優奈は柔らかい笑顔でそう言った。
さっきも思ったけど、浮き輪に座っている優奈はとても綺麗で、可愛くて。今は落ち着いた様子なのもあって、大人っぽさも感じられて。見惚れる。
「どうしたんですか? 私のことをじっと見て」
「……浮き輪に座っている優奈が大人っぽくて素敵だから、自然と見つめてた。浮き輪に乗せている腕や脚が本当に綺麗だし。いいなぁって思うよ」
「ありがとうございます。そう言ってもらえて凄く嬉しいです」
えへへっ、と優奈は声に出して笑う。優奈の笑顔が嬉しそうなものに変わり、頬を中心にほんのりと赤みを帯びる。その姿もまた可愛らしい。
「顔がちょっと熱くなってきましたね。和真君、顔に水をかけてくれませんか?」
「ああ、分かった。それっ」
俺は右手で優奈の顔にめがけて水をかける。その水は優奈の赤みを帯びた顔にクリーンヒットする。
「あぁ、冷たくて気持ちがいいです」
「良かった」
「では……お返しですっ」
それっ、と優奈は左手でプールの水をかき上げて、俺の顔に水をかけてくる。その水は俺の顔に見事に当たった。
「おっ、冷たっ」
「冷たいですよねっ」
俺の顔に水を当てられたからか、優奈は楽しそうで。優奈の茶目っ気な行動にキュンとさせられる。
「これまでも、流れるプールに入ると、こうして水をかけ合うことがあったな」
「私もありました。陽葵や萌音ちゃん、千尋ちゃん達と。今みたいに浮き輪に座った状態で」
「そっか。俺も浮き輪に座って水をかけ合ったことがあったな。特に真央姉さんとは。水を勢い良くかけられて、それに驚いて浮き輪から落ちたこともあったっけ」
「ふふっ、そんなことがあったんですね。今の話を聞いたら、陽葵が私に水をかけるのに集中したせいでバランスを崩して、プールに落ちたことを思い出しました」
「そうか」
水をかける立場なのに浮き輪から落ちてしまうところが、元気な陽葵ちゃんらしいなって思う。
浮き輪から落ちるといえば……俺が座っている浮き輪に真央姉さんが思いっきり掴まってきて、そのことにバランスを崩して浮き輪から落ちたこともあったな。
「……俺、流れるプールでは姉さん由来で何度か浮き輪から落ちてるな」
「そうでしたか」
「水が冷たくて気持ちいいから、それもいい思い出だよ。ただ、流れるプールでは今みたいに水の流れに乗ってゆっくりするのが一番好きだな」
「私も流れるプールではゆっくりするのが一番好きですね」
「そうか。優奈も同じで嬉しいな。じゃあ、このまま一緒に流れていようか」
「そうですねっ。……手を繋ぎますか? そうした方がより一緒に流れている感じがしますし」
「おっ、いいな。繋ぐか」
「はいっ」
優奈はニッコリと笑って俺に左手を差し出してくる。その姿は絵になるほどに可愛くて。そう思いながら俺も左手を伸ばして、優奈の手を掴んだ。
優奈と手を繋いでも、変わらず俺の体は前に進んでいる。
「……優奈の言う通り、手を繋ぐと一緒に流れている感じがしていいな」
「そうですね」
「俺と手を繋いで乗りにくかったりしていないか?」
「大丈夫ですよ。和真君は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
「良かったです。では、しばらくはこのまま流れていましょうか」
「そうだな」
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