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特別編-ラブラブ!サンシャイン!!-
第34話『スキンシップ』
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昨日と同じように、僕は美来と一緒に部屋のお風呂に入ることに。
有紗さんのことは一件落着して、僕もこの話は終わりだと言ったのに……さっきから普段以上に丁寧な態度になっている。
「さあさあ、智也さん。髪と体を洗ってあげますね」
「2日連続で洗ってもらっていいのかな……」
「もちろんですよ、旦那様」
あぁ……なるほど。お風呂から上がったらメイド服を着てほしいって言ったから、その影響で今からメイドさん気分なのか。
今の美来は髪を纏め、ヘアクリップで留めているので、普段とちょっと違う雰囲気にはなっている。
「どうしたんですか、旦那様。鏡越しで私のことを見て」
「美来の髪って普段はストレートじゃない。だから、今みたいにクリップで髪を纏めているのが新鮮だなって。……あと、僕のことは旦那様じゃなくて、普段通りの呼び方で呼んでほしいかな」
「かしこまりました。……智也、さん」
どうして、いつも通りの呼び方で言う方が恥ずかしそうなのか。
「じゃあ、まずは髪を洗いますね」
「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします」
「はーい。では、始めますね」
僕は美来に髪を洗ってもらう。シャンプーの香りと、美来の絶妙な力加減のおかげでとても眠くなる。さっき、美来を叱ったこともあってか、酔いはだいぶ醒めたけど、目を瞑っていると普段よりも眠気が押し寄せてくるな。
「智也さん、どうしましたか? コクコク頷いて」
「あぁ、ごめん。あまりにも気持ちよくてつい眠気が」
「ふふっ、そうですか。智也さん、お酒を呑むといつもそうですよね。では、今日も私が髪や体を洗っているときは湯船に浸からない方がいいですね」
「うん、そうするよ」
湯船に入ったら、眠気に負けてすぐに眠りに落ちてしまい、湯船に沈んで溺死してしまうかもしれない。
「今日もとても楽しかったですね。温泉に入って、観光して、スイーツを食べて、プールで遊んで。忘れられない1日になりました」
「……そうだね」
ちょっとだけ目を開けて、鏡越しに美来のことを見ると、美来は嬉しそうな顔を浮かべているのが見えた。さっき、有紗さんのことで叱っちゃったから、それを変に気にしていないかどうか心配だったけど、これなら大丈夫そうかな。
「智也さん、泡を落としますので目を瞑ってください」
「うん」
シャワーで美来に髪に付いたシャンプーの泡を落としてもらう。あぁ、頭に温かいお湯がかかると気持ち良くて眠くなるなぁ。
「はーい、終わりました」
そう言うと、美来はタオルで僕の髪を拭いてくれる。ここまでやってもらうと有り難いと思うと同時に申し訳なくなるな。
「次は体ですね。プールに入るときに日焼け止めを塗ったので、お肌は大丈夫だとは思いますが……」
「そうだね。今日は晴れていたし、観光したから首回りと肘から手まで焼けたくらいで。それも痛くはないから大丈夫だよ」
「そうですか。じゃあ、タオルを使って優しく洗いますね」
「うん、お願いするよ」
タオルで体を洗ってもらうことに。
「智也さん、どうですか?」
「……気持ちいいよ。痛みも感じない」
「良かったです。でも、肘とか首は日焼けしていますので、手で洗いますね」
「うん」
すると、タオルよりも柔らかい感触のものが首に。タオルでも大丈夫そうな気がするけれど。
「どうですか?」
「気持ちいいよ」
この気持ち良さは美来の優しさなんだろうな。指だからくすぐったいけれど。
「じゃあ、シャワーで泡を落としますね」
「うん」
美来に体に付いた泡をシャワーで落としてもらうと、今度は美来が髪と体を洗うために鏡の前にある椅子に座った。僕は昨日と同じように、湯船には入らずに湯船の横で脚を伸ばすことに。
「ふふっ、やっぱり湯船に浸かると眠ってしまいますか?」
「うん。それに、こうしているといい感じに眠気がなくなっていくんだよね」
「ふふっ、そうですか」
僕はゆっくりと目を瞑って今回の旅行のことを思い出していく。色々なことがあったけど、そこにはいつも美来の笑顔があったな。それがとても嬉しかったのであった。
有紗さんのことは一件落着して、僕もこの話は終わりだと言ったのに……さっきから普段以上に丁寧な態度になっている。
「さあさあ、智也さん。髪と体を洗ってあげますね」
「2日連続で洗ってもらっていいのかな……」
「もちろんですよ、旦那様」
あぁ……なるほど。お風呂から上がったらメイド服を着てほしいって言ったから、その影響で今からメイドさん気分なのか。
今の美来は髪を纏め、ヘアクリップで留めているので、普段とちょっと違う雰囲気にはなっている。
「どうしたんですか、旦那様。鏡越しで私のことを見て」
「美来の髪って普段はストレートじゃない。だから、今みたいにクリップで髪を纏めているのが新鮮だなって。……あと、僕のことは旦那様じゃなくて、普段通りの呼び方で呼んでほしいかな」
「かしこまりました。……智也、さん」
どうして、いつも通りの呼び方で言う方が恥ずかしそうなのか。
「じゃあ、まずは髪を洗いますね」
「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします」
「はーい。では、始めますね」
僕は美来に髪を洗ってもらう。シャンプーの香りと、美来の絶妙な力加減のおかげでとても眠くなる。さっき、美来を叱ったこともあってか、酔いはだいぶ醒めたけど、目を瞑っていると普段よりも眠気が押し寄せてくるな。
「智也さん、どうしましたか? コクコク頷いて」
「あぁ、ごめん。あまりにも気持ちよくてつい眠気が」
「ふふっ、そうですか。智也さん、お酒を呑むといつもそうですよね。では、今日も私が髪や体を洗っているときは湯船に浸からない方がいいですね」
「うん、そうするよ」
湯船に入ったら、眠気に負けてすぐに眠りに落ちてしまい、湯船に沈んで溺死してしまうかもしれない。
「今日もとても楽しかったですね。温泉に入って、観光して、スイーツを食べて、プールで遊んで。忘れられない1日になりました」
「……そうだね」
ちょっとだけ目を開けて、鏡越しに美来のことを見ると、美来は嬉しそうな顔を浮かべているのが見えた。さっき、有紗さんのことで叱っちゃったから、それを変に気にしていないかどうか心配だったけど、これなら大丈夫そうかな。
「智也さん、泡を落としますので目を瞑ってください」
「うん」
シャワーで美来に髪に付いたシャンプーの泡を落としてもらう。あぁ、頭に温かいお湯がかかると気持ち良くて眠くなるなぁ。
「はーい、終わりました」
そう言うと、美来はタオルで僕の髪を拭いてくれる。ここまでやってもらうと有り難いと思うと同時に申し訳なくなるな。
「次は体ですね。プールに入るときに日焼け止めを塗ったので、お肌は大丈夫だとは思いますが……」
「そうだね。今日は晴れていたし、観光したから首回りと肘から手まで焼けたくらいで。それも痛くはないから大丈夫だよ」
「そうですか。じゃあ、タオルを使って優しく洗いますね」
「うん、お願いするよ」
タオルで体を洗ってもらうことに。
「智也さん、どうですか?」
「……気持ちいいよ。痛みも感じない」
「良かったです。でも、肘とか首は日焼けしていますので、手で洗いますね」
「うん」
すると、タオルよりも柔らかい感触のものが首に。タオルでも大丈夫そうな気がするけれど。
「どうですか?」
「気持ちいいよ」
この気持ち良さは美来の優しさなんだろうな。指だからくすぐったいけれど。
「じゃあ、シャワーで泡を落としますね」
「うん」
美来に体に付いた泡をシャワーで落としてもらうと、今度は美来が髪と体を洗うために鏡の前にある椅子に座った。僕は昨日と同じように、湯船には入らずに湯船の横で脚を伸ばすことに。
「ふふっ、やっぱり湯船に浸かると眠ってしまいますか?」
「うん。それに、こうしているといい感じに眠気がなくなっていくんだよね」
「ふふっ、そうですか」
僕はゆっくりと目を瞑って今回の旅行のことを思い出していく。色々なことがあったけど、そこにはいつも美来の笑顔があったな。それがとても嬉しかったのであった。
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