194 / 292
続編-螺旋百合-
プロローグ『晩夏の夜』
しおりを挟む
続編-螺旋百合-
僕が誤認逮捕された事件が解決した際に、僕は美来からのプロポーズを受け入れた。それからは結婚を前提にして彼女と付き合っている。
8月に入って、美来と一緒に住み始めるために引越しをした。それからは美来と2人で穏やかな生活をすることに。彼女と同棲してから毎日がより楽しい。
ただ、そういった時間は長くは続かないらしい。
引っ越してからおよそ半月後にあった1本の電話がきっかけで、穏やかだった美来との生活が変わり始めることになる。
8月26日、金曜日。
今週は風邪を引いて休んでしまったけれど、無事に快復したので後半になってから仕事に復帰した。
今週の仕事は無事に終わり、今は自宅で美来と一緒にゆっくりとした時間を過ごしている。もちろん、美来はメイド服姿で。
「うん……智也さん……」
ただし、美来はソファーの上で横になり、僕の膝に頭を乗せてぐっすりと眠っている。
その理由はテーブルの上に置かれている洋酒入りのチョコレート。職場の人から旅行のお土産ということでもらってきたのだ。
未成年ということもあってなのか、美来はチョコレート1粒で体がポカポカし始めたそうで、2粒食べると口調がタメ口へと変わった。3粒目は僕とキスしながら食べた。
しかし、それが決定打となってしまったようで、ぐっすりと眠ってしまい今に至る。眠り始めてから15分ほど経つ。
「やれやれ……」
気持ち良く眠っているからまだいいけど、今後、洋酒入りのチョコレートを買ったら、美来がたくさん食べてしまわないように気を付けないと。
ちなみに、僕は少し体が熱いと感じるだけで眠くなったりはしていない。
――プルルッ。
うん? 僕のスマートフォンが鳴っている。
確認してみると、母親から電話がかかってきていた。明日、実家に夏休み中に行った旅行のお土産を渡しに行く予定だけど、何かあったのかな。
「はい、智也だけど」
『智也、風邪はもう全快?』
「うん、治ったよ。……あれ? 体調を崩したことを母さんに言ったっけ?」
『美来ちゃんからよ。火曜日に智也が風邪を引いたけど、薬を飲んだので大丈夫ですよって連絡があったの』
「そうだったんだ」
美来、母さんにそんなことを連絡していたのか。
母さんは美来も一緒にいるし大丈夫だと思って、これまで僕には連絡しなかったと。
そういえば、明日……実家に行くけれど、美来は大丈夫かな。さすがに二日酔いということはないと思いたいけど。適宜、美来に体調は大丈夫かどうか訊くことにしよう。
「んにゃあっ、智也さん……お電話中ですかぁ?」
「うん」
美来、目を覚ましたな。口調が普段通りになっているので、どうやら寝たことである程度醒めたんだな。
「それで、どうかした? 明日、お土産を持って美来と一緒にそっちへ行くつもりだけれど、何か用事でも入ったの?」
『ううん、そうじゃないわ。ただ、さっき……家の方に桃花ちゃんから電話があってね』
「桃花ちゃん……って、ああ、恩田桃花ちゃんのこと?」
『そうよ。昔はよくお盆やお正月になると母さんの田舎に行って、桃花ちゃんともよく遊んだわよね』
「そうだね」
恩田桃花ちゃん。母親の妹の娘……いわゆる、僕の従妹だ。確か、僕より5歳くらい年下のはず。彼女の住まいが母親の実家から歩いて行けるところにあるので、昔は夏休みやお正月に帰省すると桃花ちゃんと遊んだり、彼女の家に泊まったりすることもあった。
ただ、最後に会ったのはもう10年くらい前になる。あのときは小学生だったけど、今はどんな女性になっているのかな。
「それで、桃花ちゃんがどうかしたの? 連絡してきたのって僕が誤認逮捕された件じゃないよね。もう3ヶ月近く前になるし」
僕が逮捕されてしまったとき、親戚中から実家に連絡が殺到したらしい。そのときは両親が対処してくれた。ちなみに、僕が警視庁の前で釈放会見をしたことを機に電話も収まったようだ。
『そのことじゃないわ。実は桃花ちゃん、智也に久しぶりに会いたいみたいで、明日から智也の住んでいる家に泊まりたいって言ってて。でも、智也には美来ちゃんっていう将来の奥さんもいるから、一度、私の方から話をすることになって』
「ああ、そういうことか。美来っていう同棲中の彼女がいる以上、彼女の許可がないとダメだね。ちょっと待ってて、美来に訊いてみるから」
『分かった』
僕は通話を保留の状態にする。良かったよ、美来がさっき目を覚ましてくれて。
「美来」
「はい、何でしょうか?」
おっ、すっかりと普段と変わらない雰囲気に戻っている。少しの間でも寝たから酔いが醒めたのかな。
美来がどういう表情になるか不安だけれど、母さんを待たせている以上、言うのを躊躇っている時間はない。
「実は、僕の従妹の女の子がここに泊まりたいって言っているんだ。僕はかまわないと思っているんだけれど、美来の意見を聞きたいと思って。もちろん、美来の気持ちを尊重するつもりだよ」
「従妹の女の子というのは、旅行のときに話してくれた智也さんとは5歳くらい違う女性のことですよね」
「うん、そうだよ」
「なるほど……」
美来、真剣な表情をして腕を組みながら考え込んでいる。
夏休みの旅行中、美来に桃花ちゃんとの思い出話をした。その中身がお風呂での話しということもあってか、そのときもあまりいい表情はしていなかった。
小さい頃から知っている従妹だとはいえ、今は20歳くらいの女の子。そんな子が家に泊まりに来るのはあまりいい気分にはなれないかな。
「その従妹の方は昔の智也さんを知っているんですよね」
「うん。でも、彼女は覚えているかなぁ。最後に会ったのも確か、10年くらい前にあった親戚の法事だったから。家に遊びに行って泊まったのはそれ以上前だし……」
そういえば、そのときは互いの連絡先は交換していなかったな。桃花ちゃんも小学生で携帯電話を持っていなかったからかな。
「きっと覚えていますよ。だって、智也さんに久しぶりに会いたいと言っているほどです。きっと、その方には智也さんとのいい思い出があるはず。ということは、昔の智也さんについて素敵なお話が聞くことができるかもしれません……!」
美来はワクワクした様子に。
意外にも桃花ちゃんが泊まりに来ることには好意的なようだ。自分の知らない僕のことを知るいい機会だと思っているのかも。
「しかし、ひさしぶりに会いたいということは、智也さんに好意を抱いている可能性も否定できませんね。ううっ、どうしましょう……」
美来自身、10年間ずっと僕に好意を抱き続け、この春に10年ぶりの再会を果たした経験がある。ひさしぶりに僕に会いたい人がいると聞くと、その人も僕に好意を抱いているかもしれないと思うのは仕方ないか。
「僕の母親も美来っていう恋人がいるから、従妹に一度、僕に確認してみるって言ったんだよ。だから、きっと……僕のことを美来から奪うってことはしないと思うよ」
当時の性格が変わっていなければ。
「分かりました。智也さんのことを私が全力でお守りします。ですので、従妹の方をここに泊めましょう!」
美来、すっかりと意気込んでいるな。僕を守るというのが彼女らしいというか。桃花ちゃんのことは信じているけれど、僕も気を付けておかないと。
「分かった。じゃあ、それを母さんに伝えるね」
「お願いします」
母さんとの通話を再開する。
「お待たせ、母さん。美来から家に泊まるのを許可してもらったよ。だから、明日から家に泊まりに来ていいよって桃花ちゃんに言っておいて」
『分かったわ。じゃあ、明日……桃花ちゃんとはこっちで会うことにする?』
「それがいいね。それで、桃花ちゃんと一緒に僕らの家に帰るよ」
それに、桃花ちゃんの連絡先も知らないし。彼女の家の番号も実家に帰らないと分からないから。
『分かったわ。じゃあ、また明日ね』
「うん。また明日」
僕の方から通話を切った。
桃花ちゃんか。最後に会ったのは彼女が小学生のときだったから、僕の覚えている彼女とは全く別人になっているかもしれないな。
どうやら、今年の夏はまだまだ終わらないようだ。
僕が誤認逮捕された事件が解決した際に、僕は美来からのプロポーズを受け入れた。それからは結婚を前提にして彼女と付き合っている。
8月に入って、美来と一緒に住み始めるために引越しをした。それからは美来と2人で穏やかな生活をすることに。彼女と同棲してから毎日がより楽しい。
ただ、そういった時間は長くは続かないらしい。
引っ越してからおよそ半月後にあった1本の電話がきっかけで、穏やかだった美来との生活が変わり始めることになる。
8月26日、金曜日。
今週は風邪を引いて休んでしまったけれど、無事に快復したので後半になってから仕事に復帰した。
今週の仕事は無事に終わり、今は自宅で美来と一緒にゆっくりとした時間を過ごしている。もちろん、美来はメイド服姿で。
「うん……智也さん……」
ただし、美来はソファーの上で横になり、僕の膝に頭を乗せてぐっすりと眠っている。
その理由はテーブルの上に置かれている洋酒入りのチョコレート。職場の人から旅行のお土産ということでもらってきたのだ。
未成年ということもあってなのか、美来はチョコレート1粒で体がポカポカし始めたそうで、2粒食べると口調がタメ口へと変わった。3粒目は僕とキスしながら食べた。
しかし、それが決定打となってしまったようで、ぐっすりと眠ってしまい今に至る。眠り始めてから15分ほど経つ。
「やれやれ……」
気持ち良く眠っているからまだいいけど、今後、洋酒入りのチョコレートを買ったら、美来がたくさん食べてしまわないように気を付けないと。
ちなみに、僕は少し体が熱いと感じるだけで眠くなったりはしていない。
――プルルッ。
うん? 僕のスマートフォンが鳴っている。
確認してみると、母親から電話がかかってきていた。明日、実家に夏休み中に行った旅行のお土産を渡しに行く予定だけど、何かあったのかな。
「はい、智也だけど」
『智也、風邪はもう全快?』
「うん、治ったよ。……あれ? 体調を崩したことを母さんに言ったっけ?」
『美来ちゃんからよ。火曜日に智也が風邪を引いたけど、薬を飲んだので大丈夫ですよって連絡があったの』
「そうだったんだ」
美来、母さんにそんなことを連絡していたのか。
母さんは美来も一緒にいるし大丈夫だと思って、これまで僕には連絡しなかったと。
そういえば、明日……実家に行くけれど、美来は大丈夫かな。さすがに二日酔いということはないと思いたいけど。適宜、美来に体調は大丈夫かどうか訊くことにしよう。
「んにゃあっ、智也さん……お電話中ですかぁ?」
「うん」
美来、目を覚ましたな。口調が普段通りになっているので、どうやら寝たことである程度醒めたんだな。
「それで、どうかした? 明日、お土産を持って美来と一緒にそっちへ行くつもりだけれど、何か用事でも入ったの?」
『ううん、そうじゃないわ。ただ、さっき……家の方に桃花ちゃんから電話があってね』
「桃花ちゃん……って、ああ、恩田桃花ちゃんのこと?」
『そうよ。昔はよくお盆やお正月になると母さんの田舎に行って、桃花ちゃんともよく遊んだわよね』
「そうだね」
恩田桃花ちゃん。母親の妹の娘……いわゆる、僕の従妹だ。確か、僕より5歳くらい年下のはず。彼女の住まいが母親の実家から歩いて行けるところにあるので、昔は夏休みやお正月に帰省すると桃花ちゃんと遊んだり、彼女の家に泊まったりすることもあった。
ただ、最後に会ったのはもう10年くらい前になる。あのときは小学生だったけど、今はどんな女性になっているのかな。
「それで、桃花ちゃんがどうかしたの? 連絡してきたのって僕が誤認逮捕された件じゃないよね。もう3ヶ月近く前になるし」
僕が逮捕されてしまったとき、親戚中から実家に連絡が殺到したらしい。そのときは両親が対処してくれた。ちなみに、僕が警視庁の前で釈放会見をしたことを機に電話も収まったようだ。
『そのことじゃないわ。実は桃花ちゃん、智也に久しぶりに会いたいみたいで、明日から智也の住んでいる家に泊まりたいって言ってて。でも、智也には美来ちゃんっていう将来の奥さんもいるから、一度、私の方から話をすることになって』
「ああ、そういうことか。美来っていう同棲中の彼女がいる以上、彼女の許可がないとダメだね。ちょっと待ってて、美来に訊いてみるから」
『分かった』
僕は通話を保留の状態にする。良かったよ、美来がさっき目を覚ましてくれて。
「美来」
「はい、何でしょうか?」
おっ、すっかりと普段と変わらない雰囲気に戻っている。少しの間でも寝たから酔いが醒めたのかな。
美来がどういう表情になるか不安だけれど、母さんを待たせている以上、言うのを躊躇っている時間はない。
「実は、僕の従妹の女の子がここに泊まりたいって言っているんだ。僕はかまわないと思っているんだけれど、美来の意見を聞きたいと思って。もちろん、美来の気持ちを尊重するつもりだよ」
「従妹の女の子というのは、旅行のときに話してくれた智也さんとは5歳くらい違う女性のことですよね」
「うん、そうだよ」
「なるほど……」
美来、真剣な表情をして腕を組みながら考え込んでいる。
夏休みの旅行中、美来に桃花ちゃんとの思い出話をした。その中身がお風呂での話しということもあってか、そのときもあまりいい表情はしていなかった。
小さい頃から知っている従妹だとはいえ、今は20歳くらいの女の子。そんな子が家に泊まりに来るのはあまりいい気分にはなれないかな。
「その従妹の方は昔の智也さんを知っているんですよね」
「うん。でも、彼女は覚えているかなぁ。最後に会ったのも確か、10年くらい前にあった親戚の法事だったから。家に遊びに行って泊まったのはそれ以上前だし……」
そういえば、そのときは互いの連絡先は交換していなかったな。桃花ちゃんも小学生で携帯電話を持っていなかったからかな。
「きっと覚えていますよ。だって、智也さんに久しぶりに会いたいと言っているほどです。きっと、その方には智也さんとのいい思い出があるはず。ということは、昔の智也さんについて素敵なお話が聞くことができるかもしれません……!」
美来はワクワクした様子に。
意外にも桃花ちゃんが泊まりに来ることには好意的なようだ。自分の知らない僕のことを知るいい機会だと思っているのかも。
「しかし、ひさしぶりに会いたいということは、智也さんに好意を抱いている可能性も否定できませんね。ううっ、どうしましょう……」
美来自身、10年間ずっと僕に好意を抱き続け、この春に10年ぶりの再会を果たした経験がある。ひさしぶりに僕に会いたい人がいると聞くと、その人も僕に好意を抱いているかもしれないと思うのは仕方ないか。
「僕の母親も美来っていう恋人がいるから、従妹に一度、僕に確認してみるって言ったんだよ。だから、きっと……僕のことを美来から奪うってことはしないと思うよ」
当時の性格が変わっていなければ。
「分かりました。智也さんのことを私が全力でお守りします。ですので、従妹の方をここに泊めましょう!」
美来、すっかりと意気込んでいるな。僕を守るというのが彼女らしいというか。桃花ちゃんのことは信じているけれど、僕も気を付けておかないと。
「分かった。じゃあ、それを母さんに伝えるね」
「お願いします」
母さんとの通話を再開する。
「お待たせ、母さん。美来から家に泊まるのを許可してもらったよ。だから、明日から家に泊まりに来ていいよって桃花ちゃんに言っておいて」
『分かったわ。じゃあ、明日……桃花ちゃんとはこっちで会うことにする?』
「それがいいね。それで、桃花ちゃんと一緒に僕らの家に帰るよ」
それに、桃花ちゃんの連絡先も知らないし。彼女の家の番号も実家に帰らないと分からないから。
『分かったわ。じゃあ、また明日ね』
「うん。また明日」
僕の方から通話を切った。
桃花ちゃんか。最後に会ったのは彼女が小学生のときだったから、僕の覚えている彼女とは全く別人になっているかもしれないな。
どうやら、今年の夏はまだまだ終わらないようだ。
0
あなたにおすすめの小説
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる