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特別編6
第10話『久しぶりの夜-前編-』
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午後5時過ぎに福王寺先生の誕生日パーティーが終了した。
今夜は結衣が俺の家に泊まりに来るため、俺は結衣と一緒に一旦、結衣の家へ。
御両親と、女子テニス部の練習から帰ってきていた妹の柚月ちゃんに挨拶をし、福王寺先生の誕生日パーティーの様子を軽く話した。
話の中で、タルト作りの基本は小さい頃に結衣が裕子さんから教わったのだと分かった。チョコレートタルトは、結衣が自分でネットや本でレシピを調べて練習したそうだ。それでも、娘の作ったタルトを担任が美味しく食べたことを知った裕子さんはとても嬉しそうにしていた。
タルトにまつわる聞き、結衣の作ったタルトをまた食べたいと強く思った。
結衣の荷物を持って、結衣と一緒に自宅に帰ると、既に芹花姉さんがバイトから帰ってきていた。
芹花姉さんが上機嫌だったので理由を聞いてみると、福王寺先生から誕生日プレゼントのお礼のメッセージをもらったのだそうだ。結衣と俺で、プレゼントを渡した際に先生がとても興奮していたことを伝えると、姉さんは嬉しそうに、そして楽しそうに笑っていた。
「お風呂気持ち良かったね、悠真君」
「そうだな。7月になったけど、まだ温かいお湯が気持ちいいな」
「うんっ」
夕食後。
以前、結衣が泊まりに来たときと同じように、俺は結衣と一緒に一番風呂に入った。もちろん、今回も互いの髪と背中を洗って。
この前は初めて一緒に入浴する緊張も結構あったけど、今回はとてもリラックスした状態で入浴できた。結衣も俺が洗っているときや、一緒に湯船に浸かっているとき中心に気持ち良さそうにしていた。
「悠真君。約束通り、昨日買った下着を持ってきたよ」
目の前に、昨日購入した黒い下着を身につけた結衣が立っている。昨日、写真を見たときにも思ったけど、艶やかな雰囲気でとても似合っていると思う。思わず「おおっ……」と声を漏らしてしまった。
「凄く似合ってる。写真で見るより何倍もいいな」
「ありがとう、悠真君」
嬉しそうに言うと、結衣は俺をぎゅっと抱きしめてきた。俺も下着しか穿いていないし、お風呂上がりだからか、普段よりも結衣の温かさや柔らかさ、ボディーソープやシャンプーの甘い匂いを強く感じる。
「抱きしめてくれるのは嬉しいけど、これじゃ結衣の下着姿が見えないよ」
「あははっ、そうだね。似合っているって言われたのが嬉しくて、つい抱きしめちゃった」
そう言いながらも、結衣は俺への抱擁をさらに強くさせる。これじゃ、より結衣の下着姿が見えなくなるけど、結衣に抱きしめられるのは好きだからいいか。そう思いながら、両手を結衣の背中へ回した。
俺の部屋に戻ると、結衣は化粧水や乳液を使ってスキンケアを行なう。
その後にドライヤーを使い、お互いの髪を乾かしていく。結衣の髪を乾かし終わり、俺の髪を結衣に乾かしてもらっているときだった。
「いたたっ……」
結衣のそんな声が聞こえたので振り返ると、結衣がいつになく表情を歪めている。
「どうしたんだ?」
「両肩が痛くて。試験勉強をして、昨日と今日はチョコレートタルト作りをしていたから、肩が凝っちゃったのかなぁ。ストレッチを習慣にしているんだけど」
「そうなのか。疲れが溜まったのかもしれないな。じゃあ、俺が結衣の肩をマッサージするよ。あと、肩が痛いなら、俺が自分で髪を乾かすよ」
「ううん、あとちょっとで終わるからやらせて。それに悠真君の金髪は凄く好きだし」
えへへっ……と結衣は厭らしさも感じられる声で笑う。
「じゃあ、お願いするよ。でも、無理はするなよ」
「了解です!」
敬礼してくる結衣が可愛らしい。以前、俺の髪は綺麗でサラサラしているから好きだと言ってくれたし、あと少しで終わるならこのまま任せよう。
結衣は部活動が禁止となる先週から試験勉強を頑張っていた。俺、胡桃、伊集院さん、中野先輩と一緒に勉強するときは、分からないところを教えることが何度もあって。本人の気づかない間に、体に疲労が蓄積されていったのかもしれない。
それから1、2分ほどで俺の髪を乾かし終わった。なので、俺は結衣の肩をマッサージすることに。
「じゃあ、肩揉むぞ」
「お願いします」
どのくらい肩が凝っているのか未知数なので、まずは優しめに揉み始める。
「んっ……」
肩揉みが気持ちいいのか、結衣はさっそく甘い声を漏らす。そんな反応が可愛くて、髪からシャンプーの甘い匂いが香ってくるのでドキドキしてくる。後ろから抱きしめたくなるほどに。そんな欲望を抑えて、俺は肩を揉み続ける。
「痛いって言っていただけあって、肩凝ってるな」
芹花姉さんや母さんに比べればひどくないけど。普段は肩があまり凝らない体質だと、この程度の凝りでも辛いかもしれない。
「やっぱり凝ってるか。悠真君の揉み方が上手だから、凄く気持ちいいよ。進路希望調査のプリントに『マッサージ店に就職』って書き直したらいいんじゃない? 就職したら、私も定期的に行くし、お母さんや胡桃ちゃんにも紹介するよ」
「ははっ。そこまで言ってくれるのは嬉しいけど、俺は身近な人のマッサージができればいいさ」
「そっか。何だか悠真君らしいな」
ふふっ、と結衣は上品に笑う。
もし、結衣がマッサージ店に就職したら……きっと活躍しそうだな。肩を揉むのが凄く上手だし。リピーターが続々できそうだ。自分でお店を開いてもやっていけそう。
「話は変わるけど、今日の杏樹先生の誕生日パーティー楽しかったね」
「楽しかったな。福王寺先生も楽しんでくれて良かったよ」
「そうだねっ! 私の作ったチョコレートタルトも美味しそうに食べてくれたし。先生にとっていい誕生日になっていたら嬉しいな」
「なっているさ」
パーティー中、福王寺先生はずっと笑顔を浮かべていたし。特にみんなからプレゼントをもらったときはとても嬉しそうだった。俺のプレゼントした猫のぬいぐるみも喜んでくれて安心したよ。
「半年後に迫る私の誕生日が楽しみになってきたよ!」
「半年後って……迫っているのか?」
「15歳の誕生日よりも16歳の誕生日の方が近いからね!」
「……なるほど」
それなら、迫っていると言っても間違いでは……ないのかな? 俺の感覚では1ヶ月前くらいから使うけど。
ちなみに、結衣の誕生日は1月1日。新年と共に新しい年齢を迎えるので、何ともめでたい日に生まれたなぁと思う。
「結衣はどんなものがほしい? 参考したい。もちろん、低変人としては新曲をプレゼントするつもりだけど」
「そうだね……迷っちゃうな。よほど変なものじゃない限り、悠真君がくれるものなら何でも嬉しいって思えそうだし」
「結衣らしいな」
プレゼントをもらったときの結衣の笑顔が思い浮かぶ。
「ふふっ。1月1日が誕生日だから、私専用の手作りおせちとか、お年玉も兼ねて現金もいいかもしれない」
「手作りおせちはまだしも、現金って味気なくないか?」
「……確かに。色々なものを買えるけど、プレゼントとしては寂しいかも」
「じゃあ、プレゼントは現金以外にする」
「うん! 楽しみにしてるね」
誕生日の1週間前にはクリスマスもある。早いうちから、結衣にあげるプレゼントを考えていくか。
福王寺先生の誕生日パーティーのことや、およそ半年後の結衣の誕生日について話していたからか、気づけば結衣の肩がだいぶほぐれていた。
「結衣。結構ほぐれたと思うけど」
「どれどれ……」
俺が手を離すと、結衣は両肩をゆっくりと回す。
「うん! 肩が軽くなったよ」
「それは良かった」
「……肩揉みが気持ち良かったから、次は胸をマッサージしてほしい気分だよ」
普段よりも小さめの声でそう言うと、結衣はこちらに振り返ってくる。結衣の笑顔はとても艶やかで。
「……それは後にしよう。今、そんなことをしたら、気持ちが高ぶって、時間を忘れて結衣と色々なことをしちゃいそうだし。それに、『鬼刈剣』を芹花姉さんと3人でリアルタイムに観る約束をしているだろう?」
「そうだね。私も……胸をマッサージされたら、きっと悠真君に色々と求めて……最後までしちゃうと思うから」
「そうか。……期末試験も終わったんだし、『鬼刈剣』が始まるまでアニメを観まくるか」
「いいね! そうしよう!」
それから、『鬼刈剣』が始まるまでは、結衣も俺も大好きな美少女日常アニメのBlu-rayを観た。そのときはもちろん結衣と隣り合って。
たまに、俺の前に座る結衣を後ろから抱きしめることも。そのときはアニメよりも結衣の方に集中してしまった。
家族に迷惑がかからない程度に、結衣と一緒に笑いまくる。
期末試験から解放されたり、久しぶりに俺の家に泊まったりする嬉しさからか、結衣はとても楽しそうに笑っていた。
今夜は結衣が俺の家に泊まりに来るため、俺は結衣と一緒に一旦、結衣の家へ。
御両親と、女子テニス部の練習から帰ってきていた妹の柚月ちゃんに挨拶をし、福王寺先生の誕生日パーティーの様子を軽く話した。
話の中で、タルト作りの基本は小さい頃に結衣が裕子さんから教わったのだと分かった。チョコレートタルトは、結衣が自分でネットや本でレシピを調べて練習したそうだ。それでも、娘の作ったタルトを担任が美味しく食べたことを知った裕子さんはとても嬉しそうにしていた。
タルトにまつわる聞き、結衣の作ったタルトをまた食べたいと強く思った。
結衣の荷物を持って、結衣と一緒に自宅に帰ると、既に芹花姉さんがバイトから帰ってきていた。
芹花姉さんが上機嫌だったので理由を聞いてみると、福王寺先生から誕生日プレゼントのお礼のメッセージをもらったのだそうだ。結衣と俺で、プレゼントを渡した際に先生がとても興奮していたことを伝えると、姉さんは嬉しそうに、そして楽しそうに笑っていた。
「お風呂気持ち良かったね、悠真君」
「そうだな。7月になったけど、まだ温かいお湯が気持ちいいな」
「うんっ」
夕食後。
以前、結衣が泊まりに来たときと同じように、俺は結衣と一緒に一番風呂に入った。もちろん、今回も互いの髪と背中を洗って。
この前は初めて一緒に入浴する緊張も結構あったけど、今回はとてもリラックスした状態で入浴できた。結衣も俺が洗っているときや、一緒に湯船に浸かっているとき中心に気持ち良さそうにしていた。
「悠真君。約束通り、昨日買った下着を持ってきたよ」
目の前に、昨日購入した黒い下着を身につけた結衣が立っている。昨日、写真を見たときにも思ったけど、艶やかな雰囲気でとても似合っていると思う。思わず「おおっ……」と声を漏らしてしまった。
「凄く似合ってる。写真で見るより何倍もいいな」
「ありがとう、悠真君」
嬉しそうに言うと、結衣は俺をぎゅっと抱きしめてきた。俺も下着しか穿いていないし、お風呂上がりだからか、普段よりも結衣の温かさや柔らかさ、ボディーソープやシャンプーの甘い匂いを強く感じる。
「抱きしめてくれるのは嬉しいけど、これじゃ結衣の下着姿が見えないよ」
「あははっ、そうだね。似合っているって言われたのが嬉しくて、つい抱きしめちゃった」
そう言いながらも、結衣は俺への抱擁をさらに強くさせる。これじゃ、より結衣の下着姿が見えなくなるけど、結衣に抱きしめられるのは好きだからいいか。そう思いながら、両手を結衣の背中へ回した。
俺の部屋に戻ると、結衣は化粧水や乳液を使ってスキンケアを行なう。
その後にドライヤーを使い、お互いの髪を乾かしていく。結衣の髪を乾かし終わり、俺の髪を結衣に乾かしてもらっているときだった。
「いたたっ……」
結衣のそんな声が聞こえたので振り返ると、結衣がいつになく表情を歪めている。
「どうしたんだ?」
「両肩が痛くて。試験勉強をして、昨日と今日はチョコレートタルト作りをしていたから、肩が凝っちゃったのかなぁ。ストレッチを習慣にしているんだけど」
「そうなのか。疲れが溜まったのかもしれないな。じゃあ、俺が結衣の肩をマッサージするよ。あと、肩が痛いなら、俺が自分で髪を乾かすよ」
「ううん、あとちょっとで終わるからやらせて。それに悠真君の金髪は凄く好きだし」
えへへっ……と結衣は厭らしさも感じられる声で笑う。
「じゃあ、お願いするよ。でも、無理はするなよ」
「了解です!」
敬礼してくる結衣が可愛らしい。以前、俺の髪は綺麗でサラサラしているから好きだと言ってくれたし、あと少しで終わるならこのまま任せよう。
結衣は部活動が禁止となる先週から試験勉強を頑張っていた。俺、胡桃、伊集院さん、中野先輩と一緒に勉強するときは、分からないところを教えることが何度もあって。本人の気づかない間に、体に疲労が蓄積されていったのかもしれない。
それから1、2分ほどで俺の髪を乾かし終わった。なので、俺は結衣の肩をマッサージすることに。
「じゃあ、肩揉むぞ」
「お願いします」
どのくらい肩が凝っているのか未知数なので、まずは優しめに揉み始める。
「んっ……」
肩揉みが気持ちいいのか、結衣はさっそく甘い声を漏らす。そんな反応が可愛くて、髪からシャンプーの甘い匂いが香ってくるのでドキドキしてくる。後ろから抱きしめたくなるほどに。そんな欲望を抑えて、俺は肩を揉み続ける。
「痛いって言っていただけあって、肩凝ってるな」
芹花姉さんや母さんに比べればひどくないけど。普段は肩があまり凝らない体質だと、この程度の凝りでも辛いかもしれない。
「やっぱり凝ってるか。悠真君の揉み方が上手だから、凄く気持ちいいよ。進路希望調査のプリントに『マッサージ店に就職』って書き直したらいいんじゃない? 就職したら、私も定期的に行くし、お母さんや胡桃ちゃんにも紹介するよ」
「ははっ。そこまで言ってくれるのは嬉しいけど、俺は身近な人のマッサージができればいいさ」
「そっか。何だか悠真君らしいな」
ふふっ、と結衣は上品に笑う。
もし、結衣がマッサージ店に就職したら……きっと活躍しそうだな。肩を揉むのが凄く上手だし。リピーターが続々できそうだ。自分でお店を開いてもやっていけそう。
「話は変わるけど、今日の杏樹先生の誕生日パーティー楽しかったね」
「楽しかったな。福王寺先生も楽しんでくれて良かったよ」
「そうだねっ! 私の作ったチョコレートタルトも美味しそうに食べてくれたし。先生にとっていい誕生日になっていたら嬉しいな」
「なっているさ」
パーティー中、福王寺先生はずっと笑顔を浮かべていたし。特にみんなからプレゼントをもらったときはとても嬉しそうだった。俺のプレゼントした猫のぬいぐるみも喜んでくれて安心したよ。
「半年後に迫る私の誕生日が楽しみになってきたよ!」
「半年後って……迫っているのか?」
「15歳の誕生日よりも16歳の誕生日の方が近いからね!」
「……なるほど」
それなら、迫っていると言っても間違いでは……ないのかな? 俺の感覚では1ヶ月前くらいから使うけど。
ちなみに、結衣の誕生日は1月1日。新年と共に新しい年齢を迎えるので、何ともめでたい日に生まれたなぁと思う。
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「そうだね……迷っちゃうな。よほど変なものじゃない限り、悠真君がくれるものなら何でも嬉しいって思えそうだし」
「結衣らしいな」
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「ふふっ。1月1日が誕生日だから、私専用の手作りおせちとか、お年玉も兼ねて現金もいいかもしれない」
「手作りおせちはまだしも、現金って味気なくないか?」
「……確かに。色々なものを買えるけど、プレゼントとしては寂しいかも」
「じゃあ、プレゼントは現金以外にする」
「うん! 楽しみにしてるね」
誕生日の1週間前にはクリスマスもある。早いうちから、結衣にあげるプレゼントを考えていくか。
福王寺先生の誕生日パーティーのことや、およそ半年後の結衣の誕生日について話していたからか、気づけば結衣の肩がだいぶほぐれていた。
「結衣。結構ほぐれたと思うけど」
「どれどれ……」
俺が手を離すと、結衣は両肩をゆっくりと回す。
「うん! 肩が軽くなったよ」
「それは良かった」
「……肩揉みが気持ち良かったから、次は胸をマッサージしてほしい気分だよ」
普段よりも小さめの声でそう言うと、結衣はこちらに振り返ってくる。結衣の笑顔はとても艶やかで。
「……それは後にしよう。今、そんなことをしたら、気持ちが高ぶって、時間を忘れて結衣と色々なことをしちゃいそうだし。それに、『鬼刈剣』を芹花姉さんと3人でリアルタイムに観る約束をしているだろう?」
「そうだね。私も……胸をマッサージされたら、きっと悠真君に色々と求めて……最後までしちゃうと思うから」
「そうか。……期末試験も終わったんだし、『鬼刈剣』が始まるまでアニメを観まくるか」
「いいね! そうしよう!」
それから、『鬼刈剣』が始まるまでは、結衣も俺も大好きな美少女日常アニメのBlu-rayを観た。そのときはもちろん結衣と隣り合って。
たまに、俺の前に座る結衣を後ろから抱きしめることも。そのときはアニメよりも結衣の方に集中してしまった。
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