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夏休み編
第18話『旅先の朝』
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8月3日、土曜日。
とてもいい気分の中で目を覚ますと……白くて美しい世界が広がっていた。まさか、まだ夢の中にいるのだろうか。そんなことを考えていると、
「あっ、悠真君」
結衣の声が聞こえてきた。その瞬間に結衣の温もりや甘い匂い、肌の柔らかさが感じられるように。背中にもはっきりとした温かさを感じるってことは、今は結衣に抱きしめられているのだろうか。
顔を結衣の体から少し離し、ゆっくりと見上げると……そこには優しい笑顔で俺を見ている結衣が。俺と目が合うと、結衣はニコッと可愛く笑う。
「悠真君、おはよう」
「おはよう、結衣」
朝の挨拶を交わすと、結衣からキスしてくる。おはようのキスだろうか。唇から伝わる独特の感触と温もり。そのことで、これは現実なのだと分かった。あと、キスをすると昨日の夜のことを鮮明に思い出す。あのときの結衣はとても綺麗だったな。
それにしても、目を覚ましたら好きな人に包まれていて。笑顔で俺を見てくれて。おはようと挨拶したらキスしてくれて。だから、今までで一番いい旅先の朝を迎えられた。結衣のおかげでスッキリとした目覚めだ。
「今は何時だろう? 外はもう明るいみたいだけど」
「今は……6時過ぎだね」
「そんなに早い時間なんだ。じゃあ、眠ったのは……3、4時間くらいか。スッキリと起きられたから、目覚ましをかけた時間の直前かと思った」
「昨日は昼も夜も楽しく運動したから、短い睡眠時間でもスッキリと起きられたのかもね。あと、旅行に行ったときって、普段よりも朝早く起きること多くない?」
「そうだな。俺はそのタイプだ」
だから、夜の深い時間に寝ても、今日はこんなに早く起きられたのだろう。
「結衣はいつ起きたんだ?」
「10分くらい前かな。悠真君の寝顔の写真を撮って、口と頬にキスして。それで、悠真君のことを抱きしめたの。胸に顔を埋める形で。お腹のあたりに悠真君の吐息が定期的にかかって気持ち良かった……」
そう言うと、結衣はうっとりとした様子に。寝ている俺で結衣は楽しい朝の時間を過ごせたのか。
あと、とてもいい気分で起きられたのは、結衣がキスしたり、胸に俺の顔を埋めたりしてくれたおかげだろうな。
「……よし。早めに起きられたし、これから大浴場に行こうかな。結衣って、旅行に行くと大浴場で朝風呂に入る方か? 俺は入ることが多いけど」
小さい頃は父親と2人で。小学校の高学年頃からは1人で入りに行くこともあった。
「早めに起きられたら入るよ。泊まる旅館やホテルによっては時間帯によって、男湯と女湯が入れ替わるからね。確か、この潮風見も、夜と朝で入れるお風呂が違ったはず。ちなみに、昨日の女湯は大浴場の中の浴槽が大理石で作られてた」
「男湯の方は檜風呂で作られていたよ」
「ということは、入れ替わっていたら檜風呂に入れるんだね。楽しみだな」
「じゃあ、一緒に朝風呂に入りに行くか。といっても、昨日みたいに露天風呂で話すだけになるけど」
「そうだね。髪と体を綺麗にして、温泉を楽しもうっと。昨日の夜はたくさん体を動かしたから、悠真君はたっぷり入った方がいいんじゃない?」
茶目っ気を感じる笑顔を見せる結衣。
思い返すと、昨日の夜はとても気持ち良かったから、積極的に体を動かしたときがあった。結衣の言う通り、温泉にはたっぷりと入った方がいいかもしれない。どこか体が痛くなったら、旅行2日目が楽しめなくなる。
「そうだね。ゆっくり入った方が良さそうだ。結衣も長めに入った方がいいんじゃないか。昨日の夜はかなり動いていたから」
「そうだね。温泉は好きだし、ゆっくり入るよ」
「それがいいよ。じゃあ、準備して大浴場へ行こうか」
「うんっ」
俺達は下着や浴衣を着て、必要な物を持って502号室を出発する。
エレベーターで1階まで降りる。朝食の時間が始まったから、年配の方を中心に食事会場へ向かう宿泊客の姿がちらほらと見える。
大浴場の前まで到着する。向かって右側の入口に、『男湯』と書かれた青い暖簾がかけられている。昨日は確か左側にあったから……結衣の言う通り、入れる温泉が変わっているのだろう。
「じゃあ、また後でね、悠真君」
「うん」
結衣にキスをして、俺は男湯の暖簾をくぐった。
脱衣所の中には4、50代くらいの男性1人しかいなかった。みんなまだ寝ていたり、朝食を食べに行ったりしているのだろうか。それとも、朝風呂に入る人は少数派だったりして。
浴衣と下着を脱ぎ、タオルを持って大浴場の中に入る。
「おぉ、こっちも立派だな」
結衣の言うとおり、大理石で作られた大きな浴槽がある。王道の大浴場だ。檜の香りがないのは少し寂しさがあるが。
大浴場の中には親世代から年配の方の男性が3人いるだけ。今回もゆったりと温泉を楽しめそうだ。
洗い場で髪と体を洗う。
そういえば、女湯の方に胡桃達は来ているのだろうか。昨日はみんな温泉が気持ちよかったと言っていたし、早めに起きていれば入りに来る人はいるかも。あとで、結衣に訊いてみよう。
髪と体を洗い終えて、俺は大理石でできた浴槽に浸かる。
「あぁ……気持ちいい……」
朝から気持ちのいい温泉に浸かる。これぞ、旅の贅沢の一つだろう。
あと、昨日よりも気持ち良く感じられるのは気のせいだろうか。入っている温泉の成分が違うのかな。そう思って、温泉について書かれている看板を見てみると……温泉の成分や効能は昨日入った温泉と変わらないか。
それにしても、温泉の熱さが身に沁みる。特に腰のあたり。
「……昨日の夜の影響かもなぁ」
あまりにも気持ち良かったから、体をたくさん動かしたし。……あのときに感じた結衣の温もりはこの温泉以上に心地良かったな。
「外に行くか」
露天風呂にいれば結衣と話せるし。
浴槽から上がり、俺は露天風呂に向かう出入口から外に出る。
「おぉ、涼しい……」
朝だけあって、昨日入ったときよりも涼しい。
露天風呂の方を見ると、昨日入った方と変わらず岩風呂。お風呂の形が多少違うくらいだ。今は誰もお風呂に入っていない。実質貸切状態だな。
昨日入った露天風呂はお湯が結構熱かった。だから、今回も少しずつ入ることに。
「おぉ……」
こっちの露天風呂も結構熱いな。だから、肩まで浸かったときにそんな声が漏れた。熱いけど、昨日よりも涼しい気候だからこれがいい。
昨日はここに結衣達7人が一緒に入ったのか。水着姿を見ているので、結構具体的に考えてしまう。……体がより熱くなってきた。のぼせそうだから、想像するのを止めておこう。心頭滅却。心頭滅却。
竹垣の向こうからも湯気が見える。そっちの方から結衣らしき声は聞こえない。髪や体を洗っていたり、檜風呂を楽しんでいたりするのかな。檜の香りが良かったし。
「あっ、涼しい……」
結衣のことを考えていたら、竹垣の向こう側から結衣の声が聞こえてきた。あの竹垣の向こうに裸の結衣がいると思うとドキドキする。昨日の夜も、今朝起きたときも部屋でたくさん見てきたのに。
それから程なくして、「あぁ……」と気持ち良さそうな結衣の声が。露天風呂に入ったのだろう。
「結衣」
「あっ、悠真君」
大きめの声で結衣の名を呼ぶと、すぐに結衣が返事をしてくれた。竹垣一つで姿が見えないだけで、返事してくれることがこんなにも嬉しくなるとは。昨日は結衣と芹花姉さんが俺を呼んでくれたけど、俺が返事したときはこういう気持ちだったのだろうか。
「露天風呂気持ちいいね!」
「ああ、気持ちいいな。今は涼しいし、昨日の夜よりも気持ちいいかも」
「それ言えてる。この熱さがたまらないよね。あと、みんなで入る温泉もいいけど、一人で入る温泉もいいね」
「そっか。ということは、大浴場では胡桃達と会わなかったのかな」
「うん」
既に入ってしまったのか。それとも、これから入りに来るのか。はたまた、朝風呂は入らないのか。何にせよ、結衣が一人で温泉に入るのを楽しんでいるならいいか。
「そういえば、こっちの露天風呂は私だけだよ。貸切温泉みたい」
「男湯の方も今は俺だけだよ」
「そうなんだ。じゃあ、色々と話せるね。中の大理石のお風呂はどうだった?」
「凄く気持ち良かったよ。そっちの檜風呂はどうだったか?」
「とても良かったよ! 檜の香りも感じられてリラックスできた。悠真君と話したくて露天風呂に来たの。露天風呂の方は、少し形が違うだけで、雰囲気もお湯の熱さも変わらないね」
「そうだな」
結衣と話せることを含めてね。
「この露天風呂……熱さが体に染み渡るなぁ」
「昨日の夜は激しく動くときが何度もあったもんね~」
「……正直、昨日よりも腰に沁みてる感覚があるよ」
「ふふっ」
「結衣だって、腰とかに結構効いているんじゃないか? 積極的に動いていたときがあったし」
「……悠真君の言う通りだね。腰中心に温泉の熱が沁みてる」
やっぱり。結衣と一緒に温泉の効能を得ることにしよう。
「あと、キスマークとかの痕がなかったよ。ありがとう、悠真君」
「いえいえ。海水浴したり、胡桃達と一緒に温泉に入ったりするかもしれないから、つけないように気をつけようって心がけてた」
「ありがとう。悠真君はどうだった? 私も体にたくさんキスしたから」
「俺の方も特にキスマークとかはなかったな」
「……良かった」
ほっとした様子になっている結衣の姿が容易に頭に思い浮かぶ。
それからも結衣と話をしながら、露天風呂を楽しんだ。長めに浸かっていたので、全身がとても癒やされた。
とてもいい気分の中で目を覚ますと……白くて美しい世界が広がっていた。まさか、まだ夢の中にいるのだろうか。そんなことを考えていると、
「あっ、悠真君」
結衣の声が聞こえてきた。その瞬間に結衣の温もりや甘い匂い、肌の柔らかさが感じられるように。背中にもはっきりとした温かさを感じるってことは、今は結衣に抱きしめられているのだろうか。
顔を結衣の体から少し離し、ゆっくりと見上げると……そこには優しい笑顔で俺を見ている結衣が。俺と目が合うと、結衣はニコッと可愛く笑う。
「悠真君、おはよう」
「おはよう、結衣」
朝の挨拶を交わすと、結衣からキスしてくる。おはようのキスだろうか。唇から伝わる独特の感触と温もり。そのことで、これは現実なのだと分かった。あと、キスをすると昨日の夜のことを鮮明に思い出す。あのときの結衣はとても綺麗だったな。
それにしても、目を覚ましたら好きな人に包まれていて。笑顔で俺を見てくれて。おはようと挨拶したらキスしてくれて。だから、今までで一番いい旅先の朝を迎えられた。結衣のおかげでスッキリとした目覚めだ。
「今は何時だろう? 外はもう明るいみたいだけど」
「今は……6時過ぎだね」
「そんなに早い時間なんだ。じゃあ、眠ったのは……3、4時間くらいか。スッキリと起きられたから、目覚ましをかけた時間の直前かと思った」
「昨日は昼も夜も楽しく運動したから、短い睡眠時間でもスッキリと起きられたのかもね。あと、旅行に行ったときって、普段よりも朝早く起きること多くない?」
「そうだな。俺はそのタイプだ」
だから、夜の深い時間に寝ても、今日はこんなに早く起きられたのだろう。
「結衣はいつ起きたんだ?」
「10分くらい前かな。悠真君の寝顔の写真を撮って、口と頬にキスして。それで、悠真君のことを抱きしめたの。胸に顔を埋める形で。お腹のあたりに悠真君の吐息が定期的にかかって気持ち良かった……」
そう言うと、結衣はうっとりとした様子に。寝ている俺で結衣は楽しい朝の時間を過ごせたのか。
あと、とてもいい気分で起きられたのは、結衣がキスしたり、胸に俺の顔を埋めたりしてくれたおかげだろうな。
「……よし。早めに起きられたし、これから大浴場に行こうかな。結衣って、旅行に行くと大浴場で朝風呂に入る方か? 俺は入ることが多いけど」
小さい頃は父親と2人で。小学校の高学年頃からは1人で入りに行くこともあった。
「早めに起きられたら入るよ。泊まる旅館やホテルによっては時間帯によって、男湯と女湯が入れ替わるからね。確か、この潮風見も、夜と朝で入れるお風呂が違ったはず。ちなみに、昨日の女湯は大浴場の中の浴槽が大理石で作られてた」
「男湯の方は檜風呂で作られていたよ」
「ということは、入れ替わっていたら檜風呂に入れるんだね。楽しみだな」
「じゃあ、一緒に朝風呂に入りに行くか。といっても、昨日みたいに露天風呂で話すだけになるけど」
「そうだね。髪と体を綺麗にして、温泉を楽しもうっと。昨日の夜はたくさん体を動かしたから、悠真君はたっぷり入った方がいいんじゃない?」
茶目っ気を感じる笑顔を見せる結衣。
思い返すと、昨日の夜はとても気持ち良かったから、積極的に体を動かしたときがあった。結衣の言う通り、温泉にはたっぷりと入った方がいいかもしれない。どこか体が痛くなったら、旅行2日目が楽しめなくなる。
「そうだね。ゆっくり入った方が良さそうだ。結衣も長めに入った方がいいんじゃないか。昨日の夜はかなり動いていたから」
「そうだね。温泉は好きだし、ゆっくり入るよ」
「それがいいよ。じゃあ、準備して大浴場へ行こうか」
「うんっ」
俺達は下着や浴衣を着て、必要な物を持って502号室を出発する。
エレベーターで1階まで降りる。朝食の時間が始まったから、年配の方を中心に食事会場へ向かう宿泊客の姿がちらほらと見える。
大浴場の前まで到着する。向かって右側の入口に、『男湯』と書かれた青い暖簾がかけられている。昨日は確か左側にあったから……結衣の言う通り、入れる温泉が変わっているのだろう。
「じゃあ、また後でね、悠真君」
「うん」
結衣にキスをして、俺は男湯の暖簾をくぐった。
脱衣所の中には4、50代くらいの男性1人しかいなかった。みんなまだ寝ていたり、朝食を食べに行ったりしているのだろうか。それとも、朝風呂に入る人は少数派だったりして。
浴衣と下着を脱ぎ、タオルを持って大浴場の中に入る。
「おぉ、こっちも立派だな」
結衣の言うとおり、大理石で作られた大きな浴槽がある。王道の大浴場だ。檜の香りがないのは少し寂しさがあるが。
大浴場の中には親世代から年配の方の男性が3人いるだけ。今回もゆったりと温泉を楽しめそうだ。
洗い場で髪と体を洗う。
そういえば、女湯の方に胡桃達は来ているのだろうか。昨日はみんな温泉が気持ちよかったと言っていたし、早めに起きていれば入りに来る人はいるかも。あとで、結衣に訊いてみよう。
髪と体を洗い終えて、俺は大理石でできた浴槽に浸かる。
「あぁ……気持ちいい……」
朝から気持ちのいい温泉に浸かる。これぞ、旅の贅沢の一つだろう。
あと、昨日よりも気持ち良く感じられるのは気のせいだろうか。入っている温泉の成分が違うのかな。そう思って、温泉について書かれている看板を見てみると……温泉の成分や効能は昨日入った温泉と変わらないか。
それにしても、温泉の熱さが身に沁みる。特に腰のあたり。
「……昨日の夜の影響かもなぁ」
あまりにも気持ち良かったから、体をたくさん動かしたし。……あのときに感じた結衣の温もりはこの温泉以上に心地良かったな。
「外に行くか」
露天風呂にいれば結衣と話せるし。
浴槽から上がり、俺は露天風呂に向かう出入口から外に出る。
「おぉ、涼しい……」
朝だけあって、昨日入ったときよりも涼しい。
露天風呂の方を見ると、昨日入った方と変わらず岩風呂。お風呂の形が多少違うくらいだ。今は誰もお風呂に入っていない。実質貸切状態だな。
昨日入った露天風呂はお湯が結構熱かった。だから、今回も少しずつ入ることに。
「おぉ……」
こっちの露天風呂も結構熱いな。だから、肩まで浸かったときにそんな声が漏れた。熱いけど、昨日よりも涼しい気候だからこれがいい。
昨日はここに結衣達7人が一緒に入ったのか。水着姿を見ているので、結構具体的に考えてしまう。……体がより熱くなってきた。のぼせそうだから、想像するのを止めておこう。心頭滅却。心頭滅却。
竹垣の向こうからも湯気が見える。そっちの方から結衣らしき声は聞こえない。髪や体を洗っていたり、檜風呂を楽しんでいたりするのかな。檜の香りが良かったし。
「あっ、涼しい……」
結衣のことを考えていたら、竹垣の向こう側から結衣の声が聞こえてきた。あの竹垣の向こうに裸の結衣がいると思うとドキドキする。昨日の夜も、今朝起きたときも部屋でたくさん見てきたのに。
それから程なくして、「あぁ……」と気持ち良さそうな結衣の声が。露天風呂に入ったのだろう。
「結衣」
「あっ、悠真君」
大きめの声で結衣の名を呼ぶと、すぐに結衣が返事をしてくれた。竹垣一つで姿が見えないだけで、返事してくれることがこんなにも嬉しくなるとは。昨日は結衣と芹花姉さんが俺を呼んでくれたけど、俺が返事したときはこういう気持ちだったのだろうか。
「露天風呂気持ちいいね!」
「ああ、気持ちいいな。今は涼しいし、昨日の夜よりも気持ちいいかも」
「それ言えてる。この熱さがたまらないよね。あと、みんなで入る温泉もいいけど、一人で入る温泉もいいね」
「そっか。ということは、大浴場では胡桃達と会わなかったのかな」
「うん」
既に入ってしまったのか。それとも、これから入りに来るのか。はたまた、朝風呂は入らないのか。何にせよ、結衣が一人で温泉に入るのを楽しんでいるならいいか。
「そういえば、こっちの露天風呂は私だけだよ。貸切温泉みたい」
「男湯の方も今は俺だけだよ」
「そうなんだ。じゃあ、色々と話せるね。中の大理石のお風呂はどうだった?」
「凄く気持ち良かったよ。そっちの檜風呂はどうだったか?」
「とても良かったよ! 檜の香りも感じられてリラックスできた。悠真君と話したくて露天風呂に来たの。露天風呂の方は、少し形が違うだけで、雰囲気もお湯の熱さも変わらないね」
「そうだな」
結衣と話せることを含めてね。
「この露天風呂……熱さが体に染み渡るなぁ」
「昨日の夜は激しく動くときが何度もあったもんね~」
「……正直、昨日よりも腰に沁みてる感覚があるよ」
「ふふっ」
「結衣だって、腰とかに結構効いているんじゃないか? 積極的に動いていたときがあったし」
「……悠真君の言う通りだね。腰中心に温泉の熱が沁みてる」
やっぱり。結衣と一緒に温泉の効能を得ることにしよう。
「あと、キスマークとかの痕がなかったよ。ありがとう、悠真君」
「いえいえ。海水浴したり、胡桃達と一緒に温泉に入ったりするかもしれないから、つけないように気をつけようって心がけてた」
「ありがとう。悠真君はどうだった? 私も体にたくさんキスしたから」
「俺の方も特にキスマークとかはなかったな」
「……良かった」
ほっとした様子になっている結衣の姿が容易に頭に思い浮かぶ。
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