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第20話『次元プラスワン』
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──実は好きな女子がいるんだ。その子に告白したいと思っている。
羽村の相談したいことが、まさかこの次元での恋愛関連だとは。本当に驚きだ。とりあえず、何から訊けばいいだろうか。
「相手っていったい誰なの? 知り合いなの? どういう関係なの?」
「相手は羽村君のことをどう思っている感じ? 脈はありそうなの? そこら辺がどうなのか生徒会長らしくしっかりと答えてほしいな」
咲希と常盤さんは興味津々な様子で、次々と羽村に質問を叩きつける。それを見て明日香は苦笑い。それにしても、2人はよくそこまで訊きたいことが次々と浮かんでくるなぁ。ただ、2人が質問したことについては僕も知りたいところ。
「ははっ、一度にそこまでたくさん訊かれたら答えられないぞ。ちなみに、蓮見や朝霧は何が気になる?」
「羽村君が誰のことが好きなのか……かな。つーちゃんは?」
「僕も明日香と同じだよ。羽村はいったい誰が好きなんだ?」
「やっぱり、まずは誰が好きかだよな。転入して1ヶ月ほどの有村は知らないかもしれないけれど、生徒会の副会長をしている三宅陽乃だよ」
「三宅さんか……」
「ああ。以前から魅力的な女子だとは思っていたよ。先週は期末試験があって生徒会の活動も停止していて。土日になってふと彼女のことを思ってから、ずっと彼女のことが頭から離れないが、悪くはなかった。むしろ、心地いいというか。次第に会いたいという気持ちも生まれてな。その流れで、三宅に恋をしているのだと自覚したよ」
「……そうか」
大好きなキャラクターについて話すとき以上の柔らかな笑みを見て、羽村という男は本当に恋をしているのだと分かった。
やっぱり、生徒会メンバーを好きになったんだな。三宅さんかぁ。彼は放課後になるとすぐに生徒会室に行き、生徒会の仕事をしているし。この前も生徒会メンバー全員でシー・ブロッサムに来店したときも、三宅さんとも楽しそうに談笑していたから。
「うん、必死に思い出そうとしたけど、三宅さんが誰なのかさっぱり分からない!」
そういうことを満面の笑みで言うとおバカさんに見えるよ、咲希。ただ、思い返せば、咲希が三宅さんを知るきっかけはなかったか。
「やっぱり有村は分からないか。確か、去年の生徒会選挙が終わって、今の生徒会メンバーになったときに撮影した集合写真が俺のスマホにあったと思う。ちょっと待ってくれ」
さすがに同じ生徒会メンバーの写真だと何枚かは持っているか。スマホを弄る羽村は嬉しそうだ。好きな人の写真が手元にあると……嬉しいか。
そういえば、鈴音さんもバイトを始めて少し経ったとき、僕のバイトの制服姿が似合っているという理由で、スマートフォンで写真撮影したいと言ったことがあったな。その頃は既に僕のことが好きだから、僕の写真を持っておきたかったのだろう。あぁ、咲希もそうだったか。
「あっ、これだ。有村、このサイドに黒髪を纏めている女子が三宅陽乃だよ」
「へえ、凄く可愛い子じゃない! 何だか、明るくて気さくな感じが伝わってくるな。実際にそうなのかは分からないけれど」
「凄いじゃないか! ご名答だよ、有村。三宅は明るくて気さくな……俺にとっては太陽のような存在だ。そんなところが大好きなんだ」
「物凄くスケールの大きい喩えだね! でも、太陽ならどこからでも見ることはできるし、温もりを与えてくれるよね。それだけ、羽村君が三宅さんのことを好きでたまらない気持ちは分かった」
「太陽って素敵な喩えだよね、さっちゃん」
大げさだなとは思ったけど、羽村にとって三宅さんはなくてはならない存在なのだと思った。きっと、彼女と生徒会の仕事を楽しくやっているんだろうな。
「まさか、羽村君が三次元女子を好きになって、その子のことを太陽って喩える日が来るとは思わなかったよ。でも、漫画やアニメのキャラクターの推し方が半端ないからそれも頷けるか……」
「ははっ、言ってくれるじゃないか、常盤。俺もまさか三次元の人に対して恋をするとは思わなかった。それだけでなく、恋人として付き合いたいとも考えるようになってな。それで蓮見達に相談しようと思ったんだ。特に有村は蓮見に告白していたし」
「あれは……まあ、そうだね。告白になっちゃうね。好きだって言ったもんね」
あははっ、と咲希は顔を赤くしながら微笑んでいる。きっと、転入してきたあの日のことだけじゃなくて、期末試験の勉強をしにやってきたときに初めてキスしたときのことも思い出しているのだろう。
「あれ? 何だか蓮見君まで頬が赤い気がするよ。まんざらでもなさそう。明日香、大丈夫なの?」
「ど、どうしてそこで私にそう言うの? つーちゃんは私にとって……一番付き合いの長い特別な幼なじみだから」
「……特別な幼なじみか。一歩前進って感じかな?」
「一歩前進、って……もう、みなみんったら」
顔を赤くしながら不機嫌な様子になっている明日香のことを、常盤さんは後ろから抱きしめて楽しそうにしている。特別な幼なじみと聞いて、咲希にキスされた直後に明日香から頬にキスされたことを思い出す。
「ははっ、2人は本当に仲が良さそうだなぁ。そういう風に気軽にスキンシップができるのは、女子同士ならではって感じだな。俺が三宅に対して同じようなことをしたら、しばらく口をきいてくれなくなりそうだ」
「今はまだ生徒会の仲間だもんな。ちなみに、普段は三宅さんと生徒会のこと以外で話したりすることはできているのか? メンバー全員のときだけれど、喫茶店ではみんなで楽しく話していたよね」
「ああ。生徒会のことだけじゃなくて、趣味とかについても話したことは何度もある。だから、三宅も俺の百合好きは知っているぞ」
「なるほど。趣味とかについて話せているのはいいね」
桜海大学に行くときの電車の中で鈴音さんと恋愛小説について熱く語り合っていたけど、三宅さんともそういうことがあったのかな。親友からみても、そのときの笑顔はとても素敵だった。
「じゃあ、三宅さんが羽村のことを嫌っている様子も見られないか?」
「基本的に明るい笑顔を見せてくれるし、嫌っていないと信じたいな。ただ、彼女に任せた仕事を終えたときにたまに疲れているように見えるときがあるから、仕事関係をきっかけに俺を嫌っている可能性は否めない。百合妄想もしているからなぁ。もちろん、仮にそうなら俺の責任だ」
生徒会関連は仕方ない部分もあるだろうけど、百合妄想は確実に羽村の責任だな。
「そうか。三宅さんとはたまにしか会ったことがないけど、会うときはいつも楽しそうに見えたよ。僕からみて……脈は十分にあるんじゃないかと思う。あとは、好きだというその気持ちをどう伝えるかなんじゃないかな」
咲希に告白の返事を待たせている僕が言える資格はないのかもしれないけど。
「つーちゃんと同じ意見だよ。部活を終えて下校するとき、たまに羽村君が陽乃ちゃんと一緒に帰っているところを見かけたことがあるけれど、2人とも楽しそうだったもん。美波もそう思うよね」
「そうね。2人は付き合っているんじゃないかと思っている子もいるかもしれない」
そうか、明日香や常盤さんは部活帰りで何度か見ているのか。僕はバイトもあったし基本的にはすぐに帰っちゃうからな。
「おお、朝霧や常盤までそう言ってくれると何だか心強いな」
すると、羽村は咲希のことをじっと見つめる。
「有村。いや、有村先生! どうか、この俺に愛の告白についてご教授頂けないでしょうか!」
「せ、先生? あたしが?」
「そうだ。転入早々の蓮見へのさりげない告白は見事だった。それに、前に通っていた高校では何度も告白されていたそうじゃないか。しかも、有村と俺の苗字には同じ『村』も入っているし、金言をもたらしてくれる予感がするんだ!」
「もう、羽村君ったら大げさだなぁ。そんなことないよ。買いかぶりすぎだって……」
照れちゃうなぁ、と咲希は胸を張りながら笑っている。漫画やアニメでも言葉と態度が合っていないっていうセリフをたまに見るけど、今の咲希のことを言うんだろうな。
「そうだね……ストレートに好きだって言うのが一番いいと思う。何度も告白されたことがあるけど、好きってシンプルに伝えてくれたときが一番グッときたし。だから、あたしも翼に素直に告白したんだよね……」
えへへっ、と咲希はデレデレした様子に。ここまで彼女がデレていると、全然恥ずかしくならないな。
「なるほど、告白はシンプルな方がいいんだな」
「そうだね」
「分かった。それで伝えるのは……やっぱり直接会って言った方がいいのか?」
「うん、直接の方がいいかな。メッセージで告白してくれた子もいたけれど、個人的には直接顔を見て、告白の言葉を口にしてくれた方が嬉しいかな。翼も……そう思う?」
「……そうだね」
鈴音さんも咲希も僕に直接好きだと告白してくれて、さすがにそのときはドキドキしたから。明日香が自分の想いを口にしてキスされたときも同様に。
「ありがとう、みんな。三宅とは生徒会として付き合いもあるし、勇気が出たら今日の放課後にでも告白するよ」
「頑張ってね、有村先生が応援してるぞ」
「頑張って、羽村君」
「放課後なら、明日香の隣で絵を描きながら応援してるよ」
「いい結果になることを祈ってるよ、羽村。どうなったかは……羽村が話したいタイミングで言ってくれていいから。もちろん、言わなくてもいいから」
「ああ、分かった。みんなありがとう」
2人が楽しそうに話している姿も見たこともあるし、三宅さんが誰かと付き合っているという話も聞いたこともない。だから、きっと羽村にチャンスはあるはずだ。いい結果になることを祈ろう。
それから程なくして、松雪先生がやってきて今週の学校生活がスタートするのであった。
羽村の相談したいことが、まさかこの次元での恋愛関連だとは。本当に驚きだ。とりあえず、何から訊けばいいだろうか。
「相手っていったい誰なの? 知り合いなの? どういう関係なの?」
「相手は羽村君のことをどう思っている感じ? 脈はありそうなの? そこら辺がどうなのか生徒会長らしくしっかりと答えてほしいな」
咲希と常盤さんは興味津々な様子で、次々と羽村に質問を叩きつける。それを見て明日香は苦笑い。それにしても、2人はよくそこまで訊きたいことが次々と浮かんでくるなぁ。ただ、2人が質問したことについては僕も知りたいところ。
「ははっ、一度にそこまでたくさん訊かれたら答えられないぞ。ちなみに、蓮見や朝霧は何が気になる?」
「羽村君が誰のことが好きなのか……かな。つーちゃんは?」
「僕も明日香と同じだよ。羽村はいったい誰が好きなんだ?」
「やっぱり、まずは誰が好きかだよな。転入して1ヶ月ほどの有村は知らないかもしれないけれど、生徒会の副会長をしている三宅陽乃だよ」
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「……そうか」
大好きなキャラクターについて話すとき以上の柔らかな笑みを見て、羽村という男は本当に恋をしているのだと分かった。
やっぱり、生徒会メンバーを好きになったんだな。三宅さんかぁ。彼は放課後になるとすぐに生徒会室に行き、生徒会の仕事をしているし。この前も生徒会メンバー全員でシー・ブロッサムに来店したときも、三宅さんとも楽しそうに談笑していたから。
「うん、必死に思い出そうとしたけど、三宅さんが誰なのかさっぱり分からない!」
そういうことを満面の笑みで言うとおバカさんに見えるよ、咲希。ただ、思い返せば、咲希が三宅さんを知るきっかけはなかったか。
「やっぱり有村は分からないか。確か、去年の生徒会選挙が終わって、今の生徒会メンバーになったときに撮影した集合写真が俺のスマホにあったと思う。ちょっと待ってくれ」
さすがに同じ生徒会メンバーの写真だと何枚かは持っているか。スマホを弄る羽村は嬉しそうだ。好きな人の写真が手元にあると……嬉しいか。
そういえば、鈴音さんもバイトを始めて少し経ったとき、僕のバイトの制服姿が似合っているという理由で、スマートフォンで写真撮影したいと言ったことがあったな。その頃は既に僕のことが好きだから、僕の写真を持っておきたかったのだろう。あぁ、咲希もそうだったか。
「あっ、これだ。有村、このサイドに黒髪を纏めている女子が三宅陽乃だよ」
「へえ、凄く可愛い子じゃない! 何だか、明るくて気さくな感じが伝わってくるな。実際にそうなのかは分からないけれど」
「凄いじゃないか! ご名答だよ、有村。三宅は明るくて気さくな……俺にとっては太陽のような存在だ。そんなところが大好きなんだ」
「物凄くスケールの大きい喩えだね! でも、太陽ならどこからでも見ることはできるし、温もりを与えてくれるよね。それだけ、羽村君が三宅さんのことを好きでたまらない気持ちは分かった」
「太陽って素敵な喩えだよね、さっちゃん」
大げさだなとは思ったけど、羽村にとって三宅さんはなくてはならない存在なのだと思った。きっと、彼女と生徒会の仕事を楽しくやっているんだろうな。
「まさか、羽村君が三次元女子を好きになって、その子のことを太陽って喩える日が来るとは思わなかったよ。でも、漫画やアニメのキャラクターの推し方が半端ないからそれも頷けるか……」
「ははっ、言ってくれるじゃないか、常盤。俺もまさか三次元の人に対して恋をするとは思わなかった。それだけでなく、恋人として付き合いたいとも考えるようになってな。それで蓮見達に相談しようと思ったんだ。特に有村は蓮見に告白していたし」
「あれは……まあ、そうだね。告白になっちゃうね。好きだって言ったもんね」
あははっ、と咲希は顔を赤くしながら微笑んでいる。きっと、転入してきたあの日のことだけじゃなくて、期末試験の勉強をしにやってきたときに初めてキスしたときのことも思い出しているのだろう。
「あれ? 何だか蓮見君まで頬が赤い気がするよ。まんざらでもなさそう。明日香、大丈夫なの?」
「ど、どうしてそこで私にそう言うの? つーちゃんは私にとって……一番付き合いの長い特別な幼なじみだから」
「……特別な幼なじみか。一歩前進って感じかな?」
「一歩前進、って……もう、みなみんったら」
顔を赤くしながら不機嫌な様子になっている明日香のことを、常盤さんは後ろから抱きしめて楽しそうにしている。特別な幼なじみと聞いて、咲希にキスされた直後に明日香から頬にキスされたことを思い出す。
「ははっ、2人は本当に仲が良さそうだなぁ。そういう風に気軽にスキンシップができるのは、女子同士ならではって感じだな。俺が三宅に対して同じようなことをしたら、しばらく口をきいてくれなくなりそうだ」
「今はまだ生徒会の仲間だもんな。ちなみに、普段は三宅さんと生徒会のこと以外で話したりすることはできているのか? メンバー全員のときだけれど、喫茶店ではみんなで楽しく話していたよね」
「ああ。生徒会のことだけじゃなくて、趣味とかについても話したことは何度もある。だから、三宅も俺の百合好きは知っているぞ」
「なるほど。趣味とかについて話せているのはいいね」
桜海大学に行くときの電車の中で鈴音さんと恋愛小説について熱く語り合っていたけど、三宅さんともそういうことがあったのかな。親友からみても、そのときの笑顔はとても素敵だった。
「じゃあ、三宅さんが羽村のことを嫌っている様子も見られないか?」
「基本的に明るい笑顔を見せてくれるし、嫌っていないと信じたいな。ただ、彼女に任せた仕事を終えたときにたまに疲れているように見えるときがあるから、仕事関係をきっかけに俺を嫌っている可能性は否めない。百合妄想もしているからなぁ。もちろん、仮にそうなら俺の責任だ」
生徒会関連は仕方ない部分もあるだろうけど、百合妄想は確実に羽村の責任だな。
「そうか。三宅さんとはたまにしか会ったことがないけど、会うときはいつも楽しそうに見えたよ。僕からみて……脈は十分にあるんじゃないかと思う。あとは、好きだというその気持ちをどう伝えるかなんじゃないかな」
咲希に告白の返事を待たせている僕が言える資格はないのかもしれないけど。
「つーちゃんと同じ意見だよ。部活を終えて下校するとき、たまに羽村君が陽乃ちゃんと一緒に帰っているところを見かけたことがあるけれど、2人とも楽しそうだったもん。美波もそう思うよね」
「そうね。2人は付き合っているんじゃないかと思っている子もいるかもしれない」
そうか、明日香や常盤さんは部活帰りで何度か見ているのか。僕はバイトもあったし基本的にはすぐに帰っちゃうからな。
「おお、朝霧や常盤までそう言ってくれると何だか心強いな」
すると、羽村は咲希のことをじっと見つめる。
「有村。いや、有村先生! どうか、この俺に愛の告白についてご教授頂けないでしょうか!」
「せ、先生? あたしが?」
「そうだ。転入早々の蓮見へのさりげない告白は見事だった。それに、前に通っていた高校では何度も告白されていたそうじゃないか。しかも、有村と俺の苗字には同じ『村』も入っているし、金言をもたらしてくれる予感がするんだ!」
「もう、羽村君ったら大げさだなぁ。そんなことないよ。買いかぶりすぎだって……」
照れちゃうなぁ、と咲希は胸を張りながら笑っている。漫画やアニメでも言葉と態度が合っていないっていうセリフをたまに見るけど、今の咲希のことを言うんだろうな。
「そうだね……ストレートに好きだって言うのが一番いいと思う。何度も告白されたことがあるけど、好きってシンプルに伝えてくれたときが一番グッときたし。だから、あたしも翼に素直に告白したんだよね……」
えへへっ、と咲希はデレデレした様子に。ここまで彼女がデレていると、全然恥ずかしくならないな。
「なるほど、告白はシンプルな方がいいんだな」
「そうだね」
「分かった。それで伝えるのは……やっぱり直接会って言った方がいいのか?」
「うん、直接の方がいいかな。メッセージで告白してくれた子もいたけれど、個人的には直接顔を見て、告白の言葉を口にしてくれた方が嬉しいかな。翼も……そう思う?」
「……そうだね」
鈴音さんも咲希も僕に直接好きだと告白してくれて、さすがにそのときはドキドキしたから。明日香が自分の想いを口にしてキスされたときも同様に。
「ありがとう、みんな。三宅とは生徒会として付き合いもあるし、勇気が出たら今日の放課後にでも告白するよ」
「頑張ってね、有村先生が応援してるぞ」
「頑張って、羽村君」
「放課後なら、明日香の隣で絵を描きながら応援してるよ」
「いい結果になることを祈ってるよ、羽村。どうなったかは……羽村が話したいタイミングで言ってくれていいから。もちろん、言わなくてもいいから」
「ああ、分かった。みんなありがとう」
2人が楽しそうに話している姿も見たこともあるし、三宅さんが誰かと付き合っているという話も聞いたこともない。だから、きっと羽村にチャンスはあるはずだ。いい結果になることを祈ろう。
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