ラストグリーン

桜庭かなめ

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第21話『深緑の園』

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 受験生ではあるものの、期末試験が終わり授業も午前中しかないと思うと気持ちはかなり楽だ。
 試験明け初日なのもって、今日の教科は全て試験が返却され、解説の時間となった。今日返却されたテストは全部90点以上で中には100点の教科も。普段よりもいいな。ただ、羽村は全教科100点でいつも通りだったけれど。

「本当に良かったぁ。翼や明日香のおかげだよ」

 今日の授業には、試験前に咲希が僕に教えてほしいと言った日本史もあった。今回の範囲は咲希にとって苦手な分野で不安がっていたけど、蓋を開ければ赤点どころか平均点よりも上回るほどの点数だった。日本史のテストが返却されてからはずっと表情が緩んでいた。本当に嬉しかったんだな。
 明日香や常盤さんも赤点の教科は今のところない。2人の場合は、回答欄をずらして書いてしまったくらいのミスがない限りは大丈夫だろう。
 あっという間に今日の授業が終わり、あとは終礼だけになったとき、
 ――プルルッ。
 うん、スマートフォンが鳴っているな。
 確認してみると、芽依からメッセージが1件届いたという通知が。何があったんだろう。財布を忘れたから昼食代を貸してとかかな。そんなことを考えながらメッセージを見てみると、

『お兄ちゃん、今日の放課後は予定とかってある?』

 意外と普通の内容だった。

『特にないよ。何か用でもあるの?』

 今朝、学校に行く前の芽依は普段と違うような様子は見られなかったし、何か急にやりたいことでも思いついたのかな。

『実は、今日の茶道部の活動にお兄ちゃんにも来てほしくて。咲希ちゃんとかが一緒でもいいよ! 午後2時過ぎからだから』

 茶道部の活動に参加してほしいってどういうことだ? 芽依が何を企んでいるのかは気になるけど、2時になれば分かることだし詳しく訊かなくてもいいか。

『分かった。2時過ぎに茶道室に行くね』

 今は12時40分くらいだから、終礼をやってお昼ご飯を食べて、ちょっとゆっくりと過ごせば2時くらいになるか。

「翼、終礼が終わったらどうする? すぐに家に帰るの? それとも、どこかでお昼ご飯食べる?」
「たった今、芽依から今日の茶道部の活動に参加してほしいって頼まれて。咲希も来ていいって言ってくれたんだけど、どうかな? 一緒に行く?」
「もちろん! 受験勉強はしなきゃだけど、特別な予定はないし。あと、芽依ちゃんが茶道部に入っているのを知ってから、一回はお抹茶を飲みたいなって思ってたの」
「そうなんだ。それって例のリストには書いてあるの?」
「書いてないよ。ただ、そうだね……それができたら日記みたいに書いてみようかな」
「それは素敵なことだね。分かった。じゃあ、一緒に行こうか」

 咲希は明日香や美波のようにどこにも部活に入っていなければ、羽村のように生徒会のメンバーでもない。これまでは僕のバイトがなければ、基本的に放課後は一緒に課題や受験勉強をしていた。

「明日香や美波はどうする? 茶道部の活動に行ってみる?」
「誘ってくれるのは嬉しいんだけれど、私達は美術部の活動もあるし、学園祭でも飲めるだろうからそのときにでも頂こうかな」
「明日香と同じく、また別の機会に。今日は2人で楽しんでおいで」
「うん、分かったよ」

 羽村は……生徒会の仕事もあるだろうし、三宅さんに告白するかもしれないし。誘わない方がいいのだろうか。でも、あいつは緑茶とかも好きだから、一応声をかけておくか。

「羽村。妹の芽依が今日の午後2時に茶道部に来てみないかって誘われたけど……どうする?」
「誘ってもらうのは有り難いが、今日から生徒会の仕事を再開させるからなぁ。気持ちだけ受け取っておくよ。それに俺には大切な用事があるからな」
「分かった。その……大切な用事については、羽村のペースでやればいいと思うぞ。……脚、ガクガク震えているし」

 終礼が終わったら生徒会室に行くんだもんな。今から緊張するのも無理はない。

「ははっ、これは武者震いってやつさ。決して緊張しているわけじゃないぞ、たぶん」
「……健闘を祈るよ」

 それが、大きな一歩を踏み出そうとしている親友に言える精一杯の言葉だった。あとは彼らにとっていい方向に進むことを祈るのみ。

「はーい、みんな席着いて。さっさと終礼しちゃうよー」

 その言葉通り、松雪先生は連絡事項と、今日返却された古典の試験が赤点だった生徒は、夏休みに特別課題が出るかもしれないから覚悟しろということを伝えてさっさと終礼を終わらせた。
 終礼が終わるとすぐに明日香と常盤さんは部活、羽村は生徒会室へと向かっていった。今日も咲希との放課後を過ごすことに。
 約束の午後2時まではまだ時間があるので、学校の近くにあるお蕎麦屋さんで昼食を取ることに。うちの生徒も多く利用するので、リーズナブルな値段で食べられる。しかも、学生証を見せれば大盛り無料。今日は午前中で終わったからか、既にうちの高校の生徒による行列ができていた。
 さすがは元水泳部だけあって、咲希は大盛りのざるそばをペロリと平らげた。そういえば、普段のお弁当も僕よりも量が多かった気がする。ちなみに、僕は普通盛りのざるそば。

「はぁ、美味しかった。高校の近くにこういうお店があるなんてね」
「気に入ってくれて良かったよ。今日みたいに午前で終わる日は、ここでお昼を食べて家に帰ることもあるんだ。そういえば、大盛りを食べて大丈夫だった?」
「うん。あたし、食べるのが大好きだから。あと、水泳をやったり、今でも早朝にランニングしたりしているからか、いくら食べても太らないんだよね」

 明日香や常盤さんが聞いたら羨ましがりそうな言葉だ。いや、咲希ほどの運動の習慣がなければ太らないと分かってがっかりしまうかな。ちなみに、これまでに何回か、彼女達からスイーツを食べ過ぎて太ってしまったと悩みを吐露されたことがある。

「さあ、学校に戻ったら茶道室に行こう!」
「そうだね」

 今は午後1時50分。約束は2時過ぎなので、茶道室へ直接行くことにしよう。
 学校に戻ると、放課後なのもあってか校舎の中は静かだ。帰宅部だからか、放課後の学校にいると非日常を味わっている気がする。咲希と一緒なので尚更。
 そんなことを考えながら、僕と咲希は茶道部の活動場所である茶道室へ。

「失礼します」
「あっ、お兄ちゃんに咲希ちゃん! いらっしゃい」
「蓮見君だけじゃなく咲希ちゃんも来たか。ようこそ、茶道室へ」

 茶道室の中には芽依と松雪先生の2人しかいなかった。芽依から茶道部の友人や先輩の話も聞くから、他にも部員がいるはずなんだけど。

「里奈先生、茶道部って芽依ちゃんしかいないんですか?」
「他にも部員はいるよ。10人もいない小さな部活だけけれどね。ただ、今日は蓮見兄妹のためにこういう時間を設けたんだ」
「芽依と僕のためにですか?」
「……うん。お兄ちゃん、喫茶店でのバイトを先月末で終わったから、お疲れ様って意味を込めてお抹茶を点てたいと思って。先輩方と先生に頼んで教えてもらって。ただ、期末試験もあったから、試験明けのこの時期に招待しました」
「そうだったんだね」

 嬉しくて泣きたいんだけれど。僕の妹半端ないって。これまでそんな雰囲気を全然出していなかったし。そんなのできないって、普通。これで、芽依の点てたお抹茶を飲んだら僕はどうなってしまうんだろう。

「芽依ちゃんは1年生だから、まずは作法やマナーの基本について勉強をしているんだよ。そんな中、芽依ちゃんから例の話を聞いて、彼女にとって最初の目標にしたんだ。時期としてもいいし、誰かのためにお抹茶を点てたいと気持ちが、茶道を学ぶのには一番いいことだからね」
「そういうことだったんですね。全然気付きませんでした」
「芽依ちゃんいい子ね。芽依ちゃんのことをより妹にしたくなるよ。どうせ、翼はそんなのダメだって言うから、ここは翼と結婚して芽依ちゃんを義理の妹にしよう。うん、いい考えだね」
「咲希ちゃん、茶道室で求婚は止めてくれないか。目の前でそんなのを見せつけられたら、色々な意味で先生の胸が締め付けられるんだよ」
「ふふっ、これはすみません」

 さりげなくて爽やかな求婚だったけれど、それでも松雪先生にとっては複雑な心境になってしまうのか。担任3年目にして、先生の心の内を知ることが多くなってきた気がする。

「さっ、お兄ちゃん、咲希ちゃん。こちらにどうぞ」

 僕と咲希は芽依と向かい合うようにして座布団に座る。
 そして、芽依は松雪先生に見守られながらお抹茶を点て始める。
 僕が素人だからかもしれないけど、芽依がお抹茶を点てる姿は凛としており、美しく思える。妹だからか、これまで子供っぽく思えた彼女が大人の女性にも見えて。これも普段からの練習の賜物なのだろう。

「できました」
「……うん。いいね」
「良かった。お兄ちゃん、どうぞ。2年以上のバイトお疲れ様でした」
「ありがとう。いただきます」

 芽依が点ててくれたお抹茶を僕は一口飲む。抹茶の苦味や渋味が口の中に広がってくる。コクもあるので味わい深くもあって。気持ちが落ち着くな。

「うん、美味しい。ありがとう、芽依」

 お抹茶も美味しいし、芽依の気持ちも嬉しいし……このままだと涙が出そうなので必死に堪える。そんな中で抹茶を全部飲み干した。

「……良かった。はぁ、緊張したぁ」
「頑張って練習したもんね、芽依ちゃん。ただ、今日のお客様はもう1人いるよ。咲希ちゃんにもお茶を点ててみようか」
「はい!」

 芽依は咲希の分の抹茶を点てる。こうして改めて見てみると、まだ入部して3ヶ月くらいしか経っていないとは信じられないな。

「咲希ちゃん、どうぞ」
「ありがとう、芽依ちゃん。では、いただきます」

 咲希はお抹茶を口に含むとゆっくりと目を瞑った。お抹茶の味を堪能するためなのだろうか。ただし、なかなか笑顔が見えない。

「何だか……苦味や渋味があって大人の味って感じだね。これを美味しいと思った翼はとても大人だと思う」
「僕はブラックコーヒーも好きだし、苦いものも嫌いじゃないからね」

 そんな僕も小さい頃は苦手だったので、そう考えると大人になったのかな。

「渋味や苦味が苦手だと咲希ちゃんみたいな反応になるかもね。そうだ、落雁らくがんっていう甘いお菓子があるから、それを食べてから飲めばまた違った印象になるかも。先生も忘れていたよ」

 松雪先生は棚から何やら白いおかきのようなものが入っている袋を取り出す。あれが落雁なのかな。

「はい、どうぞ」

 落雁を一つ食べてみる。優しい甘味だな。

「これ美味しい!」

 咲希、落雁をパクパク食べているよ。大盛りのおそばを食べてからあまり時間が経っていないのに。甘いものは別腹ってやつかな。
 咲希は再び抹茶を飲む。

「……うん。さっきより美味しく感じます!」
「そう言ってくれて良かった。芽依ちゃん、大成功だね」
「はい! これからも頑張ります!」

 芽依、とても嬉しそうだ。今日を目標に芽依が頑張って練習したと思うと……ううっ、今度こそ本当に泣いてしまいそう。

「ねえ、蓮見君、咲希ちゃん。急に話題が変わっちゃうんだけれど、今日の羽村君の様子が普段と違った気がするの。何か心当たりはないかな」

 本当に話題が突然変わったな。ただ、1年生のときからずっと担任をしているだけあって、羽村の様子が普段と違うことに気付いていたのか。しかし、恋バナなので先生の心を乱してしまう恐れがある。言うべきか言わざるべきか。

「翼、言った方がいいかな?」
「……何か心当たりがあるんだね。さあ、言ってごらんなさい、咲希ちゃん。正直に話してくれれば先生、絶対に怒らないから」
「それ、指折りに信用できない言葉ですよね。小さい頃に学びました」
「そういうことを言うと普通に怒っちゃうぞ」

 咲希の肩を強く掴んでいる。既に怒っているじゃないか。きっと、咲希の言ったことは正しいと思う。

「……僕から説明しますよ。ただ、彼のためにも口外しないと約束してください。芽依もね」
「分かったよ、お兄ちゃん」
「約束するわ。それで、どんなことなの?」

 羽村が副会長の三宅さんが好きであることや、近いうちに想いを伝えようと考えていることを松雪先生と芽依に話す。

「へえ、二次元大好きな羽村さんが副会長さんのことを……」
「それで、終礼のときにいつになく脚を激しく震わせていたのね。恋かぁ……いいなぁ。若いなぁ……」

 そう言って、松雪先生は深くため息をしている。いくつになっても恋はできると思っているけど、27歳になるとそうは思えなくなるのかな。
 あと、先生は脚を震わせていたことで羽村の異変に気付いたのか。あのときは誰も指摘しなかったけれど、大半のクラスメイトは羽村に何かあったと思っていそうだ。

「といっても、そういう感情を抱くようになる子もいるのが学校っていう場所だと思ってる。羽村君や三宅さんが幸せになれる展開になれば、教師として嬉しく思うよ。実際にそうなったら蓮見君達も祝ってあげなさい」
「ええ」
「本当ならこっそりと見に行くところだけれど、蓮見君の言葉に免じてそっとしておくことにするよ。2人はクラスメイトとして羽村君のことを見守ってあげてね」
「分かりました」

 良かった、先生がヤケになって暴走することがなさそうで。
 早ければ、もう羽村は三宅さんに想いを伝えていることだろう。どうなったのか気にはなるけれど、こちらからは訊かないことにしている。
 僕と咲希は茶道室を出ると生徒会室の方に行くことはせず、すぐに校舎を後にする。


 しかし、今日のうちに羽村からは一切の連絡を受けなかったのであった。
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