22 / 118
本編
第21話『猫の恩返し』
しおりを挟む
あれから、両親と姉さんにも沙奈会長が元気になったことを確認してもらった。みんな会長の体調が良くなって安堵の笑みを浮かべていた。ちなみに、会長の体調が良くなっていなかったら、昼前に連絡して会長の親御さんに迎えに来てもらうつもりだったらしい。
会長も元気になって心配もなくなったこともあり、俺の両親は久々のデートをすることになった。昨日の俺と会長が2人でお見舞いに行ったことに影響されたそうで。
「とても仲のいい御両親ね」
「ええ。高校で同じクラスになったのが出会いのきっかけで、父さんの告白をきっかけに付き合い始めてからずっとあんな感じらしくて。今でも、定期的に休日には2人きりでデートをするんです」
たまに喧嘩はするけれど、大抵は2、3日で仲直りする。俺の知っている限りでは離婚の危機になったことはない。
「なるほどね。まるで将来の私達を見ているようじゃない?」
「会長の頭の中ではそうかもしれませんね」
俺がそう答えると、沙奈会長は不機嫌そうに頬を膨らませている。
「……何か、段々と私のことを適当にあしらうようになってないかな?」
「そんなことないですって」
今の言葉だって想定内だったし、正面から反論しても懲りずにまた言うだろうから、適当な言葉を返した方が無難だと思って。
「それにしても、沙奈ちゃん良かったね。体調が良くなって」
「はい。玲人君が優しくしてくれたからだと思います」
沙奈会長はデレデレしている。
猫のように甘えさせたことを機に治ったみたいだけれど……もしかして、精神的なことが原因で体調を崩していたのかな。さっきみたいに冷たく接するのは控えた方がいいかもしれない。
「あっ、そうだ。お礼に私がお昼ご飯を作りますよ!」
「気持ちは嬉しいけれど、大丈夫なの? 病み上がりで……」
「大丈夫ですって。それに、朝ご飯は玲人君がお粥を作ってくれたので、今度は私が作りたい気分なんです。何か食べたいものはありますか?」
「甘いもの!」
姉さんは即答した。今朝は和風の朝食だったので甘いものもいいけれど、それでは間食になってしまうような。
「玲人君はどうかな?」
「甘いものがいいよね、玲人」
「……まあ、たまには甘いものがお昼ご飯っていうのもいいかな。じゃあ、俺も甘いものがいいです」
「分かったわ。じゃあ、ホットケーキミックスってある? パンケーキを作ろうかなって思っているんだけれど」
「そうですか。ホットケーキミックスは確か……」
思い当たるところを探してみると、未開封のホットケーキミックスがいくつもあった。
「これでいいですか?」
「うん、ありがとう。じゃあ、これを使ってパンケーキを作るよ」
「あたしも手伝うよ」
「ありがとうございます」
寝間着のままだったので会長は一旦、俺の部屋に戻った。料理ができるくらいに元気になって本当に良かったよ。ただ、料理中に体調を崩してしまうかもしれないので、俺も台所で見守ることにしよう。
そんなことを考えていると、ロングスカートに長袖のTシャツというラフな恰好をした会長が戻ってきた。ただし、
「どうしてそれを付けているんですか」
「鶴の恩返しならぬ猫の恩返しだよ」
頭には猫耳のカチューシャを付けていた。俺が猫みたいに甘えさせたことがそんなにも嬉しかったのかな。しかも、ウサギ耳のカチューシャとオオカミ耳のカチューシャを持っているし。俺や姉さんに付けさせる気か?
「うわあ、沙奈ちゃん、可愛い猫耳だね!」
「私達だけしかいませんし、せっかくですから。元々は玲人君に付けてもらおうかなと思って持ってきたんですけど」
「そうなんだ。あたし、ウサギがいい!」
さっそく姉さんはウサギ耳のカチューシャを付けて楽しんでいる。こうして一緒にいるところを見ると、会長の方が年上の女性に見えてくるな。2人とも可愛いけれど。
「はい、玲人君は今日もオオカミさんね。あと、料理中の私のことを襲ってもいいから」
やっぱり、俺もカチューシャを付けられてしまった。あと、料理にちょっかいとかを出すのは危険だから、会長に何かするつもりは全くない。
「玲人も似合ってるね」
姉さんにスマートフォンで写真を撮られてしまう。一匹狼みたいだっていう声もあるくらいだから、このオオカミ耳はお似合いなのかもしれない。
沙奈会長は姉さんと一緒にお昼ご飯のパンケーキを作り始める。
猫耳カチューシャやウサギ耳カチューシャをしているエプロン姿の女性達を、オオカミ耳のカチューシャを付けた俺が見守っている……という今の光景を第三者が見たらどう思うだろうか。俺が2人に料理させているように見えるのかな。
「こんな感じでやればいい?」
「はい、上手ですよ」
こうして家の台所に生徒会長が立っているなんて、先週の日曜日には想像もできなかったな。思えば、この1週間で高校生活ががらりと変わった気がする。沙奈会長絡みのことが盛りだくさんだった。
「あっ、沙奈会長。ケガしないように気を付けてくださいね。ケーキの生地に血が入っているのはさすがに……」
「大丈夫だって、たぶん」
「どの料理でもうっかりと血が入っちゃったら、それは食べさせないでしょ」
姉さんはそう言ってくれるけれど、血入りのハンバーグを実際に食べた人間がここにいるんだよな。
沙奈会長は血入りのハンバーグを食べたことを知った際に結婚するしかないと言ってくる人なので、今回も同じようなことをしてくるかもしれない。
「ケーキ作りに包丁は使わないから血は入らないって、玲人君」
「……鼻血の可能性があるじゃないですか」
「そうだね。この前も鼻血だったもんね。万が一、鼻血が出ても今日は近くに玲人君やお姉様がいるから大丈夫だよ」
本当に鼻血が出たら全力で止めに行かないと。
その後も2人のことを見守っていくと、段々と甘い匂いがしてきた。もう少しでパンケーキができあがるのかな。
会長がパンケーキを焼いている横で、姉さんが野菜を切っていた。間食ではなく昼食なのでサラダでも作っているんだろう。以前、姉さんはあまり料理ができなかったけれど、1人暮らしをしているときは自炊をしていたそうなので、そのときに培った実力が発揮されているようだ。
「パンケーキ、出来上がり!」
「生野菜のサラダも作ったよ」
正午過ぎにお昼ご飯のパンケーキと生野菜サラダができあがった。2枚に重なったパンケーキの上には溶け始めているバターが乗っており、ハチミツもかかっている。正直、昼食にパンケーキってどうなのかなって思ったけれど、実際にこうして目の前に出されると食欲がとても湧いてくる。
昨日の夕ご飯では俺の隣に座っていたけれど、今回は俺と向かい合うようにして姉さんの隣の椅子に座った。
「美味しそうにできたね、沙奈ちゃん」
「はい! それじゃ、さっそく食べましょうか。いただきます!」
『いただきます!』
血や涎などが入っていないことを祈りつつ、俺はパンケーキを一口食べる。
「うん、美味しいですよ」
温かいこともあってパンケーキの甘さが口の中に優しく広がっていく。バターの塩っ気とハチミツの甘さが見事に融合していて、美味しいという言葉以外に思いつかないくらいに美味しい。ちなみに、血の味や匂いは全くしなかった。
「良かった、美味しくできて。お姉様はどうですか?」
「凄く美味しいよ。これなら2枚どころか5枚くらいは余裕で食べられる」
姉さんは甘いものに関しては大食いだから5枚くらいいけそうな気がする。もしかしたら、3人の中では俺が一番小食かもしれない。
「ふふっ、そうですか。パンケーキだけだとさすがにキツいので、このサラダがちょうどいいですね」
「おやつじゃなくてお昼ご飯だからね。野菜もしっかり食べないと」
「姉さんのサラダがあるから、パンケーキをより美味しく食べられるのかもね」
正直、パンケーキを侮っていた。まだ1枚目の半分くらいしか食べていないけれど、着実に胃に溜まってきている。結構甘いのでたまにサラダで口直しをしないとキツい。
「いやー、たまにはこういうお昼ご飯もいいね。みんなで動物の耳のカチューシャを付けて甘いものを食べるのも」
そう言ってパンケーキを食べている姉さんは中学生くらいにしか見えない。甘いものはともかく、カチューシャを付けながらの食事は年に1度くらいでいいよ。
「パンケーキ美味しい」
「美味しいですよね。今の会長を見ていると、今朝の体調不良が嘘のようですよ」
「……嬉しいことがあると、急に体調が良くなることってあるじゃない。病は気からって言うし」
「じゃあ、今回の体調不良は精神的なものだったんですか?」
「う~ん、生徒会の仕事での疲れが溜まったことと、玲人君にもっと甘えたいっていう欲望からかな?」
「……そうですか」
それなら、猫を扱うように甘えさせたことで体調が良くなったのも頷けるかな。疲れはまだ残っているかもしれないけれど、この後もゆっくりすれば大丈夫そうだ。
「玲人君、あ~ん」
「今日もですか」
「沙奈ちゃんだけずるい。あたしもやる! 玲人、あ~ん」
「……はいはい」
沙奈会長と姉さんにパンケーキを食べさせられたこともあって、結局、俺はパンケーキを2枚よりも多く食べたことになり、昼食の後、しばらく動けなかったのであった。
会長も元気になって心配もなくなったこともあり、俺の両親は久々のデートをすることになった。昨日の俺と会長が2人でお見舞いに行ったことに影響されたそうで。
「とても仲のいい御両親ね」
「ええ。高校で同じクラスになったのが出会いのきっかけで、父さんの告白をきっかけに付き合い始めてからずっとあんな感じらしくて。今でも、定期的に休日には2人きりでデートをするんです」
たまに喧嘩はするけれど、大抵は2、3日で仲直りする。俺の知っている限りでは離婚の危機になったことはない。
「なるほどね。まるで将来の私達を見ているようじゃない?」
「会長の頭の中ではそうかもしれませんね」
俺がそう答えると、沙奈会長は不機嫌そうに頬を膨らませている。
「……何か、段々と私のことを適当にあしらうようになってないかな?」
「そんなことないですって」
今の言葉だって想定内だったし、正面から反論しても懲りずにまた言うだろうから、適当な言葉を返した方が無難だと思って。
「それにしても、沙奈ちゃん良かったね。体調が良くなって」
「はい。玲人君が優しくしてくれたからだと思います」
沙奈会長はデレデレしている。
猫のように甘えさせたことを機に治ったみたいだけれど……もしかして、精神的なことが原因で体調を崩していたのかな。さっきみたいに冷たく接するのは控えた方がいいかもしれない。
「あっ、そうだ。お礼に私がお昼ご飯を作りますよ!」
「気持ちは嬉しいけれど、大丈夫なの? 病み上がりで……」
「大丈夫ですって。それに、朝ご飯は玲人君がお粥を作ってくれたので、今度は私が作りたい気分なんです。何か食べたいものはありますか?」
「甘いもの!」
姉さんは即答した。今朝は和風の朝食だったので甘いものもいいけれど、それでは間食になってしまうような。
「玲人君はどうかな?」
「甘いものがいいよね、玲人」
「……まあ、たまには甘いものがお昼ご飯っていうのもいいかな。じゃあ、俺も甘いものがいいです」
「分かったわ。じゃあ、ホットケーキミックスってある? パンケーキを作ろうかなって思っているんだけれど」
「そうですか。ホットケーキミックスは確か……」
思い当たるところを探してみると、未開封のホットケーキミックスがいくつもあった。
「これでいいですか?」
「うん、ありがとう。じゃあ、これを使ってパンケーキを作るよ」
「あたしも手伝うよ」
「ありがとうございます」
寝間着のままだったので会長は一旦、俺の部屋に戻った。料理ができるくらいに元気になって本当に良かったよ。ただ、料理中に体調を崩してしまうかもしれないので、俺も台所で見守ることにしよう。
そんなことを考えていると、ロングスカートに長袖のTシャツというラフな恰好をした会長が戻ってきた。ただし、
「どうしてそれを付けているんですか」
「鶴の恩返しならぬ猫の恩返しだよ」
頭には猫耳のカチューシャを付けていた。俺が猫みたいに甘えさせたことがそんなにも嬉しかったのかな。しかも、ウサギ耳のカチューシャとオオカミ耳のカチューシャを持っているし。俺や姉さんに付けさせる気か?
「うわあ、沙奈ちゃん、可愛い猫耳だね!」
「私達だけしかいませんし、せっかくですから。元々は玲人君に付けてもらおうかなと思って持ってきたんですけど」
「そうなんだ。あたし、ウサギがいい!」
さっそく姉さんはウサギ耳のカチューシャを付けて楽しんでいる。こうして一緒にいるところを見ると、会長の方が年上の女性に見えてくるな。2人とも可愛いけれど。
「はい、玲人君は今日もオオカミさんね。あと、料理中の私のことを襲ってもいいから」
やっぱり、俺もカチューシャを付けられてしまった。あと、料理にちょっかいとかを出すのは危険だから、会長に何かするつもりは全くない。
「玲人も似合ってるね」
姉さんにスマートフォンで写真を撮られてしまう。一匹狼みたいだっていう声もあるくらいだから、このオオカミ耳はお似合いなのかもしれない。
沙奈会長は姉さんと一緒にお昼ご飯のパンケーキを作り始める。
猫耳カチューシャやウサギ耳カチューシャをしているエプロン姿の女性達を、オオカミ耳のカチューシャを付けた俺が見守っている……という今の光景を第三者が見たらどう思うだろうか。俺が2人に料理させているように見えるのかな。
「こんな感じでやればいい?」
「はい、上手ですよ」
こうして家の台所に生徒会長が立っているなんて、先週の日曜日には想像もできなかったな。思えば、この1週間で高校生活ががらりと変わった気がする。沙奈会長絡みのことが盛りだくさんだった。
「あっ、沙奈会長。ケガしないように気を付けてくださいね。ケーキの生地に血が入っているのはさすがに……」
「大丈夫だって、たぶん」
「どの料理でもうっかりと血が入っちゃったら、それは食べさせないでしょ」
姉さんはそう言ってくれるけれど、血入りのハンバーグを実際に食べた人間がここにいるんだよな。
沙奈会長は血入りのハンバーグを食べたことを知った際に結婚するしかないと言ってくる人なので、今回も同じようなことをしてくるかもしれない。
「ケーキ作りに包丁は使わないから血は入らないって、玲人君」
「……鼻血の可能性があるじゃないですか」
「そうだね。この前も鼻血だったもんね。万が一、鼻血が出ても今日は近くに玲人君やお姉様がいるから大丈夫だよ」
本当に鼻血が出たら全力で止めに行かないと。
その後も2人のことを見守っていくと、段々と甘い匂いがしてきた。もう少しでパンケーキができあがるのかな。
会長がパンケーキを焼いている横で、姉さんが野菜を切っていた。間食ではなく昼食なのでサラダでも作っているんだろう。以前、姉さんはあまり料理ができなかったけれど、1人暮らしをしているときは自炊をしていたそうなので、そのときに培った実力が発揮されているようだ。
「パンケーキ、出来上がり!」
「生野菜のサラダも作ったよ」
正午過ぎにお昼ご飯のパンケーキと生野菜サラダができあがった。2枚に重なったパンケーキの上には溶け始めているバターが乗っており、ハチミツもかかっている。正直、昼食にパンケーキってどうなのかなって思ったけれど、実際にこうして目の前に出されると食欲がとても湧いてくる。
昨日の夕ご飯では俺の隣に座っていたけれど、今回は俺と向かい合うようにして姉さんの隣の椅子に座った。
「美味しそうにできたね、沙奈ちゃん」
「はい! それじゃ、さっそく食べましょうか。いただきます!」
『いただきます!』
血や涎などが入っていないことを祈りつつ、俺はパンケーキを一口食べる。
「うん、美味しいですよ」
温かいこともあってパンケーキの甘さが口の中に優しく広がっていく。バターの塩っ気とハチミツの甘さが見事に融合していて、美味しいという言葉以外に思いつかないくらいに美味しい。ちなみに、血の味や匂いは全くしなかった。
「良かった、美味しくできて。お姉様はどうですか?」
「凄く美味しいよ。これなら2枚どころか5枚くらいは余裕で食べられる」
姉さんは甘いものに関しては大食いだから5枚くらいいけそうな気がする。もしかしたら、3人の中では俺が一番小食かもしれない。
「ふふっ、そうですか。パンケーキだけだとさすがにキツいので、このサラダがちょうどいいですね」
「おやつじゃなくてお昼ご飯だからね。野菜もしっかり食べないと」
「姉さんのサラダがあるから、パンケーキをより美味しく食べられるのかもね」
正直、パンケーキを侮っていた。まだ1枚目の半分くらいしか食べていないけれど、着実に胃に溜まってきている。結構甘いのでたまにサラダで口直しをしないとキツい。
「いやー、たまにはこういうお昼ご飯もいいね。みんなで動物の耳のカチューシャを付けて甘いものを食べるのも」
そう言ってパンケーキを食べている姉さんは中学生くらいにしか見えない。甘いものはともかく、カチューシャを付けながらの食事は年に1度くらいでいいよ。
「パンケーキ美味しい」
「美味しいですよね。今の会長を見ていると、今朝の体調不良が嘘のようですよ」
「……嬉しいことがあると、急に体調が良くなることってあるじゃない。病は気からって言うし」
「じゃあ、今回の体調不良は精神的なものだったんですか?」
「う~ん、生徒会の仕事での疲れが溜まったことと、玲人君にもっと甘えたいっていう欲望からかな?」
「……そうですか」
それなら、猫を扱うように甘えさせたことで体調が良くなったのも頷けるかな。疲れはまだ残っているかもしれないけれど、この後もゆっくりすれば大丈夫そうだ。
「玲人君、あ~ん」
「今日もですか」
「沙奈ちゃんだけずるい。あたしもやる! 玲人、あ~ん」
「……はいはい」
沙奈会長と姉さんにパンケーキを食べさせられたこともあって、結局、俺はパンケーキを2枚よりも多く食べたことになり、昼食の後、しばらく動けなかったのであった。
1
あなたにおすすめの小説
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる