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03 新しい棲みか
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(くそ、くそ……本当に、俺はこのまま死ぬのか……)
一瞬飛ばしたグレンの意識が戻った時、スライムは下半身周りの動きの激しさに加えて、口周りも執拗に這いずっていた。考えたくはないが、どうやら自分は吐いたらしい。
多量の水分を失ったからか、視界はぼんやりしている。もう力も入らない。それでも死にたくはないとグレンが弱々しく手を動かすと、何か少し硬いものに手が触れた。
(核だ――!)
スライムは体液を摂取する事に夢中で、グレンが核に気付いている事に気付いていない。幸いに魔力だけは多少回復してきている。この状態で火の魔術を使えば火傷をしてしまうかもしれないが、このまま搾り取られて死ぬよりずっといい。
(くたばれ……!)
最後の気力と魔力を振り絞り、グレンは核に触れて火の魔術を展開した。大きな爆ぜ音が響き、魔術の衝撃でグレンの身体が宙に浮く。スライムの身体は爆散し、でろりと崩れ落ちた。その上にグレンも落ちて滑り、しこたま床で全身を打つ。
だが、スライムが形を失ったという事は、上手く核を壊す事が出来たという事だ。身体はあちこち痛むが解放された、死なずに済んだという喜びで心の中はいっぱいだった。
(やった……! 助かった! ……!? くそ、まだ……)
そんな喜びに水を差すように孔の中でぐにょりと動くものがいる。グレンは内心で舌打ちしながら自らの孔に指を入れる。決して細くはない指が3本も余裕で入るのは、何とも情けない気持ちだったが、これは核もない残党のようなものだ。これさえ始末すればとグレンは力を振り絞って起き上がる。
「んっ……! ふ、ぅ……ぅ……あっ……!」
ぬるぬると体内で滑るスライムに、何とか爪を立てて掴み、ずるりと引っ張り出す。排泄の解放感に上乗せされた快楽に、グレンは達して倒れる。もう精液はろくに出ていない。掃除や片付けをしなくてはいけないが、もう指一本すら動かすことが出来ない。濡れた下肢も何もかもそのままに、グレンは意識を失っていった。
翌朝、普段どおりの時間に目が覚めたグレンは、規則正しい自分の体内時計を呪った。目が覚めたところで体力も気力も魔力も何一つ回復していない。中途半端に目が覚めた事で、粘液にまみれた自分の身体の不快さに気付いてしまえば、二度寝もできない。
グレンはずりずりと死にかけのスライムのように、粘液で床に線を引きながら、魔法鞄まで這い、回復薬を取り出して飲んだ。色んな体液を出して取られて喉が乾いていたのか、普段は飲むのに苦労する程度に美味しくない回復薬だが、今日は一気に飲めた。回復薬のお陰で冷えた身体がじわじわ温まっていく。
何とか動けるようになる頃には、すっかり陽は昇っていて、部屋は飛び散ったスライムの破片や粘液でぬらぬらと輝いている。そのありがたくない輝きに、グレンは盛大な溜め息を吐いて部屋の掃除を始めた。
(ギルドに行ったら食事をとって、今日はもう休もう)
掃除が終わった後、しっかり身体を洗って温かい湯船に浸かり、心も身体も解されたグレンは、魔物に犯されるなんて、酷い災難だと少し泣いた。元々安い新人引率の報酬が上がったところで、回復薬を使って一日休みを取ったら正直赤字だ。グレンはそちらの意味でも泣いていた。生理的な涙以外で泣くのなんていつぶりだろうかと、思い切り溜め息を吐き、誤魔化すように顔をごしごしと洗って、しばらく湯船にぼんやりと浸かっていた。
風呂で身体を洗って泣いてさっぱりしたグレンは、怠い身体に鞭打って、報酬の精算をするためにギルドへと向かった。
太陽は頭の真上に来ており、街は昼食時だ。よく考えたら昨日の昼から何も腹に入れていない。報告の補足が済んだら、赤字ついでに、ぱぁっと美味しい消えものに報酬を注ぎ込んで、あんな最悪なスライムの事は忘れようそうしよう。グレンはそう心に決めた。
そう決めたなら善は急げ。ギルドに到着してまっすぐ受付に向かい、新人引率の報酬を受け取る。
「先日のダンジョンにいたスライムは、とても初心者向けダンジョンにいていい奴じゃなかったぞ。発生原因を――――」
「はぁ」
増えたとはいってもやっぱり報酬は安いなと改めて思いながらも、昨日のスライムのような魔物が再び発生してはいけない。
そう考えた真面目なグレンが、ギルドの職員に再度念押しをしようとしたその時だった。
「――――ッ!」
腹の奥で何かが蠢く。グレンの身体はその強烈な刺激に跳ね、受付に倒れ込んだ。
「――グレンさん! 大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ……大丈夫……まだ疲れてんのかな……」
「ダンジョンの方は原因調査をしますから、グレンさんはお休みください」
「あ、あぁ……ありがとう。言葉に甘えるよ」
心配そうなギルド職員に礼を言って報酬を受け取り、グレンはふらつきながらギルドを後にした。ギルドでの用は済んだ。次は昼食のつもりだった。しかし今のグレンはそれどころではなかった。
嘘だろ……まだ挿入ってる。
胎の奥の奥、上からそっと押さえると確かにいる。
何故、どうして。
グレンの背中を冷や汗が伝う。しかし身体は強制的に覚えさせられた快楽を思い出し、内側から火照り始める。
昨日の戦いはまだ、始まりでしかなかったのだ。
一瞬飛ばしたグレンの意識が戻った時、スライムは下半身周りの動きの激しさに加えて、口周りも執拗に這いずっていた。考えたくはないが、どうやら自分は吐いたらしい。
多量の水分を失ったからか、視界はぼんやりしている。もう力も入らない。それでも死にたくはないとグレンが弱々しく手を動かすと、何か少し硬いものに手が触れた。
(核だ――!)
スライムは体液を摂取する事に夢中で、グレンが核に気付いている事に気付いていない。幸いに魔力だけは多少回復してきている。この状態で火の魔術を使えば火傷をしてしまうかもしれないが、このまま搾り取られて死ぬよりずっといい。
(くたばれ……!)
最後の気力と魔力を振り絞り、グレンは核に触れて火の魔術を展開した。大きな爆ぜ音が響き、魔術の衝撃でグレンの身体が宙に浮く。スライムの身体は爆散し、でろりと崩れ落ちた。その上にグレンも落ちて滑り、しこたま床で全身を打つ。
だが、スライムが形を失ったという事は、上手く核を壊す事が出来たという事だ。身体はあちこち痛むが解放された、死なずに済んだという喜びで心の中はいっぱいだった。
(やった……! 助かった! ……!? くそ、まだ……)
そんな喜びに水を差すように孔の中でぐにょりと動くものがいる。グレンは内心で舌打ちしながら自らの孔に指を入れる。決して細くはない指が3本も余裕で入るのは、何とも情けない気持ちだったが、これは核もない残党のようなものだ。これさえ始末すればとグレンは力を振り絞って起き上がる。
「んっ……! ふ、ぅ……ぅ……あっ……!」
ぬるぬると体内で滑るスライムに、何とか爪を立てて掴み、ずるりと引っ張り出す。排泄の解放感に上乗せされた快楽に、グレンは達して倒れる。もう精液はろくに出ていない。掃除や片付けをしなくてはいけないが、もう指一本すら動かすことが出来ない。濡れた下肢も何もかもそのままに、グレンは意識を失っていった。
翌朝、普段どおりの時間に目が覚めたグレンは、規則正しい自分の体内時計を呪った。目が覚めたところで体力も気力も魔力も何一つ回復していない。中途半端に目が覚めた事で、粘液にまみれた自分の身体の不快さに気付いてしまえば、二度寝もできない。
グレンはずりずりと死にかけのスライムのように、粘液で床に線を引きながら、魔法鞄まで這い、回復薬を取り出して飲んだ。色んな体液を出して取られて喉が乾いていたのか、普段は飲むのに苦労する程度に美味しくない回復薬だが、今日は一気に飲めた。回復薬のお陰で冷えた身体がじわじわ温まっていく。
何とか動けるようになる頃には、すっかり陽は昇っていて、部屋は飛び散ったスライムの破片や粘液でぬらぬらと輝いている。そのありがたくない輝きに、グレンは盛大な溜め息を吐いて部屋の掃除を始めた。
(ギルドに行ったら食事をとって、今日はもう休もう)
掃除が終わった後、しっかり身体を洗って温かい湯船に浸かり、心も身体も解されたグレンは、魔物に犯されるなんて、酷い災難だと少し泣いた。元々安い新人引率の報酬が上がったところで、回復薬を使って一日休みを取ったら正直赤字だ。グレンはそちらの意味でも泣いていた。生理的な涙以外で泣くのなんていつぶりだろうかと、思い切り溜め息を吐き、誤魔化すように顔をごしごしと洗って、しばらく湯船にぼんやりと浸かっていた。
風呂で身体を洗って泣いてさっぱりしたグレンは、怠い身体に鞭打って、報酬の精算をするためにギルドへと向かった。
太陽は頭の真上に来ており、街は昼食時だ。よく考えたら昨日の昼から何も腹に入れていない。報告の補足が済んだら、赤字ついでに、ぱぁっと美味しい消えものに報酬を注ぎ込んで、あんな最悪なスライムの事は忘れようそうしよう。グレンはそう心に決めた。
そう決めたなら善は急げ。ギルドに到着してまっすぐ受付に向かい、新人引率の報酬を受け取る。
「先日のダンジョンにいたスライムは、とても初心者向けダンジョンにいていい奴じゃなかったぞ。発生原因を――――」
「はぁ」
増えたとはいってもやっぱり報酬は安いなと改めて思いながらも、昨日のスライムのような魔物が再び発生してはいけない。
そう考えた真面目なグレンが、ギルドの職員に再度念押しをしようとしたその時だった。
「――――ッ!」
腹の奥で何かが蠢く。グレンの身体はその強烈な刺激に跳ね、受付に倒れ込んだ。
「――グレンさん! 大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ……大丈夫……まだ疲れてんのかな……」
「ダンジョンの方は原因調査をしますから、グレンさんはお休みください」
「あ、あぁ……ありがとう。言葉に甘えるよ」
心配そうなギルド職員に礼を言って報酬を受け取り、グレンはふらつきながらギルドを後にした。ギルドでの用は済んだ。次は昼食のつもりだった。しかし今のグレンはそれどころではなかった。
嘘だろ……まだ挿入ってる。
胎の奥の奥、上からそっと押さえると確かにいる。
何故、どうして。
グレンの背中を冷や汗が伝う。しかし身体は強制的に覚えさせられた快楽を思い出し、内側から火照り始める。
昨日の戦いはまだ、始まりでしかなかったのだ。
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