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俺のせい
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朝起きてぐっすりと眠ってる健の腕の中から抜け出てからホテルを抜け出した。
また一緒にホテルから出たところを憲史に見られでもしたら大変だ。
家に着くと何だかみんな騒がしくしていた。
「おい! 何があったんだ?」
「若! 今までどちらに!」
舎弟の一人に声をかけると慌てたようにそう言った。
「そんなことはいいから何があったんだ?」
「それが! 昨日の夜突然決まった討ち入りで負傷者が! 憲史さんが重体だって、目を覚さないらしいんす!」
「は……」
「すんません! 俺急ぐので!!」
そいつはバタバタと走ってどこかへ消えて行った。
は?
憲史が重体?
憲史は目覚ましていない?
憲史は討ち入りには今まで行かなかった。
それは俺の世話係をしていたと言う理由が大きい。
俺が世話係を外すなんて言ったから?
俺のせいじゃん。
俺がわがままばっか言ってたからだ。
俺が憲史を諦めるためだけに。
これ以上嫌われたくないとか、俺の気持ちばっかりだ。
憲史が怪我したのは俺のせいだ。
憲史がもしも目が覚めなかったら俺はこれから先どう生きればいいんだよ。
それから討ち入りの件が落ち着いて、憲史以外の負傷者の傷がだいぶ癒えても、憲史が目覚めることはなく俺は自責の念に駆られながら毎日毎日、入院している憲史の横で話しかけ続けた。
健にはもう会わないとメールを送った。
これからは憲史の望む通りに生きよう。
将来は憲史の言ういい女の子っていうのと結婚して。
久道組の若頭としてふさわしい人間になるようにするから。
なぁ、憲史。俺そうするから。
だから目覚めてくれよ。
二度と好きだなんて言わないから。
でも憲史は1ヶ月たっても2ヶ月経っても半年経っても目を覚ますことはなかった。
俺はその間、久道組の若頭として立派になれるように努力した。
非道に。
冷酷に。
俺は人を鉄パイプで殴るのすら躊躇しなくなった。
若い衆がやられれば討ち入りに参加して敵の組織をぶっ潰した。
そうしていれば憲史が目覚めてくれるんだと柄にもなく神頼みをしていた。
また一緒にホテルから出たところを憲史に見られでもしたら大変だ。
家に着くと何だかみんな騒がしくしていた。
「おい! 何があったんだ?」
「若! 今までどちらに!」
舎弟の一人に声をかけると慌てたようにそう言った。
「そんなことはいいから何があったんだ?」
「それが! 昨日の夜突然決まった討ち入りで負傷者が! 憲史さんが重体だって、目を覚さないらしいんす!」
「は……」
「すんません! 俺急ぐので!!」
そいつはバタバタと走ってどこかへ消えて行った。
は?
憲史が重体?
憲史は目覚ましていない?
憲史は討ち入りには今まで行かなかった。
それは俺の世話係をしていたと言う理由が大きい。
俺が世話係を外すなんて言ったから?
俺のせいじゃん。
俺がわがままばっか言ってたからだ。
俺が憲史を諦めるためだけに。
これ以上嫌われたくないとか、俺の気持ちばっかりだ。
憲史が怪我したのは俺のせいだ。
憲史がもしも目が覚めなかったら俺はこれから先どう生きればいいんだよ。
それから討ち入りの件が落ち着いて、憲史以外の負傷者の傷がだいぶ癒えても、憲史が目覚めることはなく俺は自責の念に駆られながら毎日毎日、入院している憲史の横で話しかけ続けた。
健にはもう会わないとメールを送った。
これからは憲史の望む通りに生きよう。
将来は憲史の言ういい女の子っていうのと結婚して。
久道組の若頭としてふさわしい人間になるようにするから。
なぁ、憲史。俺そうするから。
だから目覚めてくれよ。
二度と好きだなんて言わないから。
でも憲史は1ヶ月たっても2ヶ月経っても半年経っても目を覚ますことはなかった。
俺はその間、久道組の若頭として立派になれるように努力した。
非道に。
冷酷に。
俺は人を鉄パイプで殴るのすら躊躇しなくなった。
若い衆がやられれば討ち入りに参加して敵の組織をぶっ潰した。
そうしていれば憲史が目覚めてくれるんだと柄にもなく神頼みをしていた。
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