器量なしのオメガの僕は

いちみやりょう

文字の大きさ
21 / 43

20ー1 ※

しおりを挟む
「さあ、脱いでください」
「えっと……本当に」

四宮に会った時からその匂いに当てられ後孔はジュクジュクと濡れていて、千秋は恥ずかしくなりモジモジとした。
四宮はそんな千秋の態度も気にする様子はなく、一度ため息をついて財布を取り出しその中からお札を全て抜き取った。

「どうぞ、先払いのほうがお互い安心してできるでしょう」
「い、いいです! もらえません! そんな」

四宮の手に握られているのは先ほど払うと言っていた5万を優に越しているように見える。

「良いから受け取ってください。これから俺は千秋君にひどいことをしようと思っているんですから。もらってもらわないと目覚めが悪い」
「ひ、ひどいこと?」

千秋が恐る恐る聞いても四宮は微笑むだけで何も答えてくれず、千秋の手にお札を握らせた。有無を言わせない冷たい冷たい瞳と態度だ。

「し、四宮様……?」
「なんですか?」
「なんでこんなこと。だって、四宮様が本気になれば、その好きな相手の方だってきっと気持ちを分かってくれるはずなのに……僕なんかとこんなことしても」
「甘いですね。千秋君も……そして俺も。そうなる可能性だって十分にあったのに余裕ぶっこいて逃してしまった。こうなるくらいだったら初めから奪っておけばよかったかな」

四宮はボソボソと呟くようにそう言った。

「四宮様?」
「相手にはもう、番がいるんですよ」
「え……」
「だからね、俺がいくらその子に本気でも、その子は俺の前から姿を消し、俺のことなんてまるで気にしていない」

スーッと四宮の手が千秋の胸元を撫でた。

「ぁっ、しのみや、さま」
「そのくせ番ったアルファ以外と関係を持つことに躊躇もしていないようだ」
「え」

四宮は千秋の上着を脱がし、次にその手はズボンに手をかけた。
千秋はするりとズボンを下げられ羞恥で顔を赤くした。

「へぇ。下着までビショビショだ」
「四宮、様っ……んぁっ」

四宮は千秋の濡れそぼったそこに指を突き入れた。

「中、熱いですね。気持ちよさそうだ」
「ひ、んんぁ……ぁっ」

千秋が四宮の顔を見ると、四宮は熱をもった目で千秋のことを見ていた。
真剣で、まるで千秋のことを愛しているかのような顔に見え、千秋の後孔からはドクリと愛液が溢れ出た。
四宮からフッと息が漏れるような笑い声が聞こえて、千秋はまた恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じた。

ーー笑われた、四宮様に笑われた。はしたないと思われた

「やっぁ、見ないで、ぁ……ッ」

背後から熱い塊を押し付けられ、千秋は身を硬くした。

「入れますよ」

次の瞬間にはそれは千秋の中を押し入ってきた。

「ああぁあッッ!!!」
「っ、はぁ、きついな」
「ぁ、っんんぁ、待って! ぁ、うご、待って」

十分に慣らしもせずに入れられたそれは、濡れていたおかげで千秋を傷つけることはなかった。けれど、圧迫感が押し寄せる。

「ん、千秋君の中、気持ちいいです。中がうねって、俺を歓迎してるみたいだ」
「ぁぁんん、あッ……ぁ、はぁ、んんっ」

いくら懇願しても四宮が動きを止めることはなく、千秋は揺さぶられた。
しばらく揺さぶられ続け、四宮の動きが早くなる。

「はぁ、そろそろ1回目を出しますよ」

中に。と続けた四宮に、千秋のフワフワしていた思考は一気に現実に戻された。

「だ、だめですっ、んん、ぁっ、止まって! 中はっダメ!」
「俺の子、孕んでください」

千秋は四宮の子供が欲しかった。けれど千秋のことを好きでもない四宮との子がもし出来たとしても、責任を取ってほしくない。子供だってそんな冷め切った家庭にいたくはないだろう。
四宮と暮らせて喜ぶのは千秋一人だ。

「暴れないでください。そんなに中に出されるのは嫌? つまり相手のアルファとの間に子供はいないのかな?」

少しだけ弾んだような声でそう言った四宮の心を千秋は理解できなかった。

「あぁッ!!」

深く奥まで突き上げられ、千秋は一際高い声をあげた。
ズンッズンッと中を突き上げられて千秋は息も絶え絶えになりながら、それでもこれからの四宮の幸せの為に千秋は拒否の言葉と抵抗を必死で続けた。

「だ、めっ……んんぁ、ぃゃぁ…はぁ、しの、さんッ……んん!!!」
「はぁ、はぁ……ああ。あんまりひどいことはしたくなかったんですが、そんなに嫌嫌、ダメダメ言われると僕も気分が良くありません」

わかってくれた。千秋はそう思った。
けれど四宮は近くにあったタオルを千秋に噛ませ頭の後ろで結んでしまった。

「んんっ!!」
「君の相手のアルファはどんな人なんだろう。いくらで引いてくれるかな。あとでその方について詳しく聞かせてくださいね」
「んー! んん!!」
「ああ、イくっ」

千秋のうつ伏せの体を、四宮の体で押しつぶすように押さえつけ一際奥まで挿入された瞬間、千秋の中で何かが弾けたような感覚があった。
その間、何回も何回もうなじに舌を這わされて千秋はその度にそこからビリビリとした快感を感じ取った。

「千秋……愛してる。ね? だから俺の子を孕んでください」
「んっー!!」

千秋の頭を優しく撫でる四宮の手は暖かかった。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

夫には好きな相手がいるようです。愛されない僕は針と糸で未来を縫い直します。

伊織
BL
裕福な呉服屋の三男・桐生千尋(きりゅう ちひろ)は、行商人の家の次男・相馬誠一(そうま せいいち)と結婚した。 子どもの頃に憧れていた相手との結婚だったけれど、誠一はほとんど笑わず、冷たい態度ばかり。 ある日、千尋は誠一宛てに届いた女性からの恋文を見つけてしまう。 ――自分はただ、家からの援助目当てで選ばれただけなのか? 失望と涙の中で、千尋は気づく。 「誠一に頼らず、自分の力で生きてみたい」 針と糸を手に、幼い頃から得意だった裁縫を活かして、少しずつ自分の居場所を築き始める。 やがて町の人々に必要とされ、笑顔を取り戻していく千尋。 そんな千尋を見て、誠一の心もまた揺れ始めて――。 涙から始まる、すれ違い夫婦の再生と恋の物語。 ※本作は明治時代初期~中期をイメージしていますが、BL作品としての物語性を重視し、史実とは異なる設定や表現があります。 ※誤字脱字などお気づきの点があるかもしれませんが、温かい目で読んでいただければ嬉しいです。

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

俺の好きな人は誰にでも優しい。

u
BL
「好きなタイプは?」と聞かれて世界で一番多く答えられているのは間違いなく「優しい人」だろう。 相手の優しいところに惹かれ、気づいた時には引き返せないところまで恋に落ちている。 でも次第に気付くのだ。誰だってみんな「優しい人」ではなく「"自分だけに"優しい人」が好きなのだと。 ロランは、"誰にでも優しい男"、フィリオンに恋をしてしまい、地獄のような日々に身を焼かれていた。 そんなとある日「この恋、捨てたいな…」と溢したら「それ、捨てようとすんの、やめてくんね?オレ、あんたがアイツを見る視線に興奮すっからさ」と遊び人で有名な男、ヒューゴに言われる。 彼は、自分を好きな人間には興味がなく、別の誰かに恋い焦がれている人間の目が好きな変態らしい。 そんな身勝手な遊び人とちょくちょく話すようになってからというもの、フィリオンの様子はどんどんおかしくなっていく。 恋を捨てたい男と、恋を捨てるなと言う男と、優しさが狂い始めていく男の話。 ※作者の意思ではなくキャラの意思で結末が決まります。ご要望は受け付けられませんのでどちらとくっついても美味しいと思う方のみお読みください。 ※中世ヨーロッパ風学園ものです。 ※短編(10万文字以内)予定ですが長くなる可能性もあります。 ※完結までノンストップで毎日2話ずつ更新。

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

【完結】恋人になりたかった

ivy
BL
初めてのキスは、 すべてが始まった合図だと思っていた。 優しい大地と過ごす時間は、 律にとって特別で、 手放したくないものになっていく。 けれど……

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

処理中です...