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1話
しおりを挟むイカ焼きを食べながら歩く真子に
「おい、臭えぞ」
と言う萌。
「うっせえ、タコ」
真子がたこ焼きを食べている萌にそう返すのはとても自然な事だった。
彼女たちにとってそれは挨拶みたいなもので、言い換えれば
「調子どう? 」
「まあまあかな」
みたいな事でしかないのだ。
だから彼女たちの会話がとても下品だったり、罵倒されているように感じても、
決してそのままの意味では取らないで欲しい。
ちゃんと頭の中で変換さえすればそれはきっと
とても綺麗でグレートで素晴らしい、そんな毎日が約束されるのだから。
*****
「おっちゃん、ありがとう。んじゃあ行って来るわ」
屋台のおやじに礼を言って歩き出す二人。
「お、おう。でも嬢ちゃんたち登校するにはちょっと遅いんじゃ」
そんな二人を見て、お客とは言え心配をして声をかけるおやじ
「ああ、大丈夫だよおっちゃん。うちらの学校すぐそこだから」
そう言ってのらりくらりと歩いて行く二人をおっちゃんは見なかった事にした。
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