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2話
しおりを挟む私立陽禅座波学園は関東では名の知れた学園である。
そんな学園に真子と萌はのらりくらりと登校した。
「おい、お前ら今何時だと思っている。とっくに始業のベルはなってるんだぞ! 」
生徒指導の権藤が腕を組みながら怒鳴ってくる。
「まったく、汚ねえ唾飛ばしてんじゃねえよ。何時って後ろにでっかい時計が
あるんだから見ればいいだろ、まったくしょうもねえなあ」
真子の言葉に権藤は怒髪天を突く。
「お前らのような不良にはちゃんとした指導が必要なようだな! 」
そんな権藤の言葉に萌は言う。
「あんなぁ先生、うちらは怒られるような事は何もしてないねん。
今日は朝ごはん食べてなかったから、そこの屋台でちゃんと食べて来たんやで。
朝食をちゃんと食べて来た生徒に対して褒める事はあっても
叱る事なんてないやろ? ほな」
そまま通り過ぎようとする二人を権藤は止める。
「ちょっと待て、関西ではそれでよかったかもしれないが
関東ではそうはいかないんだよ! この不良が! 」
真子は大きな溜息をつく
「はぁ~。あんなぁ、先生。さっきから不良不良って
アホみたい言ってるけど、関西ではこんなん不良ちゃうねん。
それになぁ、あたしら二人が居る場所、そこはもう関西やねん。
そこんとこちゃんとしてもらわんと困るで、ほな」
結局二人は指導室に呼ばれてこってり絞られた。
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