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6話
しおりを挟む「おっちゃん、いつもの」
「あいよ」
今日もいつもの如く買い食いをする二人、もう見慣れた光景になってしまった。
はふはふしながら食べる二人はとてもうまそうに食べる。
「姉ちゃんらはいつもうまそうに食べてくれるからおっちゃんも嬉しいわ」
「そうか? おっちゃんの腕がええんやろ。ほんまおいしいわ」
「おっちゃんは何年くらいやってるんやこの店。食べてると関西思い出すわ」
何気なくした会話。でも、おっちゃんは固まっていた。
「どうしたんや、おっちゃん」
「その、ごめん。実はおっちゃん関東なんだ」
その一言に二人は衝撃を受ける。
「そんな……嘘やろ、おっちゃん」
「本当です。騙すつもりはなかったんだ。
君たちがあまりにもおいしそうに食べてくれるから
頑張ったけど……これ以上は君たちに悪くて。もう店も止める。
だから許してくれ、ごめん」
おっちゃんはそう言って二度とその場所には現れなかった。
そして二人は声をそろえて言うのだ
「「あたしらも関西じゃないんだけど」」
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