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好きになってはダメな人でした
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しおりを挟むドアは私が進めば勝手に開く、そして私が座ろうとすれば椅子は引かれ自動的に
私は腰を下ろした。私の対面に座っている男、まあ私のパパなのだがは既に食事
を始めており、私の前にも料理がやってきた。左手にフォーク、右手にナイフを
装備してゆっくりとナイフを差し込んでいく。一口大に分けたそれをフォークに
ぶっさして口へと運び入れる。
もしゃもしゃもしゃもしゃ、ごっくん
咀嚼をしてから飲み込んだというのに何か喉に違和感を覚えたがまだ焦るような
時間ではない。大丈夫だと自分に言い聞かせながら手を伸ばした私へパパは口を
開いた。突然の質問に、朝食は優雅に食べたいと思っている系女子である私は華
麗に返答してみせる。
「学校の方はどうだ? 」
「普通」
そんな私だからテーブルの上の食器たちもそれなりのものを揃えてある。
良い音が鳴る白磁器のティーカップからはいい匂いのする紅茶が注がれており、
私はそれを震える手でゆっくりと口に含んだが予想が外れてしまい思わず目をひ
ん剥いてしまったからパパも同じように目をひん剥いたがその理由は私にはどう
でもよくて寧ろイラっとした。
それにしても、うん、熱い。熱すぎる。
だからふーふーと息を吹きかけて温度をさげる作業が必要になってしまった。今
はガバガバ飲みたい時なのにこうでもしないと飲めたものではない。まったく、
一体今日のお茶係は誰だったけ? 後で頭からこの熱々の紅茶をかけてあげない
といけないなとそんな事を考えながら食事を進める系女子の私はどうにか危機を
乗り越えたのである。
ベーコンはしっかり焼いて欲しいし、パンケーキはしっかりと厚みがあって欲し
いし、はちみつよりはメイプルシロップを所望する。きっと誰もがそう思うであ
ろう事を私も望んでいるだけの話なのだが、どうも謎のセンスを発揮して私の好
みではない調理をして出して来られると私の方もそうせざるを得ない。センスに
はセンスで返すしかないというのが私の持論だからだ。
そもそもどういうつもりなのか? という所に行きつくいたのはもうすぐ食事が
終わろうとするタイミングだった。私の前に出される料理は私に食べられるため
に出て来るというのに、どうして私の好みではない調理の仕方をした物が出て来
るのだろうか。馬鹿じゃないのか? センスがあるのならばそんな事ぐらい分か
っておいて欲しいものである。
そんな結論に落ち着いて、食事も終わりを告げる。
こうしてずっと考えているのは当然のようにパパとの会話がなによりも苦痛で仕
方が無いからなのだが、正直どうでもいいような事ばかりを考えているのはそれ
はそれで疲れるものだ。だって別に考える必要がないのだから、無駄なカロリー
を消費しただけである。
摂取したばかりですぐに消費されるというのは効率的といえば聞こえはいいが要
は何も食べていないのと変わりないではないか? この食事はカロリーゼロなの
だろうか? じゃあ私のカロリーは何処かへ行ってしまったという事なのだろう
か? そんなはずはない、こうして私の腹周りには確実に蓄積されているものが
それを証明しているではないか。怖っ!
要は文字数を稼ぐ為にあれやこれやとどうでもいい情報をマシマシにして結局の
所、内容なんてまったくないモノで生成された話を読んだ結果あらすじだけ読ん
でおけばいいみたいな感想になり、すかすかで全く中身のない文字の羅列を読む
事に頭を使って疲労感だけが残り何も残らなかったという事実にゾッとした時の
ような感覚だといえば分かるだろう。
どうしてそんなにも娘の事が気になるのだろうか?
私はパパの事など気にする事はないし、そもそもまったく興味がない。何処で何
をしていようがどうでもいいし、私には関係がない事だから好きにすればいいと
さえ考えている系女子である。だから娘の行動が気になる系パパはうざくて仕方
がないのだ。
確かに昔は私もそれなりにちゃんと子供であった。
子供っぽい服に子供っぽい口のきき方をしていてそれはそれは可愛らしくてラブ
リーな子供ではあったから、誰からもよく可愛がられてはいたけれど、それはも
う昔の話である。一体いつまで私をあの時の私のままだと思っているのだろうか?
そろそろ気が付くべきではないだろうか?
全くもっていつまでも子離れが出来ないパパ程面倒でイラつくものはないという
のに、私がこんなにアピールをしているにも関わらず分からないとは……鈍感と
いうには都合がよすぎるし、きっと人の気持ちがさっぱり分からないパパなのだ
としか思えないから私は今日も何も言う事無く食堂を後にした。
そう、私はやれやれ系女子なのである。
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