17 / 425
されど初恋
3
しおりを挟む自分の行動があまりにも卑怯だという事は分かっている。
でもだからってこの気持ちを嘘にするなんて事はできないし、そもそも後からだ
という理由で諦めるなんておかしな話ではないか。恋に順番なんてものがある訳
がないのだから。
「ごめんねテーナ。私、ヨギと付き合う事になった」
こんな私の事をテーナは殴ってくれてもよかった。それぐらいの覚悟で私は彼女
に言ったつもりだった。当たり前だ、彼女の気持ちを私は分かっていた、分かっ
ていてそれを無視したような奴を殴る権利はあるはずだし、殴られるべきなのだ。
その方が私の気持ちもすっきりする。
「そうなんだ。よかったね」
でも彼女はそうしなかった。
明らかに私を祝福しているような顔では無かったし、その言葉は口だけで気持ち
なんてそこにはなかったけれど、これからの私とテーナの関係がどうなったとし
ても私にはそれ以上に彼を優先したのだからこれでいい。もう後戻りは出来ない
し、これは退路を絶った選択だった。
そしてその年の夏は私にとって決して忘れる事は出来ないものになった。
初めて出来た彼氏、二人で行った海もプールも花火も全てが信じられない程楽し
くて、どれもこれも大切な思い出で日焼けした自分の肌がそれだけ彼と一緒に居
たという証拠だった。
だというのに……それは突然訪れてしまった。
全ては私の独りよがりだったのだ。
「もう付き合えない」
夏がもうすぐ終わろうとしていた頃、ヨギが突然そう口にしたけど私にはその
意図がまったく分からなかった。
「どうしたの急に? 」
「別れよう」
そう言った彼の意思はもう決まっているって事だけは分かった。
分かったけどそれでも私は言う。
「何かダメな所があった? 何でも言ってくれれば私直すよ」
「シーラは何も悪くはない、そのままでいいんだ」
何が起こっているのかが分からない。
私はこのままでいいのにどうして別れないといけないのか?
問題は私ではなくってヨギの方だとでもいうのだろうか?
それなら余計に分からない、私にとって彼は最高の彼氏だったのだから。
だからこんな形で私の初恋が終わってしまうなんて思っていなかったし、
そして彼が三か月後にテーナに告白するなんてもっと思っていなかったのだ。
『どうしてなのだろうか? 』なんて考えている内に私の焼けた肌はすっかり元
に戻っていた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる