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終わらない物語
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しおりを挟む人付き合いというものが昔から苦手であった。
別に人が嫌いだとか話をしたくないとかそういう訳では無く、普通に聞かれれば
答えるし誘われれば出かける事もあった。きっと積み上げて行くという作業が苦
手だったのだ。同じ作業の繰り返しは酷く億劫に感じてしまう。
気をつかったりつかわれたり、どこまでが良くてどこからがダメなのか、
そんな探り合いの繰り返しがとても滑稽だと思っていた。そんなものは大体分か
るものではないのかと思ってしまうから「自分がされて嫌な事をしなければいい
だけだろ? 」ってな具合に参加せずに傍観してしまうのが常だった。
どうしてそんな事も分からないのだろうか?
言わなければ分からないなんて偉そうに言われてもそれはただの思考の停止でし
かなく、こちらに押し付けられたって取るべき責任など存在しないのだからどう
する事も出来ないというのに。
無能をアピールされた所で手を差し伸べてもらえる訳もない。
だって何を言っても分からないから言わないだけなのに、それをあたかもこちら
が悪いみたいに言われると尚更言いたくなくなるのは人間として、ましてや役者
としても普通の事ではないのだろうか。
そもそもコミュニケーション能力とは一体何だというのだろうか?
世間一般的に言えば俺はコミュ障に分類されるようだが、それは本当に正しい
分類の仕方なのだろうか? 俺からみたら寧ろコミュニケーション能力が高いと
言われている人の方が異常者に見えるのだが……でもそれは間違った認識なのだ。
だからこんな事を言ったって何も変わらない事は分かっている。
結局は何処かのよく分からないお偉いさんが決めた事が全てなのだし、それに
文句をつけた所でそこにぶら下がっている取り巻きに一瞬で吹き飛ばされてしま
うくらいの存在でしかないのだ俺という存在は。
だから結論としては俺はコミュ症なのだ。
そんな俺がどうやって生きて来たかなんて語るべくもないだろうが一応は聞いて
欲しい。当然のように今の教育課程では俺の存在理由は皆無である。教育する上
で居ては欲しくない生徒だったであろう事はよく分かる対応をされて来たので、
それは自覚していた。
あまりモノ。
いつだってそうだったし、そこが俺の定位置だったという事は揺るがない事実で
ある。だから誰もがそれを当然のように受け入れていたし、そうであるべきだと
いう空気を察していたからこそ俺はそこを動く事はしなかった。
俺は自分の意思でそれを選択した訳だし、それで全てがうまく行くのであれば
それでよかった。ただ問題があるとすればそれはまったくもって評価されないと
いう事だろう。機嫌の悪い教師を察する事なくはしゃぐお調子者よりも俺の評価
は低いのだ。
悪名であれ何であれ目立っている者が評価される世界で生きて行くのはあまりに
も苦痛だった。
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