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行き先は不明
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しおりを挟むみなさんは世界がどのようにして始まったのかをご存じだろうか?
そう「バン! 」という大きな音が鳴ったのだ。それは当然で、子供の頃から
教えられて来た。「バン! 」って音がなったらスタートだという事は誰もが
その身体に染みついているはずだ。
バン!
衝撃でテーブルは揺れ、グラスの中が波打ち少しだけ零れたジュースはゆっくり
と持ち手を濡らした。最悪な気分である。そんな事をした不届き者は最初から
ずっと顔を伏せていたからどんな表情をしているのかも分からないし、そのつば
広の帽子が余計に邪魔をしていた。
そもそもこの女は一体誰なのだろうか?
素性がまったく分からない、着ているものからしておかしな出ではないようだが
私はまだこの女の名前すらも私は知らないままである。
「もういいです。そんなに別れたくないのなら好きにすればいいわ! 」
そんな啖呵を切って立ち上がった彼女は走り去ってしまった……
「どういう事? 」
まったく脈絡のない事を急に言われ、私はその場で考えてみたけれどまったく
理解ができないままで、何が起こったのか答えを求める相手は彼しか居なかった
のに、当の本人はこんな有様。
「どうしたんだろう急に。何かあったのかな……」
「何言ってるの? ちょっとしっかりしなさいよ! 早く追いかけなさいよ! 」
「え? 嗚呼、そうか。追いかけないといけないのか。待ってくれよ夏美~」
彼女の名前を呼んで追いかけて行く彼を見ながら私は少し心配になる。
どこか抜けているというかなんというか、こういう時にいつも対応が遅れるのが
常だった彼がこれからどうなるかなんて目に見えていたから私は仕方なくその場
でしばらく待つ事にしたのだ。
そして私が予想した通り彼は戻ってきた。
「ど、どうすればいいかな? 」
泣きべそをかきながら私にそう聞いて来る彼を見て私はどう仕様もないなと
思ったのは確かだった。
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