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菫川ヒイロ

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帰り道

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 私には自信があった。
 必ず自分が選ばられるという自信。
 だからこそこうしてわざわざ王都までやって来たのだ。
 
 
 『絶対に見返してやるんだから』
 
 
 それが私の原動力だった。
 あの村での私の存在感なんて無いに等しかった。
 誰も私に見向きもしない、そんな存在でしかなくよく忘れられる事があった。
 

 「あれ、居たの? 」 「気が付かなかったよ」
 
 
 何度そんな言葉を聞かされた事だろう。
 私相手にはそう言っておけばいいと誰もが考えていたのだろう。
 でもそんな訳がない、気が付かないなんて事があったならそっちの方がおかしい
 のだ。だって私は確かにここに居るのだから!
 
 
 村から一週間かけてやって来た王都は人人人、人だらけである。
 その中を私が歩けば、誰もが私に注目している事がよくわかった。
 みんな一度は足を止めて私を見るのだから、これは間違いなく私は花嫁に選ばれ
 るであろう事は確実だった。
 
 
「受け付けはこちらです。
 プロフィールの記入が終わったら人は持って来てくださ~い」


 開場には結構な人数がおり、思っていたよりも多い。
 その中を押しのけて私は進む。だってプロフィールを書き終わったからね。
 だから提出しただけ、何も嘘や誤魔化しなんてなく正しく書いた。
 こんな所で嘘を書いたって意味がないし、私に誤魔化したい事なんて何一つと
 してないのだ。それにもしそれで失格なんて事になったら目も当てられない。
 
 
 受付の人が一つ一つ確認していく中、手持ちぶさたな私は周りに目を向ける。
 そこそこの人もいれば、残念な人もいると私の目には映った。
 まあ私に勝てるような人は見つからなかった訳だが。
 
 
「あの、これに間違いはありませんか? 」


「はい、間違いありません」


「135か……はい、分かりました。それではこちらを持ってあちらへお進みくだ
 さい」
 
 
 渡された紙束を持って私は進む。
 紙には特Aと書いてあった。
 
 





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