恋愛倉庫

少女abc

c3

「いってらっしゃいませ、お嬢様」


　そう言われて登校する私はいつも通りの完全防備。
　肌の露出はほぼゼロと言っていい服装である。
　出来る限り目立たないようにするというのがコーデの基本だった。
　
　
　学校での私はぼっちとして過ごす。
　誰からも声をかけられたりしないようにしているのであって、
　ハブられているという訳ではないのだ、たぶん。
　
　
　自分の席に着いたらまず行きに買った菓子パンを頬張る。
　消費したカロリーをしっかりと補給しないといけないからだ。
　いつ何時、何があるか分からないのだから、いざという時お腹がへって力が出な
　いなんて事にならないようにしておかないといけない。
　
　
　とりあえず授業は真面目に受けている。
　でも正直この方式に誰も疑問を持たないというのが理解出来なのだ、私は。
　どうしてこの人は時間になったら教室に来て話をして、時間が終わったら出て行
　くという作業をしているのだろうか？
　
　
　これを何年もしているのだという。
　どんな感覚なのだろうか？　もはや感情なんて麻痺してしまっているのでは
　ないだろうかと思っていたら、意外と感情は豊だ。さっきまで笑っていたかと
　思えば急に怒り出したりするのだ。
　
　
　私はただの異常者だという認識をしているからいつでもいけるように準備は
　ちゃんとしている。
　
　
　他の人達は私のように身構えているものもいるが取り入ろうとしている者や
　無防備に眠ったりしているのもいて正気を疑う。
　
　
　子供の頃から修行の日々ではあったけど、未だに修行の日々は辛い。
　でも学校に通うのはオジサマからの条件だったから卒業まで堪えないといけない
　のだ。全てはジョアとの生活の為である。
　
　
　家に帰ったら思いっきり甘やかしてもらおうと今日も考えている。
　メイド服を着た男の子って最高だと思わない？