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未知に出会う
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しおりを挟む子供の頃、大好きだったお姉さんがいつの間にかよくわからない男と結婚して
いたのを見て俺は思ったのだ。
『女って嘘つきだ』
あんなに俺の事を好きだって言ってたのに、
大きくなったら結婚しようって約束までしたのに、
なのに、どうして俺ではない男と結婚してしまったのか?
嬉しそうに笑顔で俺に手を振っていたお姉さんの気持ちが分からなすぎて、
俺は怖くなった。
『きっとお姉さんは宇宙人なのだ』
俺はそう思う事にした。
そう思ったら自分が異星人を好きになるような奴なのだという事実に気が付いて
それ以来俺は異星人を探している、ずっと。
*****
「好きです、付き合って下さい」
どうして俺にそんな事を彼女が言って来るのかは分からないが、何か勘違いを
しているのかもしれないし、変な期待をされても困るのできっぱり断った。
「ごめん、俺は異星人しか愛せないんだ。君は異星人ではないんだろ? 」
「ええ、違うわ。でも私は貴方の事が好きなの。きっとこれは運命だと思う。
だから私と付き合って欲しいの。そうすれば貴方も私の事を好きになってくれる
と思うし、運命だと分かってくれると思うから私と付き合って下さい」
彼女の想いは重かった。
異星人ではないが普通ではないという事はよく分かった。
でも俺は彼女の事を愛する事はないのだ。
「やっぱり無理だよ。俺は君とは付き合えない」
「そう、分かったわ」
こうして彼女の告白の一日目が終わり、それから毎日彼女から告白された俺は
妥協案としてお友達から始める事にしたのだ。
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