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告白
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しおりを挟むもしかして俺の事が好きなのか?
なんて考えるようになったのは誰の所為だったか、そんな事を言われたのは確か
だった。そんなにもちょっかいをかけて来るのはお前の事が好きだからに決まっ
ていると断言されたのだ。
そこまで言われてしまえばそうかもしれないと思ってしまうのは性なのかもしれ
ないが、それでも自分で思い返してみればそんな気がしないでもない。
だとしたらこれは勝ち戦なのだ。俺の匙加減でどうとでもなるこの状況で俺は
余裕をかまして腕を組んでみたりなんてするのだ。
「それで? 」
彼女はどこか落ち着きがないような態度だ。
こうして冷静に物事をみれば意外と簡単に分かるものなのだと俺は知った。
「まあ何だ。こういう事はやっぱりこちらから言わないといけないと俺は思って
いるんだよ、うん」
出会いは最悪だった。
嘘みたいな状況で、自分でもびっくりするくらい冷たい感情だった。
それでも彼女は翌日、何も無かったかのように気さくに俺に話しかけて来たのだ。
全てが無かったかのようなその態度に俺は逆に戸惑った。
でもそう、全てはここへ繋がるのだ。
「君の事が好きだ。付き合ってくれないか子猫ちゃん」
そんなシャレた告白に彼女の返事など決まっていた。
「私はアンタの事が嫌いなの」
それは能面のような何の表情もない顔で、怖かった。
「嫌よ。どうして私がアンタと付き合わないといけないの? 私はずっとアンタに
言いたかったのよね。嗚呼、やっと言えたわ! 今がベストなタイミングだった
でしょ? ねえそうよね? 私、アンタに言われた時、ゾクゾクしたのよね。
こんなにもその場に適した言葉をいわれる事はそうそうないじゃない。嗚呼、
よかった。これですっきりした。もう帰ってもいいのよね? 」
満足げに帰って行く彼女の事を俺はただ見ていた。
*****
「それでさ、あり得ないと思わないか? 」
電話越しに彼が不平不満を言う。
「そうかもね」
パチンパチンと私は爪を切りながらその話を聞いていた。
電話には子猫ちゃんと表示されてはいるが、着信音で誰かなんてすぐに分るのだ
から別の名前にしようかと最近考えている所だ。
「なあお前、今何してんの? 」
プライベートを知りたいとか気持ちが悪い。
「爪、切ってる」
「はあ~。夜に爪を切るのは良くないぞ」
迷信なんてどうでもいいし、別にそうなってもいいとすら思っている私には
何の意味も無い忠告である。でもそれでいい、私達の関係のようだから。
ただお互いに文句を言い合うという関係、何の生産性もないそれは私達そのもの
だと思っている。
もはや電話だけの関係性を知っているものは誰もいない。
ただ、そんな私達をまんまるなお月様だけが見ていた。
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