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必ずしも万能ではない
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しおりを挟む窓際に座り外を眺める。
ポリスと追っかけっこをして遊んでいる連中を見ながら煙草に火を付けた。
ゆっくりと吸って煙草の先の色が濃くしながらどちらを応援するのかを考えて
いた。
仕事として追いかける方と遊びとして逃げる方なら当然後者を応援した方が
盛り上がるのは分かっているが、だからと言ってそんなありきたりな事をしたく
はないのだ私は。だからと言ってポリスを応援する気にもなれないのだが……
結局、吸い殻を投げ捨てる事で全てを終わらす。
どっちが負けようがどうでもいい事だった。私には何一つとして影響が無いの
だから勝手にしていればいい。
そしてもう一本、煙草を拝借する。
煙草の持ち主である男は今現在、ぐっすりと眠っているから何の罪悪感もなく
拝借出来るが、それにしてもこの男の寝顔はあまりにも馬鹿っぽい。
口を大きく開けて、たまに口角が上がるその様の何処がママは気に入っている
のだろうか?
私にしてみればそれを知りたかったから誘ったというのに、どこにも良い所を
見つける事が出来なかったのだ。わざわざ浮気する程の男だなんて思えないけど
そんな何の味もしないような男だからこそ浮気相手に選んだのだろうか?
親子だからといってそういう感性はまったく似ていないのだ私達は。
「うん、帰ろう」
コツコツコツコツ
夜道を歩くのは結構好きだった。
世界には私だけしか居ないのではないかと思えるから、他の余計な不純物が存在
しない、私が全ての頂点に居ると思える。私が支配者だ。
なんて遊びをしながら家に帰ればパパと鉢合わせしてしまった。
「おかえり」
「ただいま」
挨拶はちゃんとする家である。
「あれ、一緒じゃなかったのか? 」
「さあ? 先に帰ったと思ったけど? 」
「そうか、寄り道でもしているんだろな」
私の適当な返事に納得した様子のパパはそんな事を言う。
心配とかはしていないようだった。
「ちゃんと歯を磨いて寝るんだぞ」
ただ私の歯の事だけは心配してくれていたから、私もそんな優しさに敬意を払い
歯をきっちりと磨いてから眠る事にしたのだ。
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