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それが答えだった

７

「あら、これは偶然なのかしら？　」


　エミリカは俺の顔見てそう聞いたが、そんな事は分かっているだろう。
　ただの時間稼ぎである。でも俺はそうだとしても彼女に聞いておきたかった。
　
　
「何やってんだよアンタは！　」


「そう、分かっているのね。ちょっちヘマしちゃっただけなのよ。見逃してくれる
　と助かるわ。親子の縁ってやつでどうにかならない？　」
　
　
　親子だとかそんなものじゃあなくって俺はただこの人を殺したくは無かった。
　でもここでこの人を殺さなければ俺が、俺達が死ぬだけだという事も知っている
　からどうにも出来ない。
　
　
　どうして俺が最初に見つけてしまったのか？
　どうしてこんな事をしないといけないのか？
　俺はどうすればいい？
　
　
　向けた銃口は未だに定まらない。
　心も体も何もかもがバラバラであやふやで定まらない。
　これが俺の未来だったのか？
　
　
「おい、何をしてる二コル！　早く撃っちまえよ」


　分かっているそれが正解だ。
　人が一人死ぬだけだ。
　それで俺達は助かり晴れてファミリーの一員だ。
　
　
「へえ、二コルっていうの貴方。好きだった男と同じ名前の男に私、殺されるのね」


　この人を殺して俺はまだ糞みたいな人生を続ける。
　
　
「エミリカ！！！！！！」


　
　
　＊＊＊＊＊
　
　
　
　
「馬鹿ね、どうして殺さなかったのよ」


　俺はこのまま糞みたいな人生を続けるよりも、好きな人との未来を夢見てしまっ
　ただけだった。どうせな生きるのならそんな未来の方がいいに決まっている。
　好きな人と一緒に生きる、それが俺の答えだった。
　
　
「ほんと子供ね。でもそうやって夢を見れる貴方を私は嫌いじゃないわ」


　最後を好きな人と一緒に迎えられたのなら俺の人生も悪くなかったと……
　
　
　
　
「もう、行くぞエミリカ。追手が来てる」




「ええ、分かっているわ」




　思えただろう。