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お金の話
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しおりを挟む「私はそういうのはいけないと思うの」
そう言った私の言葉は彼女にはまったく響かなかったようで
「どうして? 何がいけないの? 」
そんな返事が返って来る。
だから私は彼女に懇切丁寧に教えてあげるのだ、そういう使い方は駄目だって。
だってそうでしょ? お金はそうやって使うものではないのだから。
「だって対価として渡しているだけよ? 」
確かに対価として渡しているのだけど、それは何か違うのよ。
だって彼は貴女の彼氏な訳で、それなのにお金を払うっていうのは違うでしょ?
それは付き合ってるとかとは違うよきっと。
「でも彼は納得しているわ、それでいいって。ううん、寧ろそれがいいって言って
いるのにそれでも駄目なの? 」
「え、そうなの? 」
そうなると話がまた変わって来る。
彼の方にも問題があるようだった。
「そりゃあ貰えるのなら貰うだろ? 」
何なのそれ、そんな事で貴方は満足してるっていうの?
じゃあお金さえ貰えれば何だってするっていう事なの?
それって付き合ってるって言えるの?
「ええ、彼は間違いなく私の婚約者よ」
そして彼女はそう断言するのだ。
そこに何も後ろめたさなんてものは存在せず、寧ろ私の方がおかしい事を言って
いるかのようなそんな態度であった。だから私はどうすればいいのかが分からなく
なってしまう。
お互いが納得しているのならそれでいいともいえるが、でもその関係性は明らか
に歪だった。二人の間には必ずお金があってそれが当たり前なのだ。もう訳が
分からない。
「貴女の言いたい事はよく分かったわ。私達の為にそう言ってくれているのよね?
ありがとう。その気持ちは伝わったし、参考にさせてもらうわ」
そう言って彼女は私にお金を差しだすのだ。
「何これ? 」
「お礼よ。貴女の善意に対するね」
結局何も参考にはされていないようだった。
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