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菫川ヒイロ

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芽衣ちゃんは夢を見る

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 なんだかんだ言ったって私もグループには所属している。
 ただ、何処にも入れなかった者達が集まって出来たグループではある。
 だから私達に連帯感とか一体感とか協調性なんてものが希薄だし、そんなものが
 あるのならこのグループに属する必要はない。
 
 
「それじゃあグループに分かれて頂戴」


 そんな何度聞いても慣れない台詞を何の恥ずかしげもなく口にする教師は
 相変わらず責任は取りたくはないが権力は誇示したいという分かりやすい人間
 で居てくれている。実にありがたい存在だから私も彼らに期待せずにいられる
 のだ。
 
 
 当然のようにグループはすぐに出来上がり、私もいつものように見慣れた顔ぶれ
 が居る場所へと集まる。ただ私達にとって一番困る事は誰がリーダーをやるかと
 いう事だった。私達の中でまとめ役を出来る程崇高な人間は存在しない。
 ろくでなししかこの場には存在しないのである。
 
 
 そして命懸けのじゃんけんが始まり、見事に一発で私がリーダーに選ばれた。
 
 
 
 
 *****
 
 
 
 
 リーダーって結局は雑用係なんじゃないかって思っている今の私は正しくその
 雑用を熟している。こんな事をする為に学校へ通っているんじゃない! と言い
 たいが、じゃあ何の為に来ているのかと問われれば言葉に詰まる。私にはもう
 文句をいう権利すらなくなってしまった。
 
 
 素晴らしき教育のおかげで私はこうして調教されて、いつしか教師のような
 面構えをしているんじゃないかと手を顔に当てる。大丈夫、まだ目も鼻も口も
 ちゃんとそこにあった。
 
 
「どうしたの? 分からない所とかある? 」


 集まったリーダーの中でも彼女は特別だった。
 不審人物の私もこうして声を掛けてくれるから彼女はカースト上位者なのだろう
 と認識させられた私は、当然「大丈夫」と返事をする。彼女に迷惑なんてかける
 事が許される訳はないのだ。
 
 
 だから結局私は彼に聞く事になってしまった。
 それはそれは普通な彼。
 私達と同じ種類の人間である彼ぐらいしか私が対等に話せる人間がここには
 存在しないのだ。
 
 
「ねえ、ここ何って書けばいいの? 」


「え? 」


 明らかに嫌そうな顔と声でもう十分だった。
 私には全てが分かってしまう、そこに悪意何てものはないって事が。
 そんな風にしか対応が出来ないのだという事が分かるからこそ、私は何も臆する
 事なく話かける事が出来たのだろう。
 
 








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