288 / 425
勝手な女
2
しおりを挟む長い髪にパーティードレスを着た女を峠で拾った。
場所が場所なだけに確認したらちゃんと足はついていた、裸足ではあるがついて
いるのであればそれはちゃんとした女であるのだろう、たぶん。ならばあのまま
あそこに放って置く訳にもいかないのだ。
あんな所は碌な人間が通る場所じゃあない。
「どうしてあんな所に? 」そう聞いた僕への返答は「婚約破棄したから」だった
のであまり関わり合いにならない方がいいような気がした。最初からそうでは
あったのだが、より一層その思いが強くなる。要は元婚約者にあそこに置いて
行かれてという事だろう? 超怖くない?
「これ、飲んでもいい? 」彼女はカップホルダーにある紙コップを指さす。
「どうぞ」と言うと彼女が喉を鳴らしながら一気に水を飲み干す姿を見て僕は
結構な時間あそこに居たのだろうし、もし僕があそこを通らなかったら?
なんて思うとゾッとした。
助手席で窓に頭を預けながら外をずっと眺めている彼女からは何かしら不吉な
オーラが出ているように見える。まさか今日はもう乗り切れたと思ったのに、
最後の最後でこんなすごいものと出会ってしまった。何処かお祓いにでも行った
方がいいのかもしれないくらいツイていない。
「駅でいいですか? 」
早く身軽になりたかった僕は聞く。
「いや、いいわ」
だから彼女の返事の意味がわからない。会話ってこんなにも難しいものだった?
と疑問を抱くのはそれ以外の選択肢なんてものがあるとは思えなかったから。
じゃあ何処へ行けばいいというのだろうか?
「とめてよ」
素直に車を止めたが、こんな何も無いような所でいいのだろうか?
「え? 違う違う。アンタの家に泊めてよ。もう終電もないし、お金もないのよ私。
だから今日はアンタの家に泊めてよ」
そんな友人の家にでも泊まる感覚で僕の家に泊まろうなんて何を考えているのか
まったく分からない。嫌だ、怖い! この女、滅茶苦茶怖い。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる