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勝手な女
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しおりを挟む「お前、いい度胸してるな? 二日続けてとか舐めてるだろ? 」
今日も課長のモーニングコールで起きる事になった僕は本気で考えていた、
『バックレよう』と。受話器を置いて椅子に座り舟を漕ぎながら今後の事を少し
考えてみる。そして気が付いたのだ何もやりたい事が無いという事に。
それは結構衝撃的な事だった。
じゃあ何の為に生きているんだ? 毎日を何の為にすりつぶして来たんだ?
浮かんできた考えを全て消去して止めた。面倒臭え、考えるのが面倒臭え。
こういう時はドライブに出かけるのがいい。
「なあ、あんた。家まで送るよ」
僕は目の前で豪快に朝食をとっている彼女に言った。
まあ、ついでである。ドライブがてら彼女を家に送り届け、その後は適当に
流そうと思ったのだ。
「家? そんなもの無いわよ」
予想していなかった返答と、手についたケチャップをTシャツの裾で拭かれた
事に僕は驚いた。正気か? 嘘だろ? どうしてそうなる? もう訳が分から
なかった。
昨夜は結局彼女を泊める事になり、家に上げたら当然のようにシャワーを
浴びた彼女はバスタオル撒いた姿で出てくると当然のように着替えを要求し、
そしてパンツとTシャツを獲得した彼女はベットにダイブするとすぐに寝息が
聞こえて来たのだ。
余程疲れていたのだろう……だから何?
それがどうした? そんなものはこっちだって同じである。ふざけるなよ!
とは思ったし、良からぬことも考えはしたが実行しなかったのはこれ以上関わり
合いになりたくなかったからだ。
だからここまで彼女のする事に何も口を出さなかったのに、家が無い?
家が無いのに婚約者は居るなんて事はあり得るのか? 婚約者が居なくなった
から家が無くなったという事なのか。それなら納得出来る範囲にはおさまる話
ではあったが、それじゃあ追い出せないじゃないか!
だから僕は彼女をドライブに誘ったのだ。
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