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神様なんて死んでしまえばいい
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しおりを挟む街に出てみれば相変わらずの街並みである。
何かしら変わっているのかと期待していたというのに……裏切られた。
何の変化もない街をいつもと同じように歩く私は婚約破棄をされた女である。
私が変わっても街は変化なんてしてくれる優しさなんて持ち合わせていない。
もしかしてツンデレちゃんなのかな?
なんて思い直してみてもそんな事なんてまったくなくて、いつも通りパン屋の
夫婦は喧嘩に明け暮れているし、勝手に露店を開いているおじさんの売り物は
相変わらず高値を維持していた。そしてもうすぐやる気が全くないポリスマン
に文句を言われるのだろう。
嗚呼嫌だ嫌だ。
こんなものを見る為に街へ出て来た訳じゃないのに、どうしてこうもつまらない
のだろうか? どこぞの路地裏に宇宙人でも居ないのかと路地裏に入ってみたが
相変わらずのごみ糞どもが大勢でたむろしていた。
良い所なんてひゃっこい事ぐらいだろう。
まったくもってこういう所にはこういうやつらが集まるのだろうか?
そういう習性があるとしか思えないこの生き物は何に分別すればいいのか
私にはまだ分からなかった。
「どこに行くんだ? 」
だからそう声を掛けられても無視をしたのだ。
存在自体をキャンセルしたい。
「おいおい、無視するなよ。どうした?
婚約破棄されておかしくなっちゃったのかな? 」
もう誰もが知っているのだと私は理解する。
相変わらず他人の不幸が大好きな生き物だった。
他人の不幸を喜ぶ時間がある程暇な人生なら死ねばいいのにと思う。
そんなエコロジー精神を私は持っているのだ、啓蒙していきたい。
「うっさい、死ね! 」
「おお怖ッ! エルデリランスーが通るぞ! 死にたくない奴は道を開けろ」
私の事を下卑た目で、口で、罵る奴らを今すぐにでも消してしまいたいのに
私にはそんな力が備わっていないのはきっと神様が試練をお与えになっている
からなのだと気づいたら思ってしまう。
神様なんて死んでしまえばいいのに
こんな私の人生ですら神様にとっては何の意味も無くて、
ただの気まぐれで私の運命を弄んで喜んでいるのだとしたら?
なんて思いついてしまった私は走り出さずにはいられなかったのだ。
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