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菫川ヒイロ

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婚約破棄した伯爵は……

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 私の名はボルストン・エンデヴァー、身分は伯爵である。
 毎日を優雅に暮らす私には婚約者が居り、名はミラルダという。
 親が決めた相手ではあるが、悪くはなかった。
 
 
 大体、貴族とはそういうものである。
 だから、私も受け入れたし、この生き方を謳歌していた。
 今日もミラルダと優雅にお茶を飲みながら、談笑していた私に不幸が訪れた。
 
 
「あ、すいません! 」


 その女が私達のテーブルの横を通った時に、お茶の入ったカップが私の方へ倒れ、
 私のズボンが汚れてしまったのだ。
 「嘘だろ、卸したばかりだぞ!」と内心では思った私だが、こんな場で大声を
 出すなんて事はしない。
 
 
「なあに、構わないさ」


 私は余裕のある対応を見せる。
 私は伯爵なのだから、伯爵らしい対応を見せなけらばならないのだ。
 こう言う時の教育もちゃんと受けている。
 
 
「すみません、失礼します」


 女はそういうと、ハンカチで私のズボンの汚れた所を拭いた。
 
 
 私は突然の行動に驚く。
「私に勝手に触れるなんてコイツは一体どんな教育を受けているんだ! 」
 私はつい睨んでしまったが……
 
 
 目線の先にはドレスから溢れ出んばかりのおっぱいがあり、
 私の目は釘付けとなるがなんとか視線をそらせば、
 上目遣いでこちらを見ている女と目があってしまった。
 
 
「ごめんなさい、大丈夫ですか? 」


 私は脳が溶けそうになるのをどうにか回避しようと目が泳ぎ、
 視界の隅にミラルダが入った事で今の自分の状況を思い出し、
 息をゆっくり吐いた。
 
 
「そこまでしてくれなくても結構。気にしなくていい、何も問題はないさ」


 その後も何度も頭を下げる彼女の胸元にばかり目が行ってしまったが、
 どうにかその場は乗り切った。危うく反応してしまう所だった。
 そうしてその日はすぐにお開きにした。
 こんな無様な格好で私がいる事など許されないからだ。
 
 

 *****
 
 
 
「坊ちゃま。お会いしたいという方がみえておりますが? 」


「じい、坊ちゃまはもう止めれてくれ。さすがに恥ずかしいぞ。
 それで、相手は誰だ? 今日は約束などしていなかったはずだがな」
 
 
「ローザ様と伺っておりますが、何でも先日のお詫びがしたいとの事で」


「お詫び? 」


 私はまさかと思いながら客間へと向かった。
 
 
「先日はどうも失礼しました」


 ドアを開ければそこにはあの女が居た、数日ぶりの再会だった。
 








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