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最近流行りの婚約破棄かと思ったらマジの婚約破棄だったのでショックのあまり私は海女になった。

５

　拝啓、お父様、お母様、お元気でしょうか？
　私は今、海で海女をやって居ります。
　
　
　
　
　＊＊＊＊＊
　
　
　
　
　私はその日もみんなでドンチャン騒ぎをするために岬から海に飛び込んだ
　
　
　ドッパーン
　
　
　勢いよく飛び込み、どんどん潜って行く。
　私にはもう慣れたもので、いつものように真珠やルビー、
　エメラルドにサファイア、様々なネックレスを腕に巻き付けて岸に上がった。
　
　
　（これで今夜もドンチャン騒ぎね）
　
　
　そう考えていた私を警備隊が取り囲む。
　
　
　（何？　何？　何？　一体何が起こっているの？　）
　
　
　私は状況が理解できずにいると
　
　
「こいつだぁ、わしらの漁場を荒らしまわっとるやつあ」


　いきなりそう言われて私は「違います！　」ときっぱり否定したが
　
　
「何言ってんだ、その腕に巻き付けているでねえかこの！　」


　そう言われて私は連行された。
　
　
　
　
　＊＊＊＊＊
　
　
　
　
「とりあえず免許証出して」


　小部屋に連れていかれた私に警備兵は言う
　
　
「ありません」


「免許証はなしと、それじゃあ許可証は？　」


「ありません」


「許可証もなしっと。あんた一体どういうつもりなの？　
　免許証も許可証もないのに勝手に漁しちゃダメでしょうが！　」
　
　
「すいません、知りませんでした」


「知りませんでしたってそんな言い訳は通りませんよ、
　どこぞの貴族でもあるまいし。だいたい獲ったものは何処にやったの？　」
　
　
「換金所で換金しました」


「まあた、そんな嘘ついて。ここいらに換金所なんて無いんだからね。
　本当の事言わないとここから出れないからね」
　
　
「そんな、本当なんです！　あそこに換金所があってそこで換金して横の食堂で
　ドンチャン騒ぎをしてたんです！　」
　
　
「そんな事ある訳ないでしょうが、まったく最近の子は困ったもんだ」




　＊＊＊＊＊
　



　私の話は結局信じてもらえませんでした。
　ですがお父様、お母さま、どうか私の言う事を信じて欲しい。
　そしてどうか、ここから出れるように取り計らって欲しいのです。
　どうかお願いします。
　
　
　貴方達の可愛い娘　ロゼットより
　
　
「貴方、こんな手紙が来てますがどうしますか？　」


「知らん！　我が家にそんな娘は居らん！　」




　＊＊＊＊＊
　
　
　
　
　手紙の返事を読む警備兵。
　
　
「おい、あんたまた嘘をついたのか？　」


　どうやら私は家を追放されたようだった。