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婚約破棄されただけで家を追い出されたので聖女になって見返してやる事にした
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しおりを挟むその日、私には人生において一番の不幸が降り注いだ。
私の名前はクリス・バーモス。
バーモス家はそれなりの地位の家柄であるからして、
私、クリスも令嬢としてのそれなりの教育を受けて育ったきた。
そして、そんな私もお年頃となれば当然のように素敵な婚約者が出来る。
彼の名はロレッド・エルロッド、エルロッド家の当主となる男だった。
そんな彼との縁談には当人達の意思など関係なく
家柄の尊厳をかけた争いの果てに成立したものだったが、
お互いそれは理解していたし、顔も悪くない相手に私には何も文句など
無かったのだけど……だけど……だけどなのである。
ロレッドに呼び出された私は「何かプレゼントでももらえるのかしら? 」
なんて期待をして彼の家へと向かい、わざわざ出向いた私に彼は言った
「婚約を破棄します」
最初、私は彼が何を言っているのかさっぱり理解できなかった。
私の頭のなかは「?」が大量に浮かび
「破棄デスカ? 」
ついカタコトで聞き返してしまったくらいで、
それくらい信じられない出来事だったのだ。
「はい、破棄です」
彼は律儀にもう一度私に現実を押し付けてきたが
私は決して受け入れる事が出来ないまま、我が家へと戻って来た。
そして戻って来たら来たで、父親に呼び出され
「お前は一体何をしたんだ! 」
父親の部屋へ入るとさっそく怒鳴り散らされる始末。
どうやら家にはすでに連絡があったらしく、父親はカンカンである。
「まったくお前はバーモス家の面汚しだ! 私がどれほどこの婚約の為に動いたか
分かっているのか! それを全て台無しにしおって、お前みたいな奴は
バーモス家には要らん! 出て行きなさい! 」
そう言うと父親は私の話など聞こうともせずに、私を部屋から追い出した。
私はとぼとぼと自分の部屋へ戻る途中に妹と出くわす。
「ちょっと姉さん、どういう事よ! 婚約破棄されたって本当なの?
本当、信じられないんですけど! どうしてくれるのよ、私のこれから人生!
姉が婚約破棄されたなんて私、いい笑い者だわ。
姉さんなんていなければよかったのに! 」
妹は自分の言いたい事だけを言って去ってしまった。
その日は、婚約相手に婚約破棄され、父親には家を出て行けと言われ、
妹にはボロクソに罵られるという最悪の日になった。
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