ゲエムタワー

ゆう猫

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魔獣の下層

強者の面の裏側

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 本の内容を知ってから数秒間お互いを睨み合っていると目の前に半透明のステータスが現れた。
それが見え始めた瞬間「おお!」という声がいくつもあがった。まあそれもそのはずいつもなら画面越しでみていたものが今、目の前にみえる。
確信した。これは神ゲーだ、ゲームの革命だ。
あまりの嬉しさにニヤけが止まらなかった。

 ステータスにはHPヒットポイント,STRストレングス(腕力),DEFディフェンス(防御力),AGLアギリティ(敏捷性),DEXデキシティリティ(器用さ),CRIクリティカル(運)が表示されている。

 一般的なRPGのステータスと同じようだ。
魔力関係のステータス表示が無いことを察するに魔法や特技とかは無いのだろう。
あとは…剣技、打撃、弓術、短剣…
そうだ、武器!!
すっかりステータスの方に気をとられていて忘れていた。周囲を見ると既に装備を整え終わっているものいた。

急いで装備を整えに行ったがしっかり人数分の剣や盾、弓など様々な武器が置いてあったので別に急ぐ必要なかったなと思いながら装備を整えた。



 俺が選んだ武器は細剣と、短剣の二刀流。
ゲームでもよく盾を捨てて攻撃重視のキャラを作っていたからってのもあるが、アニメなどでも剣と盾やほかの武器よりも圧倒的に双剣が目立つ事が多いからである。
しかし意外と剣は重く一つの剣を両手で振るのがやっとである
 なので最初のうちは片手剣のみというふうにしておき腕力が上がったら二刀流に変更という形に決まった。








装備の部屋をでて噴水の広場へ向かうと何やら人が集まって騒がしい。
近づいてみるとそこには後ろから剣を刺されて床に倒れている男と返り血が少し飛んで服が赤くなっている男が立っていた。
その光景をみて分かった。
「プ、プレイヤー殺しだ…」
オンラインのゲームでよく見かける違反プレイヤーの一つ、プレイヤー殺し。
プレイヤーを倒してその倒したプレイヤーからレアアイテムを奪っていくというかなりの狂人である。

実際見たのは初めてだ。
だが今ここでそれをやってしまうのは無謀だと思う。ステータスの差はないし、ここにいる全員世界のトップゲーマーなのだから、束で攻められたらまず勝ち目はない。それにリスポーンした後も警戒され続ける。
終わったな。あのプレイヤー殺し…。

 「お前、なぜその人を倒したんた?」
細身のメガネの男がプレイヤー殺しに話しかけた。
 「あ、勘違いしないでくれよ。
別にプレイヤー殺しとかじゃないんで、ただ死んだけプレイヤーがどこからリスポーンするかなと思ってさ」
 「なっ!?それだけのために倒したのか…
自分で試せばいいだろう!」
 「嫌だね、てか殺った時めっちゃ苦しそうだったし、俺そういうの苦手だからさぁ」
プレイヤー殺しはヘラヘラしながら答えているともうメガネの男が我慢の限界と言わんばかりに震えている。
喧嘩か?面白そうだな。少し戦い方を見学させてもらうとしようかな。


 だがその時だった。突然サイレンの様な大きな音が響いて耳を塞がずにはいられなかった。
数秒なり続けると収まり放送が流れた。
『ルール違反、ルール違反。プレイヤーのプレイヤー殺害。ルール違反、ルール違反。プレイヤーのプレイヤー殺し…
これより処罰を与えます』
 「は?どういう…」
 
 スッ…

 突然街灯の明かりが消え、真っ暗な状態になった。
 「なに!?」「どうなってるんだ!」
そんな声が溢れかえっている。だがその中で一つだけ悲鳴が聞こえた。同時にグシャッと鈍い音も。


少し経つと、明かりが付き元通りになった。
何も変わっていないと思った時、
 
「きゃあああああああ!」
 「うわあああああああ!」
 女性と男性の悲鳴が聞こえた。その方向を見ると、あのプレイヤー殺しの無残な姿が目に入った。

無数の剣が刺さっており関節を剣で刺して固定してあるから立ったまま死んだようにみえる。
傷口からは血がドバドバと出てきておりゲーム
とは思えない演出だった。

皆がうわぁ…、グロいな…と独り言を言っていると放送がまた流れた。


『ルールを破るとその時点でゲームオーバーとなります。ルールをしっかり守って楽しくプレイしましょう。
ルールはブックに記載されています』

ルールを破るとゲームオーバーか、まあよくあるパターンだ。
 「ブックってどれだ?ルールが分かんねえとろくに動けねえよ。」
男が発言するとそれに同意するようにうなずくものや確かにという声が聞こえてきた。
 
「ブックってさっきの説明書いてあるやつじゃない?」
 「確かそれならあのメガネが持ってるんじゃ」
メガネの男の方を向くと既に本を読んでいた。
 「おい、メガネ。ルールは書いてあったか?」
男が尋ねるとメガネの男はコクと頭を上下に降った。
 
「記載されていると言うより今、文字が浮き出てきている。」
 「それ読んでくれよ」
 「分かった」

メガネの男が承諾すると読み始めた。
           







 【ゲームのルール】
  その一:当ゲームの最終目標は塔の最上階を目指すこと

  その二レベルはモンスターとの戦闘をせずとも一階上がる事に経験値一となっております。最大レベルは99です

  その三:プレイヤー同士の殺し合いは禁止とします。見つけ次第処罰の対象です

  その四:当ゲームにはリスポーン機能がございません。そのままゲームオーバーとなります

  その五:まれにこちらからの指示を提示させていた出す場合がございます。その場合どのような場面でも優先的に従ってください。

  その六:他のプレイヤーの所持品を奪うことは禁止ですがゲームオーバーとなったプレイヤーの所持品に関しては例外である。

  その七:他のプレイヤーの個室に侵入することは禁止ですが、本人の許可があれば例外である。

  その八:このブックにはゲームのルール、説明 モンスター情報 マップ機能 プレイヤー現在地、状態 などが記載されています。紛失しないようにご協力お願いします

   なおルールは後ほど追加されることがございます。自身のステータスからも見れるようになっておりますので、こまめに確認するようおすすめ致します。


 「これが今書いてあるもの全て」
 「チッ、こういうルールはもっと早く見せて欲しいものだぜ」
 「レベル上げは意外とらくそうだな」
 「個室あるの!シャワーとか付いてるかな?」
ルールを聞いて安心したのか皆の独り言でまた広場か騒がしくなった。

俺もこのゲームの攻略を考えないとなと思いながら見つめていたのが二人の遺体脱落者だった。

やはり何か違和感を感じるがまあゲームだからなぁと自分に思いきかせ個室へ向かった。
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