バトンタッチした話

加速・D・歩

文字の大きさ
134 / 180
・本編

131 だってだって

しおりを挟む
──トントン

 ノックの音が聴こえて目が醒める。
【窓】を見ればオレンジ色に染まってて慌てて【ドア】を開けるとマルが居た。
 
「同室の子が来てケースの体調が悪いからって」
「あー、だいじょ「大丈夫な顔色じゃない! ほら、安静にそこに座って。」う、うん」

 マルに怒られて少しションボリしながら自分の【ベッド】に座る。
 そこからは過保護なマルにせっせせっせと看病みたいな事をされてなすがままになる俺。だって経験上別の事をしようとするとまた怒られるし。こうなったマルを誰も止められないからさ。


「色々検査をしてみたけど特にこれと言って病気とかはないみたい。カメイメくんが言ってたけど急に泣き出すなんて相当だよ? 知らないうちにストレス……」
「待って待って、ち、違うからっ!」

 マルにも改めて状況というかそうなった原因みたいなのを話すと考え込むマル。

「マル……?」
「いや、なんでもないよ。でも、うーんそれが確かなら……少し良くないかも」
「へっ?」
「いや、こっちの話だから、ケースケは気にしなくて大丈夫だからね。あと、少し抱き着いていい?」
「う、うん。なんかマルとこうやって、するの久しぶり」
「うん。ケースケの事は、僕が守るから、ね」
「ふふ」
「なに?」
「俺の方がマルの事守るし」

 マルの温もり……なんか久しぶり。
 この感じ彼からマナが俺の中を循環してるように感じる。
 マルは俺の事守るって言ってたけど、マルは可憐に守られるタイプに見えて「俺が守る」ってつい、言ってしまった。
 俺は自分よりマルが幸せになってほしいから、今もこうやって【別の世界】に来てもちゃんと平和に過ごせるのは彼と出会えたからだし。

 暫く抱き合ってマルを充電する。


「マルを充電し終えた!」
「ふふ、なにそれ」
「だって、【部屋】も【クラス】も違うし、ワーチャンと無事くっついたし、あ!」
「ん、どうしたの?」

 マルにアレの事を聞きたくて呼んだった事を思い出す。半身の間柄だけどこんな事を聞くのは頬が熱くなるぐらい緊張する。
 でも、ワーチャンとマルは付き合ってるんだし──

「マルっ、あのさ、ワーチャンとあのさ、」
「落ち着いて」
「キスとか、あの乳首弄ったり、おちんちんシコったり、お尻の穴とか……あれ、まる? マル?!」
「はっ、……圭介、そんな事どこで覚えたの?」
「えっと、実は──」

 間髪入れずに喋ったせいで、マルのポカン顔で固まっていた。
 それから戻った彼は少し怒ってる様な声色で俺に問うから最近会ったことを話すと、ため息をつかれた。

「えっと、マル?」
「あのお兄様め……、ケースケあんまり弄るとよくないよ?」
「お兄様? 二トーマ兄の事?」
「ううん、別の人~それより……ケースケはカメイメくんの事が好きなの?」
「へ? えーっと、友達だしめっちゃ頼りなるし、」
「好きって恋人になりたい、の意味だよ?」
「それは、分かんないよ、だって」
「まだ性体験は最近だもんね。」
「うん、」

 メイチャンの事、ううーん、分かんないよ。
 友達としてなら即答で好きだけど!
 一緒にいて楽しいし、なんだかんだ楽しいし!
 全然、違う【地域】出身なのに昔からよく居たぐらい気が合うというか。

「ケースケ、今の表情……うん、とりあえずこの話は保留ね。でも、弄るの我慢できないぐらいなら彼に頼みなよ。他の人は駄目だからね」
「う、うん。それで、マルは~」
「いきなりなに、」
「だってぇ、気になるし」
「恥ずいからっ!」
「俺の事は聞いたのに!」
「それはそっちが勝手に!」

 俺達は【ベッド】の上で揉み合う。
 っても他の人に比べれば緩い喧嘩みたいなモノで──ガチャ


「「あ。」」


──ゴンっ

 痛ぇ! 帰ってきた同室の3人と目が合う。その瞬間──ワーチャンから殴り飛ばされた。っても【ベッド】から落とされたぐらいだけど、でも頭打ったー! 痛いー!

「「ケース!」」

 マルとメイチャンの声がハモる。

「お前……マルゥメに!」
「ワグーッツンっ、待って」
「マルゥメなんでコイツを庇うんだ、お前は襲われそうになったんだぞ!」


 あー、やっぱりそう見えたか。
 確かに俺も揉み合いになったマルは体力の無さに直ぐに赤い顔ではあはあ言ってたし、俺の下になってた訳で……どうみても俺がマルを襲う、場面に遭遇しました~ですよね~……。

「ワーチャンこれに関してはマジで誤解だからっ!」
「殺す」
「「あわわわっ」」

 今度は俺とヌヌくんがハモった。
 誤解だって言ってんのに、めっちゃ殺気だってるワーチャンを止めるには……えーっとえーっと!

「俺がマルを襲うわけないじゃん?」
「どーだか。マルゥメはこんなに可愛いんだ」
「それには激しく同意だけど、俺達兄弟だし」
「ふん。」
「ええ……な、なあ、ワーチャン」
「いつも言ってるだろ、そのふざけた呼び名はやめろって」

 けんもほろろ、ワーチャンが聞いてくれないです。
 こりゃ何言っても無理そう。心が折れる……

「ワーチャンてさ、マルとせ、セックスしたことある……?」
「なっ、」
「ケースケっ?!」
「ごめんだけど、多分まだしてなくても、いつかはするよな、そん時にさ、多分ワーチャンはさ、マルにいれるよな、俺、マルにはいれられない。だって、お尻気持ちいい事知っちゃったから、だからマルを襲わない」

 俺のなんか勢いよく言っちゃったアレに場が凍りつく。
 わ、分かってるよ、でもココまで言わないと分かってくれないと思うし。

「前も言ったけどマルは俺にとってもめっちゃ大事な人なんだ。でも恋愛感情じゃなくて家族愛な、だからマルがずっと好きだったワーチャンとこうやって2人がくっついてラブラブしてるの見るのすげー好きだし、その2人を邪魔しようとなんて思わない。……マルと仲いいワーチャンと、友達になりたい。駄目かな」
「お前な、恥ずかしげも無く……はあ。わかったよ。オィエモ達も困惑してるからこの話は終わりにしよう」
「分かった。」
「殴って悪かった」
「ふふ、いいよ。それになんか殴られるのも」
「あ?」
「なーんでもない」

 殴られた時なんかゾクゾクして堪んなかったなぁって、言わないけどさ。
 その後は普通に駄弁って? 夕ご飯食べたり、メイチャンと【風呂】入ったり──


「お前があんな話をするとは思わなかったぞ」
「うん、でもあの二人とは仲良くしたかったから、俺のせいでギスギスしたら嫌じゃん」
「俺はまだしもヌヌはとばっちりだよな」
「確かに……メイチャン、」
「うん?」
「ううん、なんでもない。」
「変なやつ」

 メイチャンは俺の事どう思ってんだろ。
 友達とか親友とか思ってくれてたら嬉しい。それは俺もだから、でもマルに聞かれて、もし、俺の事を恋愛込みです、好きに……こんな身体を繋げる関係になったから?
 マルが俺の事を心配してくれるのは嬉しいけど、コレばかりは分かんない事ばっかりだ。
 俺だってメイチャンに対して恋愛感情はまだ、分かんねぇし。
 その後はすぐに眠気がきてすやぁ。




──アイツマルから聞いたぞ。大胆だなお前は。
──にしても殴られて気持ちよくなるなんて《能力》抜いてるのにお前って奴は……そのままピュアなままで居ろよな。




 ん~~っ、今日の朝の目覚めもバッチシ!
 今日は確か【予言の授業】がある日なんだよな!
 なんかワクワクする。

 朝のもろもろをして【登校】すると後ろからワーチャンとマルが歩いてくる。
 んー、美形の二人組目の保養ですなぁ。

──トィン様の弟君と銀の君だぁ。
──相変わらず仲がいいよね。
──この時間帯に【登校】してんだね。

 周りの生徒から見られてるのに2人はお互いの事しか見えてないみたいに歩いていく。
 俺ならあんなに見られてたらさすがに気づくけど……まぁいいか。

「ケース! 先に行ってたんだね。おはよう」
「マルおはよ~、ワーチャンもおはよー」
「ああ、おはよ」
「今日、【予言の授業】があるんだよ! 楽しみだなぁ!」
「へー、僕の所はまだ来ないかな? 明日明後日辺りかも」
「へへ、じゃあお互いに教え合いっこしよーぜ!」
「うんっ、楽しみにしてるね」


──何あの子、二人と馴れ馴れしい
──超モブじゃん
──銀の君狙われてるわ!

 狙ってませーん!
 そりゃ2人の仲を邪魔したくないけど、マルと【同室】じゃないんだから仕方ないじゃ~ん。




「特別講師のテック氏だ」
「【予言の授業】を任されましたテックです~。オレがちょちょいとお前らの未来を予言してやるぜ!」

 なんか、思ってたのはシワシワのおばあちゃんかと思った、[水晶玉]持ったね。だけど来たのはピンク髪赤青オッドアイのうーん20代ぐらいの男の人だった。ちな、美形なのでクラスの人達がキャーキャー言ってる。

 
 とりあえずは各々に少し小さめな[水晶玉]を配られてそこにマナを注入すると何かが見えたり見えなかったりするらしい。
 
「やりすぎてマナ不足にならないようにな。ヤバかったら[魔塩]舐めろよな~」
「せんせぇ~教えてくださぁい!」
「僕も~!」

 人気な先生を横目に目の前にある注入したマナの動きを見る。真ん中の方で《聖属性》のマナが光ってクルクルと回りながら輝く。
 んー……特になにも見えないかぁ。

 この前の声とかそういうののヒントになったら良かったんだけどなぁ。


 後半は適当に選ばれて、いや全員やる筈が先生の人気で時間が押して……まぁ、コレばかりはしょうが無いね。
 
「んじゃあ、次は──コ・カメイメくん」
「俺っすか」
「君の剣……聖剣か。うん、予言では君とその剣で悪を倒す──って出たね。頑張って。あと君と相性が良い子が居るね。──ワィーレ・ケースくん」

「へ?」

 呼ばれるとは思ってなくて[水晶玉]から声を上げると先生の横に立ってコッチを見てるメイチャンと目が合う。
 俺も慌てて先生の横に行って彼の[水晶玉]を覗き込むと先生からお尻を触られた。
 え、えっ、なに?

「うん、君と君とても相性が良いよ。これから色んな行事があったりするけど、なるべく一緒の行動をした方がいい方向へ進めるよ。」
「っ、んっ、そ、そうなんですね?」
「おい、あんた。ソイツから離れろ」
「んー? ふふ、ケース様頑張ってくださいね」
「うん?」

 なんで、初対面なのに様付けで呼ばれたんだろ、って思ったけどメイチャンに手を引っ張られてつんのめる。そのまま抱きしめられたあと、キスされた。

──キャー!
──お、やっとか?
──コくん、ワィーレくんとなの?!

 いや俺も状況が、どどどいうこと??
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

好きな人に迷惑をかけないために、店で初体験を終えた

和泉奏
BL
これで、きっと全部うまくいくはずなんだ。そうだろ?

処理中です...