バトンタッチした話

加速・D・歩

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131 だってだって

──トントン

 ノックの音が聴こえて目が醒める。
【窓】を見ればオレンジ色に染まってて慌てて【ドア】を開けるとマルが居た。
 
「同室の子が来てケースの体調が悪いからって」
「あー、だいじょ「大丈夫な顔色じゃない! ほら、安静にそこに座って。」う、うん」

 マルに怒られて少しションボリしながら自分の【ベッド】に座る。
 そこからは過保護なマルにせっせせっせと看病みたいな事をされてなすがままになる俺。だって経験上別の事をしようとするとまた怒られるし。こうなったマルを誰も止められないからさ。


「色々検査をしてみたけど特にこれと言って病気とかはないみたい。カメイメくんが言ってたけど急に泣き出すなんて相当だよ? 知らないうちにストレス……」
「待って待って、ち、違うからっ!」

 マルにも改めて状況というかそうなった原因みたいなのを話すと考え込むマル。

「マル……?」
「いや、なんでもないよ。でも、うーんそれが確かなら……少し良くないかも」
「へっ?」
「いや、こっちの話だから、ケースケは気にしなくて大丈夫だからね。あと、少し抱き着いていい?」
「う、うん。なんかマルとこうやって、するの久しぶり」
「うん。ケースケの事は、僕が守るから、ね」
「ふふ」
「なに?」
「俺の方がマルの事守るし」

 マルの温もり……なんか久しぶり。
 この感じ彼からマナが俺の中を循環してるように感じる。
 マルは俺の事守るって言ってたけど、マルは可憐に守られるタイプに見えて「俺が守る」ってつい、言ってしまった。
 俺は自分よりマルが幸せになってほしいから、今もこうやって【別の世界】に来てもちゃんと平和に過ごせるのは彼と出会えたからだし。

 暫く抱き合ってマルを充電する。


「マルを充電し終えた!」
「ふふ、なにそれ」
「だって、【部屋】も【クラス】も違うし、ワーチャンと無事くっついたし、あ!」
「ん、どうしたの?」

 マルにアレの事を聞きたくて呼んだった事を思い出す。半身の間柄だけどこんな事を聞くのは頬が熱くなるぐらい緊張する。
 でも、ワーチャンとマルは付き合ってるんだし──

「マルっ、あのさ、ワーチャンとあのさ、」
「落ち着いて」
「キスとか、あの乳首弄ったり、おちんちんシコったり、お尻の穴とか……あれ、まる? マル?!」
「はっ、……圭介、そんな事どこで覚えたの?」
「えっと、実は──」

 間髪入れずに喋ったせいで、マルのポカン顔で固まっていた。
 それから戻った彼は少し怒ってる様な声色で俺に問うから最近あったことを話すと、ため息をつかれた。

「えっと、マル?」
「あのお兄様め……、ケースケあんまり弄るとよくないよ?」
「お兄様? 二トーマ兄の事?」
「ううん、別の人~それより……ケースケはカメイメくんの事が好きなの?」
「へ? えーっと、友達だしめっちゃ頼りなるし、」
「好きって恋人になりたい、の意味だよ?」
「それは、分かんないよ、だって」
「まだ性体験は最近だもんね。」
「うん、」

 メイチャンの事、ううーん、分かんないよ。
 友達としてなら即答で好きだけど!
 一緒にいて楽しいし、なんだかんだ楽しいし!
 全然、違う【地域】出身なのに昔からよく居たぐらい気が合うというか。

「ケースケ、今の表情……うん、とりあえずこの話は保留ね。でも、弄るの我慢できないぐらいなら彼に頼みなよ。他の人は駄目だからね」
「う、うん。それで、マルは~」
「いきなりなに、」
「だってぇ、気になるし」
「恥ずいからっ!」
「俺の事は聞いたのに!」
「それはそっちが勝手に!」

 俺達は【ベッド】の上で揉み合う。
 っても他の人に比べれば緩い喧嘩みたいなモノで──ガチャ


「「あ。」」


──ゴンっ

 痛ぇ! 帰ってきた同室の3人と目が合う。その瞬間──ワーチャンから殴り飛ばされた。っても【ベッド】から落とされたぐらいだけど、でも頭打ったー! 痛いー!

「「ケース!」」

 マルとメイチャンの声がハモる。

「お前……マルゥメに!」
「ワグーッツンっ、待って」
「マルゥメなんでコイツを庇うんだ、お前は襲われそうになったんだぞ!」


 あー、やっぱりそう見えたか。
 確かに俺も揉み合いになったマルは体力の無さに直ぐに赤い顔ではあはあ言ってたし、俺の下になってた訳で……どうみても俺がマルを襲う、場面に遭遇しました~ですよね~……。

「ワーチャンこれに関してはマジで誤解だからっ!」
「殺す」
「「あわわわっ」」

 今度は俺とヌヌくんがハモった。
 誤解だって言ってんのに、めっちゃ殺気だってるワーチャンを止めるには……えーっとえーっと!

「俺がマルを襲うわけないじゃん?」
「どーだか。マルゥメはこんなに可愛いんだ」
「それには激しく同意だけど、俺達兄弟だし」
「ふん。」
「ええ……な、なあ、ワーチャン」
「いつも言ってるだろ、そのふざけた呼び名はやめろって」

 けんもほろろ、ワーチャンが聞いてくれないです。
 こりゃ何言っても無理そう。心が折れる……

「ワーチャンてさ、マルとせ、セックスしたことある……?」
「なっ、」
「ケースケっ?!」
「ごめんだけど、多分まだしてなくても、いつかはするよな、そん時にさ、多分ワーチャンはさ、マルにいれるよな、俺、マルにはいれられない。だって、お尻気持ちいい事知っちゃったから、だからマルを襲わない」

 俺のなんか勢いよく言っちゃったアレに場が凍りつく。
 わ、分かってるよ、でもココまで言わないと分かってくれないと思うし。

「前も言ったけどマルは俺にとってもめっちゃ大事な人なんだ。でも恋愛感情じゃなくて家族愛な、だからマルがずっと好きだったワーチャンとこうやって2人がくっついてラブラブしてるの見るのすげー好きだし、その2人を邪魔しようとなんて思わない。……マルと仲いいワーチャンと、友達になりたい。駄目かな」
「お前な、恥ずかしげも無く……はあ。わかったよ。オィエモ達も困惑してるからこの話は終わりにしよう」
「分かった。」
「殴って悪かった」
「ふふ、いいよ。それになんか殴られるのも」
「あ?」
「なーんでもない」

 殴られた時なんかゾクゾクして堪んなかったなぁって、言わないけどさ。
 その後は普通に駄弁って? 夕ご飯食べたり、メイチャンと【風呂】入ったり──


「お前があんな話をするとは思わなかったぞ」
「うん、でもあの二人とは仲良くしたかったから、俺のせいでギスギスしたら嫌じゃん」
「俺はまだしもヌヌはとばっちりだよな」
「確かに……メイチャン、」
「うん?」
「ううん、なんでもない。」
「変なやつ」

 メイチャンは俺の事どう思ってんだろ。
 友達とか親友とか思ってくれてたら嬉しい。それは俺もだから、でもマルに聞かれて、もし、俺の事を恋愛込みです、好きに……こんな身体を繋げる関係になったから?
 マルが俺の事を心配してくれるのは嬉しいけど、コレばかりは分かんない事ばっかりだ。
 俺だってメイチャンに対して恋愛感情はまだ、分かんねぇし。
 その後はすぐに眠気がきてすやぁ。




──アイツマルから聞いたぞ。大胆だなお前は。
──にしても殴られて気持ちよくなるなんて《能力》抜いてるのにお前って奴は……そのままピュアなままで居ろよな。




 ん~~っ、今日の朝の目覚めもバッチシ!
 今日は確か【予言の授業】がある日なんだよな!
 なんかワクワクする。

 朝のもろもろをして【登校】すると後ろからワーチャンとマルが歩いてくる。
 んー、美形の二人組目の保養ですなぁ。

──トィン様の弟君と銀の君だぁ。
──相変わらず仲がいいよね。
──この時間帯に【登校】してんだね。

 周りの生徒から見られてるのに2人はお互いの事しか見えてないみたいに歩いていく。
 俺ならあんなに見られてたらさすがに気づくけど……まぁいいか。

「ケース! 先に行ってたんだね。おはよう」
「マルおはよ~、ワーチャンもおはよー」
「ああ、おはよ」
「今日、【予言の授業】があるんだよ! 楽しみだなぁ!」
「へー、僕の所はまだ来ないかな? 明日明後日辺りかも」
「へへ、じゃあお互いに教え合いっこしよーぜ!」
「うんっ、楽しみにしてるね」


──何あの子、二人と馴れ馴れしい
──超モブじゃん
──銀の君狙われてるわ!

 狙ってませーん!
 そりゃ2人の仲を邪魔したくないけど、マルと【同室】じゃないんだから仕方ないじゃ~ん。




「特別講師のテック氏だ」
「【予言の授業】を任されましたテックです~。オレがちょちょいとお前らの未来を予言してやるぜ!」

 なんか、思ってたのはシワシワのおばあちゃんかと思った、[水晶玉]持ったね。だけど来たのはピンク髪赤青オッドアイのうーん20代ぐらいの男の人だった。ちな、美形なのでクラスの人達がキャーキャー言ってる。

 
 とりあえずは各々に少し小さめな[水晶玉]を配られてそこにマナを注入すると何かが見えたり見えなかったりするらしい。
 
「やりすぎてマナ不足にならないようにな。ヤバかったら[魔塩]舐めろよな~」
「せんせぇ~教えてくださぁい!」
「僕も~!」

 人気な先生を横目に目の前にある注入したマナの動きを見る。真ん中の方で《聖属性》のマナが光ってクルクルと回りながら輝く。
 んー……特になにも見えないかぁ。

 この前の声とかそういうののヒントになったら良かったんだけどなぁ。


 後半は適当に選ばれて、いや全員やる筈が先生の人気で時間が押して……まぁ、コレばかりはしょうが無いね。
 
「んじゃあ、次は──コ・カメイメくん」
「俺っすか」
「君の剣……聖剣か。うん、予言では君とその剣で悪を倒す──って出たね。頑張って。あと君と相性が良い子が居るね。──ワィーレ・ケースくん」

「へ?」

 呼ばれるとは思ってなくて[水晶玉]から声を上げると先生の横に立ってコッチを見てるメイチャンと目が合う。
 俺も慌てて先生の横に行って彼の[水晶玉]を覗き込むと先生からお尻を触られた。
 え、えっ、なに?

「うん、君と君とても相性が良いよ。これから色んな行事があったりするけど、なるべく一緒の行動をした方がいい方向へ進めるよ。」
「っ、んっ、そ、そうなんですね?」
「おい、あんた。ソイツから離れろ」
「んー? ふふ、ケース様頑張ってくださいね」
「うん?」

 なんで、初対面なのに様付けで呼ばれたんだろ、って思ったけどメイチャンに手を引っ張られてつんのめる。そのまま抱きしめられたあと、キスされた。

──キャー!
──お、やっとか?
──コくん、ワィーレくんとなの?!

 いや俺も状況が、どどどいうこと??

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