終:下は大火事、上は洪水の話

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島の話4

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「守り手様だ」
「初めて見た……」

 白フードを被った“管理者”と名乗った人物が守り手という存在だったとは。宿屋の主人も驚いてる様子でやっぱりなかなか人前に現れることが無いらしい。

「それで、私に聞きたいことがあるんじゃないのかい?」

 男性なのか、女性なのか相変わらず声では判別出来ないが、質問には答えてくれそうだ。

「あの、キョウリュウって呼ばれてるモノは、女神の手なん、ですか? それと女神様は実在して生きてるんですか……?」

「どっちもそうだよ」

 守り手の答えはシンプルだった。女神様が本当に居るのか……そう見上げても相変わらず霧と雲の中。
 
「守り手、とはあなたがずーっとこの地で女神と住民を見守ってる存在なのか? それとエルフ的な長寿種族なんですか?」

「いいえと△だね」

 守り手が説明するとこんな感じだった。
 元々この女神が湖に現れた時に、近くに住んでいた住民がいた。それが代々の守り手をしてる、らしい。元々は普通の種族で寿命も長くも短くもなかったが、女神がここを守る、管理するという契約で、エルフほどか分からないが寿命を伸ばしたらしい。が、この周辺でしか効果は無く、この場所を離れると老いて死ぬらしい。

「守り手の仕事? 役目とはなんなんですか?」
「この湖の管理と女神が起こす奇跡、それの伝承かな」

 湖の管理については、女神が起こす奇跡やそこに住む生物に関してらしく、例えばよく魚が取れるがそれも女神が生成して守り手が、この島の付近に集まるよう指示? しているとか。
 伝承はこの湖が生まれ、女神が住み、島々が出来て、そこに人々が住み始めて~という昔話のようなもの。
 ほとんどの人は、女神と言われてるだけでただの岩や島だと思ってるから存在を忘れないようにする為だとか。
 何十年に一度、守り手が祈りを送る儀式があるらしく、その時は女神が立ち、湖を一時的だが離れるらしい。

「この場所から女神が居なくなるんですか?! その女神は何処に、それに空っぽになった湖は……」
「キミ、質問が多いね」
「す、すいません」

「まぁ、いいよ」と守り手は答え説明する。

 湖から居なくなった女神は、神の国に行ってるのだと守り手は言う。本当かどうかそれは分からないが……
 湖の水も無くなり底が見えるようになる。その時は次の女神が降臨する時まで命がけの祭りが開催されるらしい。

「命がけの祭り……?」
「キミ達にとってはね」

 空っぽになった湖は宝の宝庫らしく、主に冒険者達や国々を上げて探査隊が各地から集まり、広い湖の底に集まる。
 他の住民はここぞとばかりに商売をして稼ぐらしい。
 
「命がけには聞こえませんが……」

 港の船着き場から垂直にしか降りれないし、高さもあり落ちる可能性、人々が集まり中には賊など輩が居るので対人トラブル、それと女神が戻る前に大雨が降るらしいんだが、それが湖の水が戻る合図なので急いで戻らないと死ぬ、らしい。

「大雨ですか。そういえば、湖の水って少しでも長く浸かるだけでも死ぬって船頭さんも言ってたような。」
「そうだね、ここのニンゲン達には有毒だよ。だからどんどん上がる水位に間に合わなくて助からない者も多い」

 そして、女神が戻り島々が出来上がりそこにまた島の人達が住み始めるそうな。

「って、事は、このキョウリュウが暴れてたって事は、女神様が居なくなるって事なのでは?」
「ふふ、御名答」

「さあ、今回は特別な船を用意した。この住人達が乗っても沈まない船だ! 2時間後に島を出る、荷物をまとめた者だけ乗れ、遅れるやつは自分でどうにかしろ!」

 そういうと守り手の姿はもう無く、狐につままれてる気持ちになる。急いで宿に戻り、元々荷物は少ないが部屋を見渡して必要なものを鞄に詰めふと、窓へ視線をやる。さすがにゴーストは居なかった。下に降りて宿の主人の荷物も運びつつ船着き場へ。

「おお……」
「なんという、立派な……」

「守り手が住人の避難に手を貸すなんてこれっきりだけどね。今回は面白い彼が居たからだよ」
「え、俺?」

 島の住人に拝まれる、いやいや! なんで俺なんだと思いつつも時間が切羽詰まってるらしく大きな船に乗る。ぶっちゃけ、あの階段を降りると思ってたのでそれをしなくていいぐらいの高さがある……船に乗り込むと20人~30人ほど乗り込んでもグラグラしない、安定している。
 行きに乗ってきた小さな船は、船頭さんを入れても4人でギュウギュウだ。

「よし、時刻通りしゅっぱーつ!」

 島から船が離れる、誰がこの船を漕いでるのだろう? それとも風魔法で進ませてるのか?

 あっちの岸まで半分となったところで、まだ島に人がいるのが見えた。
 守り手に伝えると「ちゃんと時刻は言ったし、それでも遅れたなら仕方ないことだよ」自分で来れるでしょ、と言われただけだった。
 
 船が到着すると、荷物を持って陸に上がる。行きに船に乗せてくれた船頭さんに会い、まだ島に人が残ってると伝えるが、船はもう出せないという。

「じゃ、あの人達はどうなるんですか?!」
「しかしだな、……ほら、上見てみろ」

 もう時間がない。そう言われて上を見る。

「女神様が動き出してる、長くこの仕事をしてるが、こんな事は何十年に一度の事、初めて目の当たりする。」

「見て! 島が……!」
「せっかくの畑が!」
「おーい! 早く逃げろー!」

 島が傾き始め、山の上は土砂崩れが起きたり、畑を持ってる島の人は心配そうにしている。
 島にも小さな船はあったらしく、まだ残ってる者が頑張って漕いでいたが……

「「ああ……」」
「そんな……」

 女神様が完全に立った事により、湖は大荒れ船は沈んでいってしまった。一瞬だけ、気のせいかも知れないが、ゴーストが船に……いや、気のせいだろう。


 数日後に行う儀式と祭りのため守り手と島の住人は大忙し、宿屋の主人はこれから来るだろう大勢のお客の為に仮設を建ててる。
 近くにある木々から材木を持ってきて建てるんだが、さすがに一人何もしないのは、と思い手伝う。
 こんなに、力仕事として労働するのはいつぶりだろうか。
 地元はこ此処より北の方にある地域で、子供の頃は雪かきとかしてたけど、兄弟では下の方で上が居るから成人する15歳で出てきてしばらくは転々と街での色んな労働ギルドに登録して稼いでたんだが、同僚が「旅は良い。オススメだ」と言ってきたきっかけで、この旅をし始めた。
 
 そんなこんなと考えながら仕事をしていたらあっという間にこの日の仕事は終え、夕飯を食べて住民の寝床に寝させてもらうことに。

「若いの、よく働いてくれた。助かったよ」
「初日から飛ばしすぎました……筋肉痛になるかも。」
「ハッハッハ! まあ、今日は十分に休め! おやすみ」
「はい、お休みなさい。」

 祭りも気になる事だししばらく協力する事になった。


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(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)食材は森の中の野草、ウサギなどの動物や魔物を調理して食べてます
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