終:下は大火事、上は洪水の話

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島の話5

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「女神が湖から出ると聞いて急いできたわ!」
「皆ども! 野営を始めろ!」
「「おー!」」


 続々と何処かの領主や国の軍、冒険者に輩と様々な人達が集まり賑わい出す。
 俺は島の人達の手伝いとして、小さいけど宿泊料を貰う小屋を建てたり、女性陣が料理を作りそれを売りに行く手伝いをしたりと結構、忙しい。
 最初の頃は普段使わない筋肉が悲鳴を上げて筋肉痛になったけど、此の所はまぁ、慣れた、かな?


 守り手様は? と言われれば、「丁度、守り手様の所にこれを持っていって!」と料理を手渡された。

 ・・・毎日何故か俺が持っていくことになってて、だけどなぁ。


「守り手様。ご飯持ってきました、ってまだやってるんすね」

 聞いたことが無い言葉を呟いてる。あの日、島という名の女神様が湖から居なくなってからずーっと呪文を唱えている。

「あ! タビ来てたの?! わー! 今日のご飯だぁ!」

 横から俺の持ってきた料理を覗くのは守り手と同じく白いフードを上手く被れてない子供、この子もれっきとした守り手。タビは俺が旅人だから、らしい。

「ちょ、毎回勝手に持っていくなよ! てか、あの人ずーっと食ってない、よな。大丈夫なのか?」
「ふぁい、ふぁーふ、もごもご」
「ちゃんと食ってから話せよ、てか手づかみで食うな、スプーンをちゃんと持って、」
「ごっくん、んー、だって手で食べた方が早いんだもんー!」

 島での守り手以外のチビ以外もゾロゾロと集まって呪文を唱える者、別の作業をしてる者、こっちに来て料理を食べる者と様々だ。

 宿の主人との会話でこんなに多くの守り手様を見たことない、と言っていたのを思い出した。

「呪文担当はこの儀式が終わるまでは飲み食いしないんですよ」
「そうは言っても数日はかかるって、心配になる。」
「ふふ、お優しいのですね、タビさんは。」

 守り手様達からタビの名の浸透率がやばい。旅中はこれ名乗っていこうかなぁっていう気分にさせられる。
  
 湖の水かさはまだ半分ぐらいあり、底は少し見えてきた。冬になると透明度がないらしい。あの底には宝があると冒険者達が言っていたな。
 少しワクワクする気持ちはあるが、ただの旅人だから探索は出来そうにない。

 冒険者達が言うには、命を賭けるほどの何かがあるとかで。
 まぁ、国の軍が来るほどだ。戦利品を見ることは出来るだろうか?

 基本的に降りる場所は港から各々長い縄梯子を垂らして降りる。
 魔法や、空飛ぶ鳥などを使って降りようとすれば、事故に遭う可能性が高く、難しいということ。

 底に降りたら各自探す場所を決める、それをしないのが輩達で、それで対人の争いが起こるから武装はちゃんとしないといけないとか。


「そろそろ、ですかね。」
「え、」
「彼らの儀式が終わりそうですから、湖の水も抜けて底に降りれそうです」
「じゃあ、皆さんにお知らせしていますね!」

 正座で座ってた事もあり、立つときにぐらっとよろめく。ふふ、でもなんだか童心を思い出すようなワクワク感に心躍る。

 下に行く人達のところに行くと、もう集まっていた。なんでも、何回も経験がある者はなんとなく空気感で分かるそうだ。

「皆さん、そろそろ下に降りれるようになります。この時計が昼の3時近くになったら余裕をもって上がってくるように。雨が振り始めたらほぼ帰ってくるのは無理になります。ご武運を。」

 俺と一緒に来た守り手様が最後の説明をする。俺は自分よりデカい時計を支える役で、あの教会にあった太陽と月が描かれてるモノで、太陽の半分をちょっと過ぎたあたりを指していた。

 天気は快晴で、雨が降る天気に思えないんだけど、参加者達は疑問にしないようで、気にする素振りはない。

 各々丈夫そうな縄梯子、降りたときに使う道具などの点検をしている。


+
(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)もう5時なのでまた早いけどここまで。
ぶっちゃけ主人公の名前は考えてなくて、通称タビでいいかなぁと。
身長180cmぐらい、体重はそんなに重くない、ヒョロガリでもない。歳は32歳?ファンタジー旅人風の服装、無精髭生やしっぱなし、愛想は良いので年上の方に親切にされがち、かな?+
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